株式会社ケアネットの概要と沿革
ケアネットの概要(2016年12月末現在)
社名 | 株式会社ケアネット |
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本社所在地 | 東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル |
設立年月 | 1996年07月 |
代表取締役会長 | 大野元泰(2017年3月28日現在) |
代表取締役社長 | 藤井勝博(2017年3月28日現在) |
株式公開 | 東証マザーズ |
資本金 | 6臆2,700万円(連結) |
事業内容 | 製薬企業向けの医薬営業支援サービス、マーケティング調査サービス。医師・医療従事者向けの医療コンテンツサービス |
ケアネットは、医学と医薬の知識や経験を共有する活動を通じて、医療関係者の効率向上に寄与し、より質の高い医療を受けられる社会を目指している会社です。
最初は、衛星通信放送のスカパーでケアネットTVの放送サービスから始まりましたが、2000年に開始したインターネットを使った、医師や医療従事者向けの無料会員制サイト(クラブ・ケアネット)をベースにして、インターネットを活用した医薬品メーカ向けのビジネスに展開していきました。
ケアネットは、2000年10月にマーケティング調査サービスを開始し、2001年11月には、現在主力の医薬品営業支援サービスを始めています。2014年以降のケアネットは、国内外企業との提携を進めて、従来のサービスの強化と新規サービスの開発や展開を進めています。
ケアネットの主な沿革
1996年07月 | 医療情報提供サービスを目的として株式会社ケアネットを設立。 |
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1998年04月 | 郵政省(現 総務省)より委託放送業務の認定を受ける。 |
1998年07月 | 「スカパー!」にて「ケアネットTV・メディカルCh.R」を開局。 |
2000年04月 | 医師・医療従事者向け会員制サイト「クラブ・ケアネット」をネット上に開設。 |
2000年10月 | インターネットによるマーケティング調査 「eリサーチR」サービス開始。 |
2001年08月 | 本社を東京都文京区本郷に移転。 |
2001年11月 | インターネットによる医薬営業支援システム 「eディテーリング®」サービス開始。 |
2004年07月 | 医師・医療従事者向け会員制サイト「クラブ・ケアネット」をリニューアルして「CareNet.com」をオープン。 |
2004年07月 | ケアネットDVDの販売開始。 |
2007年07月 | 東京証券取引所マザーズに上場。 |
2009年02月 | 株式会社葦の会との業務提携を発表。 |
2009年02月 | ケアネット・イノベーション投資事業有限責任組合との資本提携を発表。 |
2010年01月 | 医薬情報提供サービス「eディテーリングR」に関して国内特許を取得。 |
2010年12月 | 本社を東京都千代田区九段南に移転。 |
2011年04月 | スカパー!「ケアネットTV」閉局、インターネットによる動画配信サービス「CareNetオンデマンド」開始。 |
2011年04月 | 医師のための医療ソーシャルメディア「MRPlusR」サービス開始。 |
2012年08月 | 「eコミュニケーション大賞」を創設 複数メディアで連携して医療系のネット広告・プロモーションの優秀事例を紹介 |
2013年07月 | 開業医向け医療情報・動画サイト「CareNeTV」としてサービス開始 |
2013年07月 | 「CareNet CAREER(ケアネットキャリア)」がグランドオープン |
2014年11月 | Indegene Lifesystems社と業務提携契約を締結 |
2014年12月 | 医療分野のリサーチ事業を統合した、調査専門の合弁会社「株式会社マクロミルケアネット」を設立 |
2015年05月 | 世界最大級の医療情報サイト「Medscape」を運営するWebMD社と業務提携 |
株式会社ケアネットの企業理念
ケアネットは、次のような「理念」と「価値」、そして「スピリッツ」を企業理念に掲げています。
■ケアネットの理念
ケアネットは、患者さんが、より質の高い医療を効率よく受けられる社会の実現に貢献する臨床医学教育メディアです。企業情報 株式会社 ケアネット
医師をはじめとする医療者が一人でも多く、最善の意思決定が行えるよう、医学、医薬品に関するエビデンス、知識・経験等の情報発信・共有を行っていきます。
