日本板硝子株式会社の概要と沿革
まず、日本板硝子の基本情報は以下の通りです。
【日本板硝子の概要】
社名 | 日本板硝子株式会社 |
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本社所在地 | 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友ビル4階 |
設立年月日 | 1918年(大正7年)11月22日 |
代表執行役社長 兼 CEO | 森 重樹 |
株式公開 | 東証一部上場(証券コード:5202) |
資本金 | 116,452百万円 |
事業内容 | 建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業、高機能ガラス事業 |
日本板硝子は、大阪府大阪市に本社を置いている主にガラスの製造、販売を行なっている会社です。その歴史は今から約100年前の1918年から始まるとても歴史ある企業としても知られ、日本のモノづくりの伝統をガラスの製造の分野から支えてきました。東証一部に上場している名実ともに大企業である日本板硝子は現在、日本のみならず世界規模でも業界をリードしています。
それでは日本板硝子の歴史を沿革で見ていきましょう。
【日本板硝子の沿革】
1918年11月 | 大正7年11月、コルバーン式製板法による板ガラスの製造を目的として、米国リビーオーエンスフォードグラス社から技術導入し、日米板ガラス株式会社として設立され、大阪市に本店を置く |
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1919年5月 | 北九州市若松区に若松工場建設 |
1931年1月 | 日本板硝子株式会社と現社名に変更 |
1935年8月 | 三重県四日市市に四日市工場建設 |
1941年3月 | 徳永板硝子製造株式会社を吸収合併し、尼崎所在の尼崎工場を加える |
1941年8月 | 東京支店設置 |
1944年11月 | 尼崎工場の操業を休止し、住友化学株式会社に譲渡 |
1947年8月 | 大阪支店及び小倉支店設置 |
1948年8月 | 名古屋支店設置 |
1949年11月 | 尼崎市に研究所設置 |
1951年3月 | 京都府舞鶴市に舞鶴工場建設 |
1953年11月 | 小樽支店設置 |
1961年6月 | 大阪市に本社ビル完成 |
1963年4月 | 仙台支店設置 |
1963年9月 | 千葉県市原市に千葉工場建設 |
1963年12月 | 小樽支店を札幌に移転し、札幌支店設置 |
1964年11月 | 舞鶴工場にフロート方式による板ガラス製造設備新設 |
1968年7月 | 伊丹市に研究所を新設移転 |
1969年7月 | 千葉工場に型板ガラス製造設備新設 |
1970年10月 | 日本安全硝子株式会社を吸収合併し、川崎及び京都市所在に川崎工場及び京都工場を加える |
1971年8月 | 千葉工場にフロート方式による板ガラス製造設備新設 |
1971年11月 | マレーシアン・シートグラス社を設立 |
1972年8月 | 小倉支店を福岡に移転し、福岡支店設置 |
1973年5月 | 広島支店設置 |
1977年12月 | 若松工場閉鎖 |
1978年6月 | 舞鶴工場にフロート方式による板ガラス製造設備新設 |
1979年7月 | 日本硝子繊維株式会社よりガラス繊維の販売権の譲渡を受け、ガラス繊維の販売を開始 |
1979年12月 | 日本硝子繊維株式会社土浦工場の管理運営を当社に移管し、土浦製造所として発足 |
1980年7月 | 相模原製造所新設 |
1983年10月 | 筑波研究所新設 |
1986年9月 | ユナイテッドL-Nグラス社新設 |
1987年4月 | 日本マイクロジーウール株式会社(後に株式会社マグに社名変更)を設立し、ガラス短繊維の製造及び販売業務を譲渡 |
1987年10月 | NSGヨーロッパ社を設立 |
1990年3月 | リビーオーエンスフォード社に資本参加 |
1990年6月 | 川崎工場閉鎖 |
1990年7月 | 相模原製造所を相模原工場に改称 |
1991年11月 | 愛知工場を設置 |
1993年4月 | トリプレックスセイフティグラス社に資本参加 |
1995年3月 | ベトナムフロートガラス社設立 |
1995年7月 | NSGアジア社設立 |
1995年8月 | 蘇州板硝子電子有限公司を設立 |
1996年11月 | NSGフィリピン社を設立 |
1997年1月 | 天津日板浮法玻璃有限公司を設立 |
1998年2月 | 舞鶴工場新フロート窯操業開始 |
1999年4月 | 日本硝子繊維株式会社と株式会社マイクロオプトを吸収合併 |
2000年7月 | 英国ピルキントン社に資本参加 |
2001年4月 | 日本無機株式会社を完全子会社化 |
2001年10月 | 英国ピルキントン社、持分法適用会社となる |
2002年9月 | NSGヴェトロテックス社設立し、ガラス長繊維事業を譲渡 |
