株式会社グリーンペプタイド:概要と沿革

まずは、グリーンペプタイドの基本情報を確認しておきましょう。

株式会社グリーンペプタイドの概要

社名株式会社グリーンペプタイド
本社所在地福岡県久留米市百年公園1-1 福岡バイオインキュベーションセンター
設立年月日2003年5月8日
代表取締役社長永井健一
株式公開マザーズ
資本金2,809百万円(2016年9月30日現在)
事業内容医薬品の研究開発、製造、販売
(引用:株式会社グリーンペプタイド公式ホームページ)

グリーンペプタイドは30名ほどの小さな会社です。

株式会社グリーンペプタイドの事業内容

 グリーンペプタイドは、新規の「がん免疫治療薬」の開発(現在、臨床試験段階)を行う創薬ベンチャーです。グリーンペプタイドのがん免疫治療薬は、人間の体が本来持つ免疫機構に働きかけがん細胞を攻撃させることによってがんを治療する医薬品です。グリーンペプタイドのがん免疫治療薬は免疫機構を司る様々な免疫細胞や免疫に関与する物質を活用し、免疫応答をコントロールすることによって、がん細胞を死滅させたり、がんの再発・転移を防いだり、進行を遅らせたりします。

グリーンペプタイドの事業モデル

 グリーンペプタイドの基本的な事業モデルは、がん免疫治療薬シーズの探索研究から初期臨床試験までを行い、後期臨床試験からは国内外の製薬会社に開発製造販売権をライセンスし開発を委ね、そのライセンス先製薬会社からライセンス収入を得るものです。グリーンペプタイドは本邦におけるがんペプチドワクチン研究の草分け的存在の久留米大学発のベンチャーです。久留米大学で臨床研究を終えたがんペプチドワクチン・シーズを、グリーンペプタイドの設立とともに特許の譲渡を受けて承継しました。

 グリーンペプタイドのリード開発品のがんペプチドワクチンITK-1は、現在実施中である進行性の去勢抵抗性前立腺がんを対象とする国内第Ⅲ相臨床試験の開始前に富士フイルム株式会社へライセンス・アウトしました。現在は同社とともに、グリーンペプタイドは同社から本臨床試験の実施を受託し開発協力金を得ながら、本臨床試験を遂行しています。

グリーンペプタイドの4つのパイプライン

 グリーンペプタイドが保有するがん抗原(治療薬シード)のうち、ITK-1とGRN-1201に用いているもの以外を、ペプチドワクチンの形態以外に活用展開することも含めたがん免疫治療薬の探索研究を進めています。また、グリーンペプタイドではこれまでのペプチドワクチンの開発で得た経験と近年の技術革新を踏まえ、次世代がん免疫治療のターゲットとして注目度が⾮常に高まっている、遺伝子変異に起因するがん抗原(ネオアンチゲン)の探索と臨床応⽤を目指した研究も進めています。

・ITK-1(前立腺がん)
 グリーンペプタイドのリード開発品のがんペプチドワクチンITK-1は、富士フイルム株式会社へ導出済みで、2013年6月より日本国内においてプラセボ対照第Ⅲ相二重盲検比較試験が実施されており、現在観察期間中です。

・GRN-1201(メラノーマ)
 グリーンペプタイドのGRN-1201は、欧米人に多く持つHLAに結合するペプチドセットで構成しているため、米国や欧州を始めグローバルに展開のできるがんペプチドワクチンであり、2015年10月に米国FDAに治験届(IND)を申請し、第Ⅰ相臨床試験を開始しており、現在症例登録中です。グリーンペプタイドは第1適応として、メラノーマ(悪性黒色腫)患者を対象としており、免疫チェックポイント阻害剤との併用試験を実施していきます。

・ネオアンチゲン※1(非小細胞肺がん)
 グリーンペプタイドは非小細胞肺がんを適応症とするネオアンチゲンペプチドワクチンを開発しています。肺がんは、診断時には既に進行または転移が認められることの多い予後の悪いがんで、米国では約22万人、日本では約13万人が罹患すると報告されています。

・T-iPS(EBウイルス※5由来リンパ腫)
 グリーンペプタイドは中内啓光東京大学医科学研究所教授兼スタンフォード大学教授等による発明をもとに、iPS技術を利用した再生医療のがん免疫療法分野への世界初の応用を目指し研究開発を行っています。iPS細胞によって細胞を若返らせるのです。

