紳士肌着業界に革新を起こす若き経営者、目指すは日本発の世界的なラグジュアリーブランド ~国内発の男性用下着『TOOT』を日・亜・欧に展開するベンチャー~

紳士肌着業界に革新を起こす若き経営者、
目指すは日本発の世界的なラグジュアリーブランド


株式会社TOOT 代表取締役社長 枡野 恵也

※本ページ内の情報は2017年1月時点のものです。

履き心地の良さと、そのデザイン性の高さで人気の男性向け下着メーカー『TOOT』。日本発の世界的なブランドを目指して、海外にも十数カ国に展開している。

株式会社TOOTの代表取締役社長、枡野 恵也氏はマッキンゼー・アンド・カンパニーへ新卒で入社後、オンライン英会話最大手のレアジョブ、日本初のベンチャー生命保険会社のライフネット生命保険で活躍してきた異色の経歴を持つ。そんな枡野氏に同社の今後の展望を伺った。

枡野 恵也(ますの けいや)/1982 年大阪府生まれ。東京大学法学部卒業。2006 年マッキンゼー・アンド・カンパニーに就職。その後2009 年に株式会社レアジョブへ転職。法人事業を立ち上げ 1 年で黒字化を達成した。翌年の2010 年にはライフネット生命保険株式会社に転職し、東証マザーズ上場に寄与し、韓国合弁会社設立など海外事業展開も主導した。2015 年 4 月に株式会社TOOTの代表取締役社長に就任。

世界で通用するスキルを身につけるために

-大学卒業後の就職先にコンサルタント会社を選ばれたのはなぜですか?

枡野 恵也:
大学在学中から、とにかく世界の舞台で仕事がしたいという思いがありました。企業は社会のニーズに応えるべく、さまざまな課題を解決することが存在意義ですが、私はより大きな課題に取り組みたいと考えていました。

中でも、特に公的な事に貢献したくて、外務省を目指していました。ところが、同級生が内定をもらった「マッキンゼー・アンド・カンパニー」という企業の話を聞いていると、グローバルでトップレベルの民間企業の問題解決を生業とし、さらにそのスキルで公的セクターの課題解決にも従事しているということで興味を持ちました。
4年間在籍し、その間に製造・金融・通信・小売などの業界中心に、M&A戦略から日々の効率改善まで幅広く取り組みました。多くのプロジェクトを経験したことで、汎用的な問題解決スキルを身につけることができ、どんな業界でもやっていける自信がつきました。

-その後、3度の転職を経験されていますね。

枡野 恵也:
元々、ファーストキャリアのマッキンゼーについては、自分のスキルを磨くことを目的としていました。初めの転職では、発展途上国と関わりたいという思いをもっていたところ、ヘッドハンターから紹介されました。

オンライン英会話の「レアジョブ」は、講師は全員フィリピン人でした。「人にものを教える」という雇用を大量に生み出していることは、ビジネスを通じた社会の問題解決でもあります。当初は私も英語が話せず苦労しましたので、日本人にとっても画期的なサービスだと感じて、転職を決めました。

その後の転職においても、“夢”と“ご縁”と“フィット感”が揃うことが条件ですね。自分のやりたいこと、できていること、求められていることの重なりで実現するものだと思います。

国内発ブランドの男性用パンツを世界に

毎週新作を販売し、コレクションも行っているという『TOOT』。世界展開に向けての準備は着実に進められている。

-御社の事業内容についてお聞かせください。

枡野 恵也:
『TOOT』は男性用パンツのオリジナルブランドです。一言で言うと、高級紳士肌着の企画・製造・販売が弊社の事業ですね。設立当初からオンライン販売をメインにしており、加えて国内外の主要百貨店にも出店しています。海外の卸先は、アジア圏を中心に十数カ国です。

実は洋服も作っているのですが、パンツをweb上で販売するための戦略です。『TOOT』では毎週新作を発表しており、年に2回コレクションも展開しています。季節感を大切にしていますが、やはりパンツのみでは季節性の表現に限界があるため、例えばコートを一緒に打ち出すことで秋冬感を演出しています。

洋服は、ある意味でパンツの引き立て役ですが、それ自体がすばらしい製品でなければ意味がありません。洋服も『TOOT』のこだわりを持ってつくっております。

-5年先、10年先にはどのような展開をお考えですか?

