TOTO株式会社の概要と沿革
まず、TOTOの基本情報は以下の通りです。
【TOTOの概要】
社名 | TOTO株式会社(TOTO LTD.) |
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本社所在地 | 福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1 |
設立年月日 | 1917年(大正6年)5月15日 |
代表取締役 会長 兼 取締役会議長 | 張本 邦雄 |
代表取締役 社長執行役員 | 喜多村 円 |
株式公開 | 東証一部上場(証券コード:5332) |
資本金 | 355億7,900万円(2016年3月現在) |
事業内容 | <住宅設備機器>
衛生陶器(大便器、小便器、洗面器、手洗器など) システムトイレ 腰掛便器用シート(ウォシュレットなど) 水まわりアクセサリーなど 浴槽 ユニットバスルーム 水栓金具(各種給水栓、排水金具など) システムキッチン、洗面化粧台 マーブライトカウンター 浴室換気暖房乾燥機 福祉機器など <新領域事業商品> セラミック(精密セラミックス、光通信部品など) 環境建材(タイル建材、ハイドロテクト塗料など) |
TOTOは現在、福岡県北九州市に本社を置いています。今も多くの便器などの衛生設備で用いられている陶器を扱う会社として、その研究、製造を目的に1917年に今と変わらず北九州市小倉にて「東洋陶器株式会社」の名で誕生しました。当時は、今ほど普及率が高くはなかった衛生陶器だけでは経営も厳しいと考え、陶磁器の製造、販売を第一の事業目的として会社をまずは安定させることを目的として食器などの生産にも力を入れていたようです。その後、1969年に今のTOTOに名を変え、東証一部への上場、そして世界でのシェアを獲得する大企業になっていきます。
それではTOTOの歴史を沿革で見ていきましょう。
【TOTOの沿革】
1912年 | 日本陶器合名会社内に製陶研究所設立、衛生陶器の製造研究開始 |
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1917年 | 北九州市小倉に「東洋陶器株式会社」設立 |
1937年 | 茅ヶ崎工場建設 |
1962年 | 滋賀工場建設 |
1967年 | 小倉第二工場建設 |
1968年 | 中津工場建設 |
1969年 | 「Toyotoki」から「TOTO」へ商標変更 |
1970年 | 「東陶機器株式会社」に社名変更 |
1971年 | 大分工場建設、行橋工場(現・TOTOハイリビング(株)行橋工場)建設
銀座パビリオン開設(1999年閉館) |
1973年 | 愛知東陶株式会社設立(現・TOTOサニテクノ(株))
福岡東陶株式会社設立(現・TOTOプラテクノ(株)) |
1977年 | インドネシアに初の合弁会社「P.T.SURYA TOTO INDONESIA」設立 |
1980年 | 東陶サービス株式会社設立(現・TOTOメンテナンス(株)) |
1981年 | 豊前東陶株式会社設立(現・TOTOプラテクノ(株)) |
1984年 | 東陶機器(香港)有限公司設立(現・東陶(香港)有限公司) |
1985年 | 東陶エンジニアリング株式会社設立(現・TOTOエンジニアリング(株))
「ギャラリー・間」開設 |
1986年 | タイに合弁会社「Siam Sanitary Ware Co., Ltd.」設立
千葉東陶株式会社設立(現・TOTOバスクリエイト(株)) |
1987年 | 台湾に設立 |
1989年 | TQCデミング賞実施賞を受賞
東陶ハイリビング株式会社設立(現・TOTOハイリビング(株)) TOTOの基幹ショールーム「TOTOスーパースペース(現・TOTO東京センターショールーム)」開設 岐阜タイルセンター建設 |
1990年 | 米国の販売拠点「TOTO KIKI U.S.A.,INC.」設立 |
1991年 | 滋賀第二工場建設
米国の生産拠点「TOTO Industries(Atlanta),Inc.」設立 |
1992年 | 中津第二工場建設
小倉第三工場建設(現・TOTOウォシュレットテクノ(株)) 日本タイル工業設立(現・TOTOマテリア(株)) |
1993年 | 「株式会社サンアクアトートー」設立(現・サンアクアTOTO(株)) |
1994年 | 中国に合弁会社「北京東陶有限公司」設立
「南京東陶有限公司」設立 「東陶機器(大連)有限公司」設立(現・東陶(大連)有限公司) 株式会社東陶オプトロニクス設立(現・TOTOファインセラミックス(株)) |
1995年 | 中国に合弁会社「東陶機器(北京)有限公司」設立
マレーシアに「TOTO KIKI (MALAYSIA)SDN.BHD.」設立(現・TOTO MALAYSIA SDN. BHD) 中国に統括会社「東陶機器(中国)有限公司」設立(現・東陶(中国)有限公司) |
1996年 | 米国に統括会社「TOTO U.S.A.,INC.(現・TOTO U.S.A.Holdings,INC.)」設立 |
1997年 | 中国に合弁会社「東陶機器(上海)有限公司」設立(現・東陶(上海)有限公司) |
2000年 | 合併会社「ジャパンハイドロテクト・コーティングス」設立(現・TOTOオキツモコーティングス(株)) |
2001年 | 韓国に「TOTO KIKI KOREA LTD.」設立(現・TOTO KOREA LTD.)
