マイクロ波化学株式会社の会社概要と沿革
まずは、マイクロ波化学の会社概要について説明していきます。
商号 | マイクロ波化学株式会社 |
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本社所在地 | 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2番8号テクノアライアンス棟 3階 |
設立年月日 | 2007年8月15日 |
代表者 | 吉野 巌 |
資本金 | 29億1828万円(資本準備金14億5289万円含む) |
事業内容 | マイクロ波化学プロセスの研究開発及びエンジニアリング、マイクロ波化学プロセスを活用した製品製造における合弁事業、ライセンス事業、マイクロ波化学プロセスを活用した製品の製造・販売 |
マイクロ波化学株式会社の沿革
続いて、以下はマイクロ波化学の沿革です。
2007年8月 | マイクロ波化学プロセスの事業化を目的として、マイクロ波環境化学株式会社を京都市に設立 |
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2008年10月 | 本社を彩都バイオイノベーションセンターに移転 |
2009年3月 | 完全フロー型リアクター1号機(MWF-1 - バイオディーゼル用)を大阪市島屋ビジネスインキュベータにて立上 |
2011年1月 | UTEC(東京大学エッジキャピタル)を引受先に総額1億2千万円のシリーズA増資を実施 |
2011年3月 | 完全フロー型リアクター2号機(MWF-2 - 化成品製造用)を神戸市もの作り復興工場にて立上 |
2011年6月 | スペインバルセロナにて開催されたbizBarcelonaのGlobal Entrepreneurship Competitionにて、世界選抜24社中3位に入賞 |
2011年11月 | 社名をマイクロ波環境化学株式会社からマイクロ波化学株式会社へ変更 |
2011年12月 | 基本特許「化学反応装置、及び化学反応方法」成立 |
2012年8月 | 神戸工場より第一号製品となる脂肪酸エステルの出荷を東洋インキ株式会社向けに開始 |
2011年10月 | マイクロ波化学の本社を大阪府吹田市山田丘2-8大阪大学内テクノアライアンス棟3階に移転 |
2013年5月 | 研究開発の加速及び大阪工場立上を目的として、UTEC、NVCC、新生銀行、JAFCOを引受先に総額7億円強のシリーズB第三者割当増資を実施 |
2014年3月 | 大阪工場(M3K/パイロット棟)竣工 |
2014年6月 | 新規事業立上げおよび次世代パイプラインの研究開発強化を目的として、INCJ、JAFCO、UTEC、NVCCを引受先に総額12億円のシリーズC第三者割当増資を実施 |
2014年10月 | BASFとポリマーの製造工程におけるエネルギーの効率化を目指した共同開発契約を締結 |
2015年4月 | 太陽化学株式会社と食品添加物製造を目的とする合弁会社・ティエムティ株式会社を設立。 |
2015年11月 | 太陽化学株式会社との合弁会社で建設する新工場の建設資金及び、さらなる事業領域拡大のための開発資金として、総額8.8億円のシリーズD第三者割当増資を実施。
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■マイクロ波化学の沿革の要点
最初は、2007年8月にマイクロ波化学プロセスの事業化を目的として、マイクロ波環境化学株式会社を京都市に設立したところから始まりました。その後マイクロ波化学は、2009年3月に完全フロー型リアクター1号機を立ち上げ、以降続々とプロジェクトを立ち上げていきます。そして、2011年11月に社名をマイクロ波環境化学株式会社からマイクロ波化学株式会社へ変更しました。2015年4月にマイクロ波化学は、太陽化学株式会社と食品添加物製造を目的とする合弁会社・ティエムティ株式会社を設立し、現在もますます拡大しています。
マイクロ波化学株式会社の事業案内
マイクロ波化学の事業内容は、以下の通りです。
■マイクロ波化学のマイクロ波吸収能の測定
物質がどの程度マイクロ波を吸収するか(加熱するか)は、物質のそれぞれの誘電損失係数/磁性損失係数によって違ってきます。物質の誘電損失係数/磁性損失係数が大きいほど、その物質をマイクロ波電磁界で加熱しやすくなります。マイクロ波化学では複素誘電率測定により誘電損失係数を算出することで、加熱されやすい材料かどうか判断し最適な反応系を構築しています。
■マイクロ波化学のハイブリッド触媒
化学反応をより効率よく促進させるために、マイクロ波化学ではマイクロ波に適したハイブリッド触媒を開発しました。マイクロ波化学のハイブリッド触媒の特徴は、誘電損失係数・磁性損失係数が大きい(マイクロ波で非常に加熱されやすい)、反応溶液中で触媒が選択的に加熱される、固体触媒であるため反応溶液との分離が容易といったことが挙げられます。
■マイクロ波化学のマイクロ波リアクターのスケールアップ
化学反応におけるマイクロ波の有用性は従来から良く知られていましたが、国内外でマイクロ波が化学プロセスにおいて産業化されてこなかったのは、スケールアップが困難であったことが一因と言われています。マイクロ波化学では会社設立時よりこの課題に取り組み、2009年春に日産2トンレベルの燃料製造用のフロー型マイクロ波リアクター(1号機)の開発に成功しました。マイクロ波化学は2011年に化成品製造用の日産2トンレベルの大規模フロー型マイクロ波リアクター(2号機)を立ち上げました。そして、2014年3月には大阪の住之江区にて世界初の大規模マイクロ波化学工場、M3Kを立ち上げました。
■マイクロ波化学のマイクロ波制御システム
電磁波であるマイクロ波の投入エネルギーは、対象物との相互作用による損失という形でエネルギー変換されます。マイクロ波化学プロセスを制御するには、マイクロ波反応器への投入エネルギーと、変換されたエネルギーを正確に見積もり、その情報のフィードバックによるシステム内のより正確な状況予測とそのシステム制御がコア技術となります。マイクロ波化学は、解析ソフトを組み合わせることでエネルギー変換効率のリアルタイムモニタリングや熱暴走等の安全管理を制御するシステムを構築しました。
このようにして事業内容を一覧で見てみると、マイクロ波化学がいかに専門的な事業を展開しているかがわかりますね!
省エネルギー、省用地面積を推進し、世界のものづくりを変革してきたマイクロ波化学株式会社!
これまで紹介してきたように、マイクロ波化学は世界のものづくりを変えるために、省エネルギーや省用地面積を推進して事業を拡大してきました。マイクロ波化学は、「商社出身のビジネスマン」と「大学の研究者」という2人で創業されました。「世界のものづくりを変えたい」という思いは創業当初からあり、現在でもその思いは変わることなく業務に取り組んでいます。マイクロ波技術を工業に取り入れるという新しい取り組みは世界の工業に変化を与えて、これまでマイクロ波化学は大きく成長してきました。これからもマイクロ波化学の成長は止まることなく続くことでしょう。
世界のものづくりを、マイクロ波によって変えてきたマイクロ波化学の今後の活躍に注目ですね!