■ケアネットの価値
会員の医師や医療従事者に情報サービスを提供する企業情報 株式会社 ケアネット
提供する情報は、日常診療に役立つ、高品質の内容である
ケアネットが提供する情報には、根拠と、判りやすさがある
医療従事者がお互いに実臨床の知見を共有することを促す
ケアネットの会員には、簡単に最新の情報通信技術が使えるように対応
■ケアネットのスピリッツ
ケアネットのスピリッツは「医学にもっとワクワクを!」です。医療や医学の内容は、そこに根拠がある学術的な内容でなければなりません。
しかし、ケアネットは、それを医療従事者たちも「ワクワク」するような内容にしたいと考えています。
又、ケアネットで、そのコンテンツを企画・制作・提供する社員も医療従事者とともに「ワクワク感」を創造する臨床医学教育メディアでありたいと思っています。
株式会社ケアネットのビジネスモデル
ケアネットは、医師や医療従事者に、実践的で役立つ情報を有料で提供している会社です。ケアネットの事業の大きな柱は「医療コンテンツサービス」と「医薬営業支援サービス」の2つです。
■ケアネットの「医療コンテンツサービス」
医療従事者は、日々の多忙な診療業務に追われながら、国の医療制度改革を遵守しなければなりません。そして、常に新しい知識やノウハウの習得が必要で、時間に追われる生活が常態化しています。
ケアネットの「医療コンテンツサービス」は、そんな医療従事者のために、効率的に楽しく学べてわかりやすい教育コンテンツを作って、インターネット配信やDVDを有料で提供する事業を行っています。
■ケアネットの「医薬営業支援サービス」
ケアネットでは、製薬会社に対して医薬品の営業・マーケティングを支援するサービス提供をしています。
新薬の研究開発費は、増々膨大なものになっていることから、ケアネットでは製薬会社の営業やマーケティング活動費は圧縮され、より効率的な対応が求められています。
そして、医師は2万種以上ある医薬品の中から患者に合った医薬品を選択しなければなりません。このため、製薬会社は正確で良質の医薬品情報を提供することが求められます。
ケアネットは、この営業・マーケティングの生産性向上のため、医師会員への医薬品情報提供(動画・音声)をインターネットで行い、その医薬品情報を見た医師の感想を製薬会社に提供できる仕組み(医薬営業支援サービス)を構築しました。
ケアネットのシステムを使わない場合には、製薬会社の営業(医薬情報提供者)は、医師に面会して医薬情報を提供することから始めなければなりません。
ところが、ケアネットのシステムでは、事前に医薬品情報を医師にインターネットで配信して、医師からの反応を確認することができますので、医師と医薬品会社の営業活動の時間短縮を図り、効率向上に繋がります。
このように、ケアネットの「医薬営業支援サービス」は、医師と製薬会社の双方向に情報を提供することができるため、効率的な医薬品のマーケティング活動に寄与する事業になっています。
株式会社ケアネットの製薬会社への対応
ケアネットは、製品の市場、競合環境、そして、製品特性などの様々な要因を検討してマーケティング課題を抽出します。
ケアネットは、それらの情報を整理分析して製薬会社向け製品の特性やマーケティングリソースなどを認識した上で製薬会社に提案します。
株式会社ケアネットの将来性
ケアネットでは、医者や医療関係者向けの「医療コンテンツサービス」と薬品会社向けの「医薬営業支援サービス」が基盤です。どちらのサービスも、ケアネットが始めたもので、医療情報に特化しています。
ケアネットの医療情報は、現場の医師や医療関係者から発信されるため、質が高くて実務に直結しています。このため、ケアネットの「医療コンテンツサービス」と「医薬営業支援サービス」は、質の高い医療情報を必要としている医療業界で増々必要とされるサービスになると考えられます。
ケアネットの「医薬営業支援サービス」は、医薬品の情報に反応してくれる「CareNet.com」の無料会員(医師)を拡大することがポイントになりますが、無料会員数は、現在増え続けていて、2016年11月時点で、13.2万人になっています。
国内の医師はおよそ30万人ですので、医師にとっても効率向上や最新医薬品の情報を簡単に入手することができる、ケアネットの無料会員数は増えるものと予測されます。
ケアネットは、「臨床に役立つ」ことを目指しています。ケアネットの医療情報提供の仕組みは医療関係者から求められるものであり、将来は、さらに必要不可欠な医療情報になっていくと考えられます。