(引用:株式会社グリーンペプタイド公式ホームページ)

株式会社グリーンペプタイドの企業理念

グリーンペプタイドの経営理念

「クオリティ・オブ・ライフを維持できる新しいがん治療を創出する」

 進行がんを根治する治療法はまだ世にありません。一方で、がんと闘う力が強くなるほど正常な体の部分も同時に攻撃を受けてしまうというジレンマを決定的に解決するがん治療薬も、まだ見出されておりません。がんの進行そのものに伴う苦しみに、薬を用いたがん治療により体への負担が加わり、家族や大切な人と一緒に健やかに過ごせる貴重な時間が減ってしまうことも、現代のがん治療においてはまだたくさんあります。

 そこでグリーンペプタイドは、このようながん治療のあり方を、「がん免疫治療薬」という、人が本来備えもつ免疫機能に働きかける新しい薬を創り出すことによって、変えたいと考えています。
 がん免疫療法のコンセプトに基づく、クオリティ・オブ・ライフを維持できる革新的ながん治療を、一日も早く世界の患者様へ向けて新しい治療法を提供することが、グリーンペプタイドの最大の使命です。

(引用:株式会社グリーンペプタイド公式ホームページ)

株式会社グリーンペプタイドの事業ビジョン

 グリーンペプタイド、外科手術・放射線療法・化学療法という伝統的な3大がん治療を経て打つ手が無くなったがん患者さんにとって、クオリティ・オブ・ライフを維持しながらの治療が可能になるよう、人が本来備え持つ免疫の力をもってがんを制する「がん免疫治療薬」の創出を目指しております。グリーンペプタイドの第一号ワクチンとして前立腺がんペプチドワクチンITK-1の国内第Ⅲ相臨床試験を実施しています。またこれに続いて、グリーンペプタイドは日本発の創薬コンセプトを世界に発信する開発品として、固形がん対象ペプチドワクチンGRN-1201の米国での第Ⅰ相臨床試験を開始しています。

(引用:株式会社グリーンペプタイド公式ホームページ)

株式会社グリーンペプタイドの事業ポートフォリオ

2003年5月福岡県久留米市旭町67番地に株式会社グリーンペプタイド設立(資本金10,000千円)
2005年10月ITK-1の膠芽腫に対する第I相臨床試験を開始
2006年1月ITK-1の去勢抵抗性前立腺がんに対する第I相臨床試験を開始
2006年3月「テーラーメイド前立腺がんペプチドワクチンに関する新技術の開発」に関して、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の「独創的シーズ展開事業」に採択
2006年12月「HLA-A24陽性術後放射線化学療法抵抗性の星細胞腫Grade3・4に対するテーラーメイド癌ペプチドワクチンの実用化研究」に関して、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の「医薬品・医療機器実用化研究支援事業」に採択
2011年11月富士フイルム株式会社とITK-1に関する独占的ライセンス契約を締結
2013年5月株式会社グリーンペプタイドの「グローバルに対応した薬剤選択型がんペプチドワクチン開発」に関して、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成24年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択
2013年6月ITK-1の去勢抵抗性前立腺がん患者に対する第Ⅲ相臨床試験を開始
2014年7月「グローバルに対応した薬剤選択型がんペプチドワクチン開発」に関して、NEDOの「平成25年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択
2015年6月ITK-1の去勢抵抗性前立腺がん患者に対する第Ⅲ相臨床試験の中間解析の結果、最終解析における主要評価項目達成の見込みが一定以上あることが示され、効果安全性評価委員会が計画通りの試験継続を推奨
2015年10月GRN-1201のメラノーマ(悪性黒色腫)患者に対する米国での第Ⅰ相臨床試験を開始
株式会社グリーンペプタイド、東京証券取引所マザーズ上場
2016年8月神奈川県川崎市殿町地区に川崎創薬研究所を開設~~~
(引用:株式会社グリーンペプタイド公式ホームページ)

ガンから私たちを救う株式会社グリーンペプタイド

 いかがだったでしょうか。現在あるガン治療薬は体を傷つけ、穏やかに家族と過ごす時間を奪ってしまうデメリットがありますが、グリーンペプタイドの「がん免疫治療薬」は人が本来持っている免疫力を使ってガンを治療するというものです。グリーンペプタイドはまだまだ研究を行なっている会社です。そんな最先端で研究をし続けるグリーンペプタイドを訪れてみてはいかがでしょうか。