2004年3月 | ガラス磁気ディスク事業及びNSGフィリピン社をHOYA株式会社へ譲渡 |
2004年7月 | 本店所在地を大阪から東京都港区へ変更 |
2004年9月 | 愛知事業所閉鎖 |
2004年10月 | 日本無機株式会社のバッテリーセパレータ事業を会社分割により継承し、垂井事業所を開設 |
2005年12月 | 蘇州美日薄膜電子有限公司を完全子会社化 |
2006年6月 | 英国ピルキントン社を完全子会社化 |
2006年11月 | 蘇州日硝特殊玻璃繊維有限公司の開業(2005年5月設立) |
2008年6月 | 持分法適用会社株式会社マグをサンゴバン株式会社に譲渡 |
2008年6月 | 委員会設置会社へ移行 |
2009年10月 | 日本無機株式会社をダイキン工業株式会社へ株式譲渡 |
モノを作るには技術が必要なのは当然ですが、特に緻密で扱うのにも繊細な技術が必要なガラス製造の分野で、同じく日本企業である旭硝子と並び世界的に見ても最大手と呼ばれるまでに日本板硝子は発展を遂げました。そして歴史の中でも特に有名なのが、2006年にイギリス、ビルキントン社を子会社化したことです。当時、日本板硝子より最終売上高も最終利益も大きかったビルキントン社を買収した話は、小が大を飲み込むカタチの非常に珍しい合併として騒がれました。そしてその結果両社の技術と経験を活かし現在は業界のリーディングポジションに位置づける大企業として活躍を続けています。
日本板硝子株式会社の経営理念
次に、日本板硝子の経営理念をまとめていきます。
【ビジョン】
ガラス技術で世界に変革を日本板硝子HP:経営理念と行動指針より引用
【ミッション】
革新的な高性能ガラス製品の分野でグローバルリーダーとなることを目指すとともに、日本板硝子HP:経営理念と行動指針より引用
省エネ・創エネに貢献し、安全で倫理的な事業活動を行う
【経営理念】
事業は人なり日本板硝子HP:経営理念と行動指針より引用
我々は次の理念を仕事の基本として事業に携わります。
・信用と相互尊重
・誠実な行動とプロ意識
・協力一致と相互支援
・オープンなコミュニケーション
・進取の精神と創意工夫
・情熱と不屈の精神
・自己責任と社会的貢献
・サステナビリティの推進
【行動指針】
我々は次の行動を実践し、事業を成功に導きます。日本板硝子HP:経営理念と行動指針より引用
・すべての行動が会社の価値を高め、サステナブル(持続可能)にするものであるよう常に注意を払う。
・すべての災害は未然に防げるものであると信じて、安全をあくまでも追求する。
・すべての行動において、最高水準の社会的・環境的責任を果たす。
・すべての従業員の潜在能力を開発し、やる気とコミットメントを引き出す。
・決められた品質基準を遵守し、顧客満足を達成する。
・常に先端技術および革新的製品・用途の開発を行うことで、一歩先を進み続ける。
・製造・開発・営業と密接に連結し、データ・事実・分析に基づいて意思決定する。
・シナジー効果を十分に引き出し、無駄を排除し、競争力を確保する。
・すべての事業活動において、たゆまず改善を追及する。
日本板硝子株式会社の事業内容
最後に日本板硝子の事業内容は以下の通りです。大きく三つに事業分けされており、そのどれもが高品質を心がけニーズに合わせた製品を扱っています。鉄道などに使われる遮音性の高いガラスから一般家庭などにも使われている防犯性の高い2枚のガラスの間に中間膜を入れておりガラスまで幅広い分野で使われている事がお分かりいただけると思います。
【事業部門】日本板硝子HP:事業部門より引用
当社グループは、次の主要な3つのセクターで事業を行っています。自動車セクターは、OE(新車用)およびAGR(補修用)をカバーしています。高機能ガラスセクターおよび建築用ガラスセクターは、ディスプレイ用ガラス、オプトエレクトロニクス製品、太陽光発電用ガラスなど広範な高付加価値製品とビル用および住宅向けなどに新築およびリフォーム用のガラスを扱っています。
建築用ガラス事業
欧州
日本
北米
南米
中国
東南アジア
自動車用ガラス事業
新車用ガラス(OE)
補修用ガラス(AGR)
特殊輸送機材用ガラス(バス、トラック、船舶など)
高機能ガラス事業
LCD用薄板ガラス
コピー/プリンター用レンズ
ゴムコード
バッテリーセパレータ
幅広い分野で活用され、常に新しい製品を作る事が出来るのが日本板硝子株式会社!
日本のみならず世界的なシェアを獲得している日本板硝子は、これまでに時代時代に沿ったニーズに対応できる技術力を武器に事業を展開してきました。近年でじゃイギリスのビルキントンを買収した事で更に技術力に磨きがかかってきています。そして日本板硝子は今後の世界でより重宝されるであろうエコ製品にも力を入れ始めています。エコガラスの世界展開をはじめ、途上国への積極的な展開など今後も世界中で多くのシェアを獲得し続けてくれるのは間違いなさそうです。これからのますますの日本板硝子の発展に期待していきたいですね!