株式会社トクヤマの概要と沿革

まず、トクヤマの基本情報は以下の通りです。

【トクヤマの概要】

社名株式会社トクヤマ
本社所在地東京都千代田区外神田1-7-5 フロントプレイス秋葉原
設立年月日1918年(大正7年)2月16日
代表取締役横田 浩
株式公開東証一部上場(証券コード:4043)
資本金10,000百万円(2016年6月27日現在)
事業内容塩ビ事業・電子材料事業など
トクヤマHP:会社概要より引用


トクヤマは東京都千代田区に東京本部、山口県周南市にトクヤマ製造所(本店所在地)を置く塩ビや電子材料などを扱う総合化学工業事業を行なっている企業です。特に地元である山口県や九州地方では『トクヤマ』の名は知名度が高く、大手企業として周知されています。そんなトクヤマは1918年創業と約100年に渡る長い歴史を歩んできました。

それではトクヤマの歴史を沿革で見ていきましょう。

【トクヤマの沿革】

1918年2月[ソーダ灰事業・創業]山口県徳山町(現 周南市)に「日本曹達工業株式会社」設立
1936年1月社名を「徳山曹達株式会社」に変更
1938年3月[セメント事業進出]ソーダ灰事業の副産物を生かした湿式法によるセメント製造開始
1940年1月[無機化学品事業拡大]塩化カルシウム製造開始
1952年3月[電解ソーダ事業進出]ソーダ灰と併産していた苛性ソーダを電解法による製造へ
1960年1月湿式シリカ製造開始 (2010年 生産停止)
1960年12月山口県南陽町(現 周南市)にセメント事業拡大のため南陽工場完成
1964年7月[石油化学事業進出]苛性ソーダと併産する塩素を利用し、プロピレンオキサイド(PO)製造開始
1966年9月[塩化ビニル事業進出]塩化ビニル樹脂の製造子会社設立
1967年3月[イオン交換膜事業進出]イオン交換膜製造開始
1967年6月山口県徳山市(現、周南市)に石化事業拡大のため東工場開設
1970年3月[ポリプロピレン事業進出]ポリプロピレン(PP)製造開始(2001年(株)プライムポリマーに営業譲渡)
1972年7月イソプロピルアルコール(IPA)製造開始
1976年1月[フィルム事業進出]PPを原料として二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)製造開始
1978年3月[歯科器材事業進出]歯科材料の製造販売合弁会社「トーワ技研」を設立 (2001年 トクヤマデンタルへ統合)
1980年9月神奈川県藤沢市に藤沢研究所開設 (1989年 つくば研究所に統合)
1981年2月[建材事業進出]樹脂サッシ製造会社 「シャノン」設立(現 エクセルシャノン)
1982年4月[生活関連事業進出]家庭用除湿剤『水とりぞうさん』発売 (2004年 (株)オカモトに営業譲渡)
1982年8月[ファインケミカル事業進出]プラスチックめがねレンズ材料発売
1983年8月[エレクトロニクス事業進出]電子工業用高純度薬品発売
1983年11月苛性ソーダをイオン交換膜法に製法転換
1983年11月画期的な歯科用コンポジットレジン『パルフィーク』発売
1983年12月[診断システム事業進出]診断薬 『ポリアミン・テストーエンザイム』発売
1984年7月[多結晶シリコン事業進出]高純度多結晶シリコン製造開始
1985年4月[窒化アルミ事業進出]独自の還元窒化法による窒化アルミニウム粉末製造開始
1985年4月茨城県波崎町(現 神栖市)にファインケミカル事業拡大のため鹿島工場開設
1985年12月[センサ事業進出]ガスセンサ素子・機器製造会社 「フィガロ技研」に資本参加
1988年5月診断システム事業の合弁会社「エイアンドティー」設立
1989年3月アメリカに現地法人「トクヤマアメリカ」設立
1989年5月茨城県つくば市につくば研究所開設
1989年8月ドイツ・デュッセルドルフに現地法人「トクヤマヨーロッパ」設立
1992年2月フィルム販売の合弁会社「サン・トックス」設立
1994年4月社名を「株式会社トクヤマ」に変更
1995年7月韓国に半導体用現像液合弁会社「韓徳化学」設立
1995年7月塩ビ事業統合による「新第一塩ビ」設立
1996年6月シンガポールに現地法人「トクヤマアジアパシフィック」、電子工業用高純度薬品精製・配送拠点「トクヤマエレクトロニックケミカルズ」設立
1996年8月台湾に電子工業用高純度薬品精製・配送拠点「台湾徳亞馬(股)」設立
2000年4月フィルム事業を「サン・トックス」に、樹脂サッシ事業を「シャノン(現 エクセルシャノン) 」に統合・分社し、設立
2000年8月[資源環境事業進出]
2001年4月ポリプロピレン(PP)製造合弁会社「徳山ポリプロ」設立
2001年4月ごみ焼却灰の再資源化事業合弁会社「山口エコテック」設立
2001年10月歯科器材事業を統合・分社し、「トクヤマデンタル」設立
2001年12月結晶性層状珪酸ナトリウムの製造販売会社を子会社化し、「トクヤマシルテック」設立
2002年4月事業運営体制を企画・開発・製造・販売一体の機能完結型組織に再編し、部門制を導入
2002年9月中国・上海に微多孔質フィルム製造販売会社「上海徳山塑料」設立
2003年1月情報システムグループを分社し、「トクヤマ情報サービス」設立
2004年1月イオン交換膜事業を合弁会社「アストム」に統合
2005年9月中国・浙江省に乾式シリカの製造販売会社「徳山化工(浙江)」設立
2005年9月中国・上海に現地法人「徳玖山国際貿易(上海)」設立
2007年2月窒化アルミニウム白板製造の合弁会社「TDパワーマテリアル」設立
2008年1月韓国・ソウルに現地法人「トクヤマコリア」設立
2007年8月石炭等のバルクカーゴ保管・出荷の合弁会社「周南バルクターミナル」設立
2007年10月樹脂サッシ事業の統合により「エクセルシャノン」設立
2009年8月マレーシア・クチンに多結晶シリコンの製造販売会社「トクヤママレーシア」設立
2011年2月トクヤママレーシア 第1期多結晶シリコンプラント建設工事起工式
2011年4月執行役員制度を導入
2011年6月中国・天津に微多孔質フィルムの製造販売会社「天津徳山塑料」設立
2012年2月トクヤママレーシア 第2期多結晶シリコンプラント建設安全祈願祭
2013年3月廃石こうボードリサイクル事業合弁会社「トクヤマ・チヨダジプサム」開業
2013年5月中国・上海に管理性公司「徳玖山(上海)」を設立
2013年6月液化水素製造の合弁会社「山口リキッドハイドロジェン」開業
2013年6月フランス領・ニューカレドニアのセメント製造販売会社の株式を取得し、 「トクヤマニューカレドニア」を設立
2013年10月漆喰事業を分社化した「FLトクヤマ」を設立
2014年3月ソーダ灰・塩化カルシウムの共同事業会社「トクヤマ・セントラルソーダ」を設立
2014年6月生コンクリートの製造・販売会社「広島トクヤマ生コン」を設立
2014年10月トクヤママレーシア 第2期プラント生産・販売開始
2015年3月窒化アルミニウム粉末増設プラント完成
2015年6月クリンカー輸出用積み込み設備稼働開始
2015年10月産業用洗浄剤の製造・販売会社 トクヤマMETEL営業開始
2016年5月中期経営計画「再生の礎」を発表
あらたなる創業に向けた「トクヤマのビジョン」を発表
2016年6月「トクヤマ・チヨダジプサム」関東工場竣工
トクヤマHP:沿革より引用