中国上海市に「東陶華東有限公司」設立 |
2002年 | ベトナムに「TOTO VIETNAM.CO.,LTD」設立
UD研究所(小倉)設立 |
2004年 | 東陶機器(広州)有限公司設立 |
2005年 | 「TOTO水環境基金」設立
中国に「VORETO PLUMBING TECHNOLOGY CO.,LTD」設立 |
2006年 | UD研究所(茅ヶ崎)設立
メキシコに「TOTO MEXICO, S.A. DE C.V.」設立 |
2007年 | 「TOTO株式会社」に社名変更 |
2008年 | 統括会社「TOTOアジアオセアニア」「TOTOヨーロッパ」設立 |
2009年 | ISH出展
節水便器のグローバル・スタンダードへ、2011年度までに全世界の住宅向け便器の80%を4.8L洗浄にすることを宣言 「TOTO Vプラン2017」発表 タイに「TOTO Manufacturing (Thailand)」設立 |
2010年 | 環境ビジョン「TOTO GREEN CHALLENGE」発表 |
2011年 | ブラジルに「TOTOブラジル」設立
インドに「TOTOインド」を設立 「東陶(福建)有限公司」設立 「国連グローバル・コンパクト」へ参加 |
2014年 | 「TOTO グローバル環境ビジョン」発表 |
2015年 | 「TOTOミュージアム」開設 |
現在、TOTOは日本は当然でありながら、アメリカ、中国でシェアを獲得しており、更にはアジア全土、欧州にも販売に力を入れていっています。日本でのシェアは6割を超えていることからも、その安全性、信頼も非常に高いことがお分かりいただけると思います。新築からリフォーム、そしてそれぞれの次世代システム製品などシェアの獲得には相当なTOTOの企業努力が伺えますね。
TOTO株式会社の経営理念
次に、TOTOの経営理念をまとめていきます。
【社是】
愛業至誠TOTOHP:グループ共有理念より引用
良品と均質
奉仕と信用
協力と発展
1962(昭和37)年、創立以来の伝統を尊重しつつ、将来にわたって企業活動の基調になるものとして「社是」が制定されました。 「愛業至誠」は、「奉仕の精神でお客様の生活文化の向上に貢献し、一致協力して社会の発展に貢献する」という決意を表す言葉です。
【TOTOグループ企業理念】
私たちTOTOグループは、社会の発展に貢献し、世界の人々から信頼される企業を目指します。TOTOHP:グループ共有理念より引用
そのために
・水まわりを中心とした、豊かで快適な生活文化を創造します。
・さまざまな提案を通じ、お客様の期待以上の満足を追求します。
・たゆまぬ研究開発により、質の高い商品とサービスを提供します。
・限りある資源とエネルギーを大切にし、地球環境を守ります。
・一人ひとりの個性を尊重し、いきいきとした職場を実現します。
衛生面で一番重視されることが多い水周りにおいて、TOTO今まで数々の安全と安心した生活を行なえるようにと、素晴らしい製品をわたし達ユーザーに届けてきました。常に質の高い製品とサービスを追及することも忘れず、未来のわたし達の生活を快適にするための研究を続けてきています。そして最近では、問題視されることも多くなった環境問題にもしっかりと向き合っており、CO2削減、そして節水できる製品の開発にも力を入れています。衛生面、そして環境問題にもしっかりと向き合う姿勢がこの企業理念からは受け取れますね。これからも日本の衛生面からTOTOが支え続けてくれることは間違いないでしょう!
