社員の裏切りによる人間不信から再起。業界参入から3年で130億円超を売り上げた若き経営者が語る成功のヒント ~株式会社メディアハーツ 代表取締役社長 三﨑 優太~

芸能人やモデルらが次々とブログなどで紹介し、従来の健康食品のイメージを覆して大ヒットしている『すっきりフルーツ青汁』を展開する株式会社メディアハーツ。代表取締役社長の三崎優太氏は、18歳で起業後、単身で上京し、インターネット美容通販事業参入3年もたたずに130億円超を売り上げた異才の持ち主だ。躍進を続ける三崎氏の衒いのないお話から、アフィリエイト事業を経て若者向け美容ECブランドを成功に導いたヒントを探る。

しがない学生生活に終止符を打った2つの“もの”

-18歳という若さで起業をされていますが、幼少期から事業に関心を持たれていたのでしょうか?

三崎 優太:
実は全く興味がありませんでした。北海道に生まれ、高校進学のために親元を離れて札幌の学生会館で暮らし始めましたが、全日制高校はすぐに退学、通信制高校に編入してからも全く勉強せず、毎日遊び歩いていました。

そうしているうちに、心の中には虚しさも積もってきていることは感じていました。昼間に街中をうろついていると、同じようにフラフラしている私の父親くらいの年代の大人がいます。個人事業主だった父の働く姿と比べて、自分はこういう風になりたくないと思いました。何か自分で行動を起こさなくてはいけないと強く感じたのです。

そんな時に手に入れたのがパソコンです。最初はネットサーフィンをする程度でしたが、次第に楽しさに気づき、それからは遊びにも行かずにずっと朝から晩までパソコンに向かっていました。


-パソコンとの出会いをきっかけに始めたビジネスとは、どのようなものでしたか?

三崎 優太:
運命的な出会いと言えるのが、書店で見つけたアフィリエイトの本です。自分でWebサイトを作って、さまざまな企業や商品の広告を載せ、集客ができたらお金がもらえるという謳い文句に惹かれたんです。

Webサイトの作り方はコードの書き方から独学で調べて、2週間程でゲームの攻略サイトを立ち上げました。本の通りにアフィリエイトを始めたら、作った初月で10万円ほどの収益が上げられました。さらに力を入れたら次は月30万、その次は100万、多い時では月400万円くらい稼ぐことができるようになりました。

上京のきっかけとなった出会い

-アフィリエイト事業の成功が、メディアハーツの起業につながったのでしょうか?

三崎 優太:
起業は税理士のアドバイスによるものです。札幌に自宅兼事務所としてマンションを借り、パソコンを何台も置いて事業を続けていましたが、親から税金対策の必要性を指摘され、税理士の方を紹介してもらいました。事業は順調に推移していたため法人化とした方がいいと伺い、2007年11月22日、メディアハーツを設立しました。


-札幌から東京に拠点を移されたきっかけは何だったのでしょうか?

三崎 優太:
ある日、サイトに掲載する広告を提供してくださる広告代理店の副社長の方が、同社と取引するメディアの中でも私のところはトップクラスだということで、東京から札幌までいらしてくれたんです。その方もまだ20代前半なのに、東京にはこれほどすごい人がいるのかと衝撃を受けました。何度か互いに行き来するうちに、東京に出ようという思いが生まれてきました。

法人化してからも、同級生をアルバイトとして雇ってアフィリエイトを続けていましたが、実は、札幌では、自分と同じくらいの熱量を持って仕事に取り組む人がいないと感じていたんです。アルバイトとして雇った同級生はデートや体調不良を理由に簡単に仕事を休んでしまう。当時雇用の難しさに悩んでいたことも、上京のきっかけになりました。

業績好調の中で起こった“裏切り”

-18歳で上京し、東京で事業を立ち上げられたわけですが、札幌の時と同様、順調に進んだのでしょうか?

三崎 優太:
業績は好調で、従業員はmixiなどのSNSを使って集め、アフィリエイトを続けました。SNSで社員を集めるなど今ではとてもできませんけど、若かったからやれたのだと思います。多い時には15人ほど社員を雇うまでに成長しました。

しかし11歳年上の役員の方に、背任行為をされたのです。私は上京して頼る人もいなかったので、裏切られたことにとてつもなくショックを受けました。その結果、会社経営が正常にできない程、人間不信になってしまって、このままでは会社が立ち行かなくなると思い、一旦事業を清算して、会社を事実上の休眠状態にすることを決めたんです。

正直、会社を経営することに疲れてしまったのです。周りは年上ばかりだし、周囲の社長さんたちを見ても格好いい大人がいない。お金を稼いでもいいことはないんじゃないか、そんな心境になってしまったんですね。

ただ、当時22歳でしたが、25歳になったらまた動き出そうと思っていました。その年齢くらいになれば、同世代の経営者が生まれてくるだろうし、孤独感が解消されるのではないかと考えていたためです。

美容通販業界へ参入を決めた3つの条件

-どのような経緯を経て、美容通販業界への参入を決められたのでしょうか?