創業より中心事業として行なってきた電解ソーダなどのナトリウム部門をはじめ、近年では扱う分野の多角化を進めており、中でも石油化学に関しては特に力を入れています。そして高技術、高品質を誇るトクヤマの製品の中でも半導体や、太陽電池などに用いられる高純度ポリシリコンは世界でも2位の生産量で、99.999999999%『イレブンナイン』といわれる限りなく100%に近い純度を誇っています。現在では日本各地に支店、や工場、研究所と拠点を広げており企業としての発展に力を注いでいる事がわかります。

株式会社トクヤマのビジョン

次に、トクヤマのビジョンをまとめていきます。

【トクヤマのビジョン】

当社は、1989年に制定(ル・パピヨン作戦)された「基本理念」「行動指針」の抜本的な見直しを行い、新たに『存在意義』『目指す姿』『価値観』からなる、あらたなる創業に向けた「トクヤマのビジョン」を制定しました。これは、次の100年に向けて「トクヤマ再生の礎」を築き、持続的成長を遂げていくために、今改めてトクヤマの存在意義を明確にする必要があるからです。我々は何であり、これからどこへ向かっていくのか。それを明らかにするのが「トクヤマのビジョン」です。事業戦略をはじめとする会社の活動の大本は、このビジョンに繋がります。

存在意義
化学を通じて暮らしに役立つ価値を創造する

目指す姿
量から質へ

価値観
・顧客満足が利益の源泉
・目線はより広くより高く
・前任を超える人材たれ
・誠実、根気、遊び心
トクヤマHP:トクヤマのビジョンより引用

化学と聞くと少し難しく感じる方も多いと思いますが、想像以上にわたし達の生活に関わってきている分野でもあります。そんな化学を通じてわたし達の生活に役立つ製品を作り続けているトクヤマは、量より質にこだわりを持っています。そしてこれまでの約100年で培ってきた経験をこれからの新しい100年に向けてさらなる進歩を続けていけるようなビジョンを明確に持っている事がお分かりいただけると思います。

株式会社トクヤマの事業内容

最後にトクヤマの事業内容は以下の通りです。専門的な分野や単語が多く出てきますが、そのどれもがわたし達の生活に関わっており、化学の発展が現在の豊かな生活を支えている事がわかります。そしてトクヤマをはじめとした化学工業製品メーカーの技術が進歩する事がより良い未来の形にしてくれるのは間違いです!