枡野 恵也:
我々ベンチャー企業の戦い方は、やはり他ができないところを攻めることですので、今の『TOOT』のパンツが表現している世界観にこだわりつつも、売り方や見せ方は時代の変化に合わせて展開したいですね。

日本の経済も、まだまだ二極化が進むと思います。アパレルでもファストファッションとラグジュアリーファッションの二極化が進んでいます。『TOOT』はラグジュアリーに特化した展開をめざしており、実店舗もブランドを補完できるような販売店のみに絞って出店しています。やはり、どこでも手に入るものはラグジュアリーとは言えませんので。

今後3~5年はパンツ中心で展開し、その先の10年は製品ラインアップの拡充が目標です。当社のブランド資産は、ものづくりにおけるあくなき追求です。『TOOT』を支持してくださるお客さまの多くは、見えない部分にまでこだわり抜く方々です。世の中のマジョリティではないかもしれませんが、その方たちに喜んでいただけるもの、必要としているけれど、まだ世の中にないものを、パンツを軸に広げていく可能性はあります。

-具体的な数値目標や、海外拠点を構える予定などはありますか?

枡野 恵也:
金額規模は非公表ですが、3年で3倍を目標にしています。自社工場で生産しているため、急速に数を増やすことができません。やはり規模よりも質が大切ですので、3倍が限界かなと考えています。

海外拠点については、10年以内にはあるかもしれません。現在、インターネットを中心に海外での売り上げは2割以上を占めています。アパレル界はヨーロッパが牽引していますが、当社は欧米エリアが弱いので、これから進出すべく取り組んでいます。

今後はSNSの活用などオンラインマーケティングを強化したいですね。また販路開拓についても、世界のトレンドと、パンツという商材の小ささ・軽さを利点として展開していきたいです。

重要なのは“やり遂げる意志”

-社長の考える、優秀な人の共通点を教えてください。

枡野 恵也:
柔軟さを持ち、そして積極的であることですね。柔軟な人は、自分のやり方に固執しません。常に新しいものを取り入れて、きちんと活用できるのです。さらに、自発的にその新しいものを収集しています。

このような人は、社会の環境がどう変わろうとも、立ち振舞えると思います。自分の中でできあがった型のみでやっていくのもアリですが、変化には弱いですよね。

-御社に必要なのは、どのような人材ですか?

枡野 恵也:
ものづくりにこだわる、日本発の世界的なブランドにしたいので、この夢を面白いと思う人、そして柔軟で積極性のある人です。

まず商品に共感していることが第1条件ですが、自分のスキルを生かして、この夢に乗ることができることが2つ目の条件です。ただ同じ船に乗っかるだけではなく、船を漕ぎたい人、または船を作り変える位の人が希望ですね。

実際にやったことがあるかどうかは問題ではなく、やり遂げる意志があるかが重要です。ベンチャー企業での経験がなくても、苦しみながら成長してもらえればいいと思っています。

価値観の共有が、良い企業の最低条件

夢は「日本発の世界的なラグジュアリーブランド」と力強く語る枡野社長。

-強い組織には、何が必要でしょうか?

枡野 恵也:
価値観の共有が大切だと思います。マッキンゼーが提唱する組織の7Sモデルでは、ハード面では戦略(Strategy)、組織(Structure)、システム(System)、ソフト面では価値観の共有(Shared Value)、スキル(Skill)、人材(Staff)、スタイル(Style)の7つのSの要素の連携がとれていることが大切とされています。この7つのSは図にすると、価値観の共有が中心に位置します。当社のようにこれから組織的に強くなっていこうとするときには、価値観さえ共有できていれば、他の要素はあとから付いてくると考えます。

当社の社員は『TOOT』が大好きな人ばかりです。ですので、同じ夢をみて、同じ船に乗ることができます。新作を作るときも、毎回同じ型にデザインを当てはめるだけだはなく、ミリ単位で調整しています。これは履き心地の良さと、見た目の美しさのためですが、皆の価値観が共有されているため、スムーズですね。

ー社長の夢を教えてください。

枡野 恵也:
日本発の世界的なラグジュアリーブランドを打ち立てることですね。そのためには、生産体制の拡充が課題です。現在、生産が追いついていない状況が続いています。やはり企業が拡大するために、一番大切なのが生産の部分です。工場に優秀な人材が必要だと感じています。

自社工場は宮崎にありますが、工場の現場は子育て中の方が多いです。働き方にも多様性が必要だと考えています。さらに、将来的にはスタッフは縫製現場からキャリアをスタートするようにしたいですね。

編集後記

「ものづくりにとことんこだわった、日本発の世界的なラグジュアリーブランドに」という夢に向かい、全員で一丸となって取り組んでいることが枡野社長のあらゆる言葉から感じ取ることができた。“世界のTOOT”になる日はそう遠くはなさそうだ。

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