プレミアアンチエイジング株式会
代表取締役社長 松浦 靖士

松浦 靖士(まつうら きよし)/大学卒業後、AFLACに入社。その後、米コロンビア大学にてMBAを取得。帰国後、コンサルタント会社を経て、伊ラグジュアリーブランド、米オンラインジュエリーブランドの日本法人を立ち上げる。30代で投資ファンドの社長などを歴任した後、2009年にプレミアアンチエイジング株式会社を設立。代表取締役社長として現在に至る。

本ページ内の情報は2017年1月時点のものです。

2009年に創業したプレミアアンチエイジング株式会社は、“自然の力と先端サイエンスの融合から生まれたハイブリッドコスメ”をコンセプトに持つ基礎化粧品ブランド『D.U.O』を始めとする化粧品や健康食品の開発、通信販売を主な事業としている。同社の主力製品である『ザ クレンジングバーム』は、国内最大のコスメ・美容総合情報サイト『@cosme』クチコミランキングにて1位を獲得した実績を持ち、累計販売数は200万個を突破している(2017年1月現在)。
急成長を遂げる同社代表取締役社長、松浦 靖士氏に、今後の展望や求める人物像について話を伺った。

創業1年で国内最大のコスメ・美容総合情報サイト『@cosme』で1位を獲得

御社を創業されるまでの社長のご経歴についてお話をお伺いできますか?

松浦 靖士:
大学を卒業後、AFLACに入社し、マーケティングや営業を担当していましたが、実家が代々事業を営んでいたということもあり、私自身、いつか独立をしたいと考えていました。そのため、コロンビア大学のビジネススクールに入り、MBAを取得しました。帰国後、コンサルタント会社を経て、イタリアのラグジュアリーブランドの輸入元として起業し、事業をスタートさせました。その後、ダイヤモンドを扱うアメリカのオンラインジュエリーブランドの日本法人を立ち上げるなど、ブランドの輸入元という形で会社をしばらく運営していました。また、当時は投資ファンドの経営者も兼任するなど、30代は多くの会社経営者として、様々な事業にチャレンジしていましたね。

しかし、会社の売買などを通して利益を上げることを続けていく中で、もう少し地に足を着けた事業をやりたいと思うようになりました。それでいくつか事業を考えていた中で、テレビ通販最大手の企業にヘッドハントされた際、通販のマーケットの大きさや成長を目の当たりにし、通販業界に入ることを決めたのです。通販はいかにリピートを増やすかということが重要ですので、それを軸に商材を考えていった結果、化粧品にたどり着き、プレミアアンチエイジングを創業しました。

ジュエリーや投資ファンドといった、今までのご経歴とは異なる事業を始めるに当たり、新しいブランドを立ち上げることへの抵抗などを感じたことはありますか?

松浦 靖士:
商売というのは、どんなものでも商材があれば成り立つものですので、新しい商材を扱うことに大きな抵抗はありませんでした。ただ、時代の変化と共に人々の価値観が変わってくるという点で、むしろジュエリーといった商材に限界を感じていたという面もありました。と言いますのも、今、日本は、着飾ったり、有名ブランドを持ったりすることで自分の価値を高めようというよりも、より内面的・本質的なものへ価値を求める風潮に変わってきています。弊社のブランド『D.U.O.』も、今でこそ知名度が上がりましたが、開発当初から有名だったわけではありません。それでも、販売1年で化粧品の口コミサイト『@cosme』で1位を獲得できたのです。そして人気ブロガーさんなど、トレンドに敏感なインフルエンサーの方々に注目され、一気に人気に火が付きました。ブランド名に関係なく、“良いものは良い”という価値観を持つような時代になってきているのだと思います。

急成長の裏側

現時点での売上状況についてお伺いできますでしょうか?

松浦 靖士:
現在、売上は好調に推移しており、今期で8期目となりますが、毎期売上を更新し、今期末には前年対比160%超の売上を見込んでいます。要因としましては、商品力はもちろんのこと、常に数字を意識し細かな分析を行っていることも結果として売上につながっていると考えています。また、先ほどの商品力についてですが、クオリティの維持が必要ですので、商品開発の担当者が定期的にチェックに行くなど地道な努力を続けています。そういった小さな積み重ねが重要だと思っています。

急成長を続けている御社では、どのような社員の方々が活躍されているのでしょうか?