三崎 優太:
休眠期間中は、社員を抱えずともできるという理由でFXと株式投資にチャレンジしたんです。私は興味を持ったことであれば徹底的に調べます。毎日研究して、金融と投資の知識を付けました。株式投資の経験を積み、優良な会社を見極める目を養ったことにより、25歳の再始動時にはしっかりと成長できる事業を持った新しいメディアハーツを創りたいと考えるようになったのです。

私が新規事業に求めたのは、なるべく容易に参入できて、短期間で事業拡大が見込め、なおかつ自分が好きな事。この3つの条件を満たす業種を、株式投資によって身に付けた知識で企業の決算をつぶさに見ながら調べたところ、行き着いたのが美容通販でした。

『すっきりフルーツ青汁』ヒットの要因

ー『すっきりフルーツ青汁』が現在、若者を中心に大ヒットされていますが、美容通販を始める時、構想はすでにお持ちだったのでしょうか?

三崎 優太:
新事業は健康食品の通販で、3年間で年商10億に達した企業をモデルにして参入を決めました。しかし年商300億の会社が多数ある業種に切り込むのは大変な事です。そこで当時は高齢者向けの通販ばかりの中、私は若者にターゲットを絞りました。すでにヒットしている商品を若者向けにデフォルメするという意識で商品開発して生まれたのが、『すっきりフルーツ青汁』です。健康に良くても美味しくなくて、高齢者が愛飲するイメージのあった青汁ですが、若い人も飲めるようにしたら絶対ウケると思いました。

2014年7月に販売スタートした『すっきりフルーツ青汁』は、これまで累計1億5千万本売れております。ブランドとしての売上げは3年間で130億円。当初目標にしていた3年で10億の13倍上方修正することができました。


ー『すっきりフルーツ青汁』が、ここまでヒットした要因は何だとお考えでしょうか?

三崎 優太:
いろいろな要素がありますが、広告という投資に対する回収率にこだわったことでしょうか。例えば、広告回収率が150%で100万円入れたら150万円返ってくるのであれば、理屈上は投資すればするだけ儲かるはずです。でも大抵の会社さんは予算やキャッシュフローを気にしてそこまでやりません。私は広告費を入れても回収できると思えば、全てのお金を入れました。効果があり続ける限り、在庫が切れてもかき集めてでも資金を投入しました。成功への執念があったから、うまくいったのだと思います。


ー業界参入当初から急成長を遂げられたわけですが、その中で苦労されたことはありますか?

三崎 優太:
注文が殺到しすぎて在庫がなくなってしまった時ですね。青汁は工場に発注してから納品まで3ヵ月ほどかかるにも関わらず、広告をたくさん打ってしまい、その結果どんどん売れていくので、製造が追いつかなくなってしまったのです。

それでもお客様は商品を待ってくださっていますから、当時事務所にしていたマンションの一室で、私も一緒になって24時間体制で梱包していました。アルバイトも雇って社員一同で寝ずに箱詰めです。あの時は大変でしたね。

さらに当時はまだ駆け出しで信用を得ていなかったので、工場への何千万円もの支払いは前払いでした。広告にはかなりの費用をかけていましたし、商品代金はお客様からお支払いいただく前に納めなくてはならないしの二重苦で、当時は資金繰りに苦労しました。

今後の展望と求める人材像

-今では御社の商品は芸能界にも一般にも広く知られるようになりました。今後の展望についてはどのようにお考えでしょうか?

三崎 優太:
当社のコンセプトは、「すべての女性を美しく」です。今の健康食品と化粧品事業は主軸にしつつも、女性の美しさを追求する新規の事業を立ち上げたいと思っています。その一環として、2018年3月には、当社初の実店舗『FABIUSCafé』をオープンし、当社の美容成分を配合した商品の販売などを始めています。

現在の健康食品や化粧品業界はどちらかというと閉鎖的で、他業種に比べて創造性が乏しいように感じています。当社では新規事業を含め、お客様のためになる新しいことにどんどん挑戦していくつもりです。

既に行っていることでは、お客様が商品に対して質問するたびに電話していただくのは大変だろうという観点から、Webサイトのカスタマーサポートに人工知能を入れて応答できるようにしています。これから始めることでは、通常は紙で発行することの多い会報誌を電子書籍に切り替えて、スマートフォンでどこでも簡単に読んでいただけるようにします。最新のテクノロジーを使ってお客様の負担を軽減する施策を進めていきたいですね。


-最後に、御社に興味を持たれている方に、メッセージをお願いします。

三崎 優太:
当社は美に関して追求できて、そのために新しいことを生み出せる力を持った人を求めています。今、美容の知識がなくても構いません。かつてない新しいアイディアを立案し、ともに実行できる人が必要です。年齢の制限などはありません。創造性の豊かな方に、ぜひ来ていただきたいと思っています。

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編集後記

Webサイトの構築や株式投資の知識など、これだと感じたものは徹底的に研究し、即座に身に付ける三崎社長。その能力の高さと、可能性があれば惜しみなく資金を注入する大胆さが、他に類を見ない成長の源になっているのだろう。起業以来、成功体験のみと感じた三崎社長だが、インタビューで苦しかった時代の話を伺ったところ、「そういうことは忘れてしまうな」と呟いた。常に成功しか見つめない、そんな姿勢もメディアハーツが躍進を続ける理由なのだと感じた。

三崎 優太(みさき・ゆうた)/1989年生まれ、北海道出身。18歳で起業しメディアハーツを設立。アフィリエイト事業から若者向け健康食品通販に事業を移し、『すっきりフルーツ青汁』を大ヒットさせる。化粧品ブランド『FABIUS』を展開し、2018年3月には初の実店舗『FABIUSCafé』をオープンさせた。「青汁王子」という呼び名でも著名。

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