【化成品部門】

化成品部門は、皆様の暮らしに欠かせない様々な製品の原料となる基礎化学製品を取り扱っています。1918年の創業以来の事業であるソーダ灰、「煙突のあるところには必ず使用される」と言われる苛性ソーダ、塩素誘導品などの製品は非常に幅広い用途を持ち、各産業において必要不可欠なものとなっています。 また苛性ソーダの製造工程で発生する塩素と水素は当社の多結晶シリコンの製造工程で使用されており、当社の収益を下支えする基盤事業としての役割も担っています。
なお2013年に開業した液化水素製造の合弁会社「山口リキッドハイドロジェン」を通して、当社の水素が種子島宇宙センターのロケットの燃料としても使用されるなど、最先端の宇宙開発にも貢献しています。 当部門では、「顧客に選ばれ続けるトクヤマを実現する」という部門目標のもと、顧客企業個々の要請を受け止めて、ニーズに見合った安定かつタイムリーな製品・サービスの提供に努めています。

【特殊品部門】

特殊品部門の製品分野はエネルギー、エレクトロニクス、環境など多方面に渡っています。例えば半導体や太陽電池に使われる高純度多結晶シリコンは、世界有数のシェアを持っています。またその副生物から製造する乾式シリカはシリコーンゴムや複写機トナーなどに使われています。放熱性という特長を持つ窒化アルミニウムは、半導体の製造装置をはじめ、インバーター、LEDなどの省エネルギー分野でも利用され、電子工業用高純度薬品は半導体、液晶パネルの製造などに役立っています。
特殊品部門は今後も化学技術を基盤として世の中の役に立つユニークな製品を創り出していきます。

【セメント部門】

トクヤマのセメント事業は、1938年徳山製造所内の副産物の有効活用という時代に先駆けた観点でスタートしました。徳山製造所南陽工場で製造するセメントやセメント系固化材など関連製品は、生コンクリートやコンクリート二次製品に形をかえ、住宅・ビル・ライフラインを支える構造物、港・橋・道路など社会資本になって人々の暮らしを支えています。

現在は社内だけでなく、社外からも廃プラスチックや家庭ゴミを燃やした後の灰など多くの廃棄物を受け入れ、セメントを製造する工程で原料や熱エネルギーとして利用しています。社会に開かれたリサイクルを実現し、限りある資源を有効に活用する資源循環型社会の形成に貢献しています。

またセメント系やモルタル系の各種建材製品をトクヤマエムテックが製造販売するほか、当社独自の漆喰をシート化する技術により、建築内装材「漆喰ルマージュ」や、古典的なフレスコ画の技法に漆喰による立体造形技術を組み合わせた最新フレスコ技法「Fresco Graph」などを展開し、セメント・建材分野で培った技術で新たな可能性を見出しています。

【ライフアメニティー部門】

ライフアメニティー部門は、イオン交換膜、歯科材料、臨床検査システム、ポリオレフィンフィルム、樹脂サッシ等を手掛けるグループ会社およびトクヤマのファインケミカル事業とNF事業を統括する部門です。
ファインケミカル事業では、当社の強みである有機合成技術から生まれた、めがね関連材料やジェネリック医薬品原薬・中間体を中心に事業展開をしており、NF事業では、水は通さず空気や湿気は通すというフィルムを製造販売しています。海外グループ会社としては、中国はじめ新興国で急速に需要が伸びている紙おむつ用の通気性フィルムの製造販売を担っている上海徳山塑料などがあります。
トクヤマHP:事業・製品より引用

もうすぐ創業100年を迎える株式会社トクヤマ!

専門的な分野や単語が多く出てきましたが、そのどれもがわたし達の生活に関わっており、化学の発展が現在の豊かな生活を支えている事がわかります。そしてトクヤマをはじめとした化学工業製品メーカーの技術が進歩する事がより良い未来の形にしてくれるのは間違いです!そして環境にも配慮した製品が今後は今以上に増えていき、わたし達にも地球にも優しい化学製品が増えていくことを願いたいですね。ますますのトクヤマの発展に期待していきましょう!