松浦 靖士:
現在の従業員数は18名ほどです。少人数で運営できるということも、私がこの業界を選んだ理由の1つですね。社員1人あたりの売上が高い方が、管理がしやすいという側面があります。少人数ということで皆がチームワークを大切にしながら仕事に取り組んでいます。ただ、1人1人の役割が大きくなりますので、自らの役割を理解して遂行するスキルが必要になります。弊社の社員は、自分を俯瞰し、全体の中で自らがどう動くべきかをきちんと理解しています。各々が持つ役割は、会社が成長していく中で常に変化していきます。ですので、どのタイミングで自分が何をするべきかということを、自発的に考えられるということが非常に重要になると思います。

ルーティンを疑え

同社の看板商品『D.U.O.』シリーズ。

御社の強みについてお聞かせください。

松浦 靖士:
私はいつもミーティングで「ルーティンを疑え」と言っています。毎日行うルーティンワークですが、本当に正しいことをしているのだろうかと振り返ることが重要です。特に会社が成長しているときは、半年、もっと言えば2か月くらいで“常識”が変わることがあります。そこが変わるならば、自分のしていることも変えないといけません。私も昨日言っていたことが間違いだと思えば、たとえそれが翌日でも意見を訂正します。そこを恥ずかしいと思ってはいけません。その代わり、過ちに気づいたらすぐに訂正することは大切です。

例えば、筋肉はトレーニングをして一度壊すことで、再度、より強い筋肉が作られますよね。それと同じで、ルーティンを疑い、それを壊して新しいものを作っていくことで組織が強くなっていくのです。私自身、「こうしたらいいと思う」といった改善案やアドバイスなどをすぐに出せるのも、常にルーティンを疑っているからだと思っています。そうしたマインドこそが弊社の強みだと言えますね。

海外展開への考え方

今後の海外展開についてどのようなお考えをお持ちでしょうか?

松浦 靖士:
現在、台湾・香港・中国でテストマーケティングを行っているところです。ただ、中国に関しては、弊社の関与しているルートとは無関係のところで、日本国内で弊社の商品を買われた方を通して商品が流通し、認知が進んできてしまっているという状況がありますので、販路を整えて展開していく必要があると考えています。アジアではメイドインジャパンのスキンケア商品への信頼が厚いので、今後まずはアジアを中心に展開していきたいと思います。

しかし、中国の巨大なマーケットで広告を打とうとすれば、それなりに現地の広告事情やノウハウ、予算などが必要になります。顧客の購買行動も日本とは異なりますし、そういったリサーチにはまだ少し時間がかかるかと思います。まずは日本国内で様々な広告を打ってノウハウを蓄積させつつ、体力をつけてから本格的に進出をしていくべきだと考えています。

人材に求める能力は“情報収集力”と“専門力”

御社ではどのようなスキルを持った人材を必要としているかお聞かせください。

松浦 靖士:
弊社の場合、トレンドを知るという意味でも、まず情報収集力が必要な要素として挙げられます。今の時代、同業種間だけではなく、異業種間でもビジネスが繋がることが多くなりました。プライベートの時にもアンテナを張ることで、様々な場面でそういった繋がりを見つけることができます。情報収集に必要なコミュニケーション能力を持っているということも大切ですね。

もうひとつは、専門知識や専門力を持っている人材です。各々の役割を果たすためにも、専門力をいかに磨くかということは重要なポイントになります。自分の専門分野などは、形や数字に落とし込める部分でもあります。「何ができるのか」ということを目に見える形で表現できるので、履歴書でもそこを注視していますね。

編集後記

日本人の価値観が変化し、より本質的なものへ価値を見出す風潮が広まってきた現代において、企業以外から発信されたSNSや口コミサイトなどからの情報は、市場に大きな影響を及ぼすようになっている。そのような時代性を考慮すると、化粧品という多くのブランドが存在する業界で、前述のように短期間で様々な業績を達成している同社の商品力の強さが改めて際立って感じられる。今後ますます、そうした多角的な消費者ニーズに応えられるだけの商品力というものが、企業に求められる時代になるだろう。