TOTO株式会社の商品開発の歴史
TOTOの商品開発の歴史は以下の通りです。
1917年 | 衛生陶器の製造開始 |
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1918年 | 磁食器の生産開始 |
1921年 | 硬質陶食器の生産開始 |
1946年 | 水栓金具の生産開始 |
1958年 | 日本初のFRP浴槽「トートライトバス」発売 |
1963年 | ユニットバスルーム工法開発 |
1968年 | 洗面化粧台発売
シングルレバー混合栓発売 |
1970年 | 食器事業停止
いものホーロー浴槽製造開始 衛生陶器のカラー化始まる |
1975年 | 小便器節水システム「USシステム」発売
「カルダン洗面化粧台」発売 |
1976年 | 節水消音便器「CSシリーズ」発売 |
1977年 | 戸建住宅用浴室ユニット発売 |
1978年 | 茅ヶ崎に研究所開設 |
1980年 | 温水洗浄便座「ウォシュレット」発売
石油・ガス給湯機を発売 いたわり浴槽発売(TOTO初の高齢者配慮商品) 「定量止水栓」発売 |
1981年 | システムキッチン発売 |
1982年 | 内装タイル発売
洗髪洗面化粧台「シャンプードレッサー」発売 外装タイル発売 |
1987年 | システムキッチン「レガセスシリーズ」発売 |
1988年 | 戸建住宅用ユニットバスルーム「フローピア」発売
「音姫」発売 |
1990年 | 「ザ・キッチン・インテグレート」発売
高感度商品「ZAZA」発売 |
1993年 | 「ネオレストEX」発売 |
1994年 | ウォシュレット出荷500万台突破
アルカリイオン水生成器「アルカリ7」発売 節水静音腰掛便器「NEW CSシリーズ」発売 |
1995年 | 携帯用「トラベルウォシュレット」発売
システムキッチン「ニューレガセス」発売 |
1996年 | 高齢者配慮商品「レブリス商品」を発売 |
1997年 | 浴室換気暖房乾燥機「三乾王」発売 |
1998年 | ハイドロテクト技術を開発
ウォシュレット出荷1,000万台突破 |
1999年 | セフィオンテクト技術を開発
「ウォシュレット アプリコットシリーズ」発売 |
2000年 | 「全自動大便器」発売 |
2001年 | 発電機能付自動水栓「アクアオートエコ」発売
カラリ床のシステムバス「フローピアKVシリーズ」発売 樹脂配管システム「配管王」発売 |
2002年 | 「ネオレストEXシリーズ」発売 |
2003年 | 「ネオレストSDシリーズ」発売 |
2004年 | 「ピュアレスト」発売
「フローピア魔法びん浴槽シリーズ」発売 |
2005年 | ウォシュレット出荷2,000万台突破
システムキッチン「キュイジア」発売 |
2006年 | 「ネオレストAタイプ」発売 |
2008年 | システムバスルーム「スプリノ」発売
「レストルームアイテム01」発売 |
2009年 | 洗面化粧台「オクターブ」発売
ネオレストシリーズ出荷100万台突破 国内最小4.8L「ネオレストハイブリッドシリーズ」発売 デザイン浴槽「ルミニストバス」発売 |
2010年 | 「エアイン技術」搭載のデザイン水栓「ベーシックプラス」発売
ツイントルネード洗浄によるタンク式便器「GG」発売 システムキッチン「CRASSO(クラッソ)」発売 |
2012年 | 便器きれい機能を搭載した「ウォシュレットアプリコット」「ネオレストハイブリットシリーズ」発売
4.8L洗浄便器国内累計出荷台数100万台突破 初代ウォシュレット(ウォシュレットG)が「機械遺産」に認定 |
2014年 | TOTO歴史資料館所蔵の各種湯水混合水栓が「建築設備技術遺産」に認定
「井上春成賞」受賞(AD膜) |
2015年 | においきれいを搭載したウォシュレット一体型便器「ネオレストハイブリッドシリーズ AH/RH」発売
ウォシュレットの吐水技術で「技術賞」受賞 |
2016年 | 「電池不要なエコリモコンの実用化」で「電波功績賞」受賞
「ネオレスト」出荷200万台突破 ウォシュレット出荷4,000万台突破 TOTOミュージアム所蔵の「初代ユニットバスルーム」が「建築設備技術遺産」に認定 |
TOTOの扱う製品は現在、トイレからユニットバス、浴槽、そしてキッチンに至るまで、水周り全てを担っていると言っても過言ではありません。日本で初めて水洗便器を開発したのもこのTOTOです。日本では相当な普及率を誇るをウォシュレットトイレですが、世界的にはまだまだ普及率は低いです。ですので日本に来た外国人の方が、国に帰る際にお土産としてこのTOTOのウォシュレットトイレなどを持ち帰ることも非常に多いそうです。これからは環境問題にも取り組んだ商品に力を入れていくとの発表もあり、日本だけでなく世界中の衛生面をTOTOには支えていってもらいたいですね。
国内シェア60%以上を誇るTOTO株式会社は、世界での活躍もすごいんです!
わたし達が、普段当たり前に使っているトイレやお風呂が清潔に使える秘密はTOTOを初めとした企業の努力のお陰です。それと忘れてはならないのはわたし達はとても幸せな環境にいるという事です。世界的には水洗トイレを使える状況自体がとても恵まれており、まだまだ発展に至ってない国も多いです。そんな世界の国々の衛生面をTOTOも協力して発展させていこうという企業姿勢は素晴らしいと思います。これからトイレなどを使う際にはもっとありがたみを持って使わないとですね!これからも日本をはじめ、世界中にキレイな製品をTOTOには届けていってもらいたいです。