住友化学株式会社:概要と沿革
まずは、住友化学の基本情報を確認しておきましょう。
住友化学株式会社の概要
社名 | 住友化学株式会社 |
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本社所在地 | 東京都中央区新川2丁目27番1号 東京住友ツインビル(東館)
大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友ビル |
設立年月 | 1913年09月22日(創業) 1925年06月01日(設立) |
代表取締役社長 | 十倉雅和 |
株式公開 | 東証一部 |
資本金 | 89,699百万円(2016年03月31日現在) |
事業内容 | 石油化学部門、エネルギー・機能材料部門、情報電子化学部門、健康・農業関連事業部門、医薬品部門、その他 |
住友化学の本社・支社
本社・支店
本社(東京) 東京都中央区新川2丁目27番1号 東京住友ツインビル(東館)
本社(大阪) 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友ビル
名古屋支店 名古屋市東区東桜1丁目13番3号 NHK名古屋放送センタービル15階
福岡支店 福岡市中央区天神1丁目11番17号 福岡ビル
住友化学の工場は愛媛、千葉、大阪、大江、大分、青森三沢に工場にあり、歌島試製部、岡山プラント、岐阜プラントがあります。また国内8ヶ所に研究所があります。さらに住友化学の海外のグループ会社は60以上もあり、全大陸にあります。住友化学の連結子会社は160社にも及び、30000人以上の人が働いています。
住友化学株式会社の事業内容
住友化学の石油化学部門
住友化学ではポリエチレン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂などの合成樹脂や、合繊繊維原料、各種工業薬品など、さまざまな産業の礎となる化学製品を提供しています。クッション材を使用する自動車シートや、ナイロン製の袋や、梱包材などのポリエチレンなど、様々な製品の原料です。
住友化学のエネルギー・機能材料部門
住友化学はアルミナ、アルミニウムから、高性能な高分子添加剤やゴム用薬品、自動車用すす除去フィルター、低燃費タイヤ用合成ゴム、さらに、スーパーエンジニアリングプラスチックやリチウムイオン二次電池用部材まで、環境負荷の低減や省資源・省エネルギーに貢献する機能化学品を幅広く提供しています。
住友化学の情報電子化学部門
住友化学は液晶ディスプレイに使用される光学機能性フィルム・カラーレジスト、半導体製造過程で用いられるフォトレジストや高純度薬品、携帯電話やスマートフォンのアンテナスイッチ、アンプなどのデバイスに利用される化合物半導体(MOエピウエハ)、半導体チップの配線材料として使用されるアルミターゲットなど、ICT 関連産業を支える製品を幅広く供給しています。
住友化学の健康・農業関連事業部門
住友化学は農作物の安定的な供給、世界の人口増加に対応するための食糧増産、感染症の蔓延防止、衛生的で健康な生活の実現などに貢献するため、農薬や肥料、飼料添加物のほか、家庭用・防疫用殺虫剤、医薬原体・中間体などを製造・販売しています。
住友化学の医薬品部門
住友化学の医薬品事業は、医療用医薬品事業を中心とする大日本住友製薬(株)と、診断用医薬品事業を中心とする日本メジフィジックス(株)の両社を軸に事業を展開しています。
住友化学の研究開発
住友化学は、長年にわたって触媒設計、精密加工、有機・高分子材料機能設計、無機材料機能設計、デバイス設計、生体メカニズム解析という、“6つのコア技術”を育ててまいりました。住友化学の「創造的ハイブリッド・ケミストリー」は、これら6つのコア技術の深化や基盤技術の充実、さらには社内外の異分野技術との融合によって、より付加価値の高い製品・技術を創出することを意味しています。
住友化学株式会社の企業理念
住友化学の経営理念
1、技術を基盤とした新しい価値の創造に常に挑戦します。
2、事業活動を通じて人類社会の発展に貢献します。
3、活力にあふれ社会から信頼される企業風土を醸成します。
住友化学のコーポレートスローガン・ステートメント
「豊かな明日を支える 創造的ハイブリッド・ケミストリー」
住友化学のコーポレートステートメント
私たち住友化学は、17世紀から続く住友の事業精神を引き継ぎ、1913年、銅の製錬に伴い発生する排出ガスから肥料を製造し、環境問題克服と農産物増産をともにはかることから誕生しました。創業から1世紀。私たちは、自社の利益のみを追わず事業を通じて広く社会に貢献していくという凛とした理念のもと、安全・環境・品質に細心の注意を払いながら、時代とともに多様な事業を展開し、絶えざる技術革新で人々の豊かな暮らしを支えてきました。
これからも、様々な発想、価値観や技術を融合させて化学の枠にとどまらない新たな価値を生み出すことで、身のまわりの快適な衣食住の実現から、地球規模の食糧問題、環境問題、資源・エネルギー問題の解決まで、積極果敢にチャレンジし続けます。そのために社員一人ひとりが、高い使命感と情熱を持って、切磋琢磨し、日々新しい可能性を追求しながら、課題を突破していきます。
世界中に信頼と感動の輪を
住友化学株式会社の事業ビジョン
住友化学は4つの事業計画があります。(1)住友化学は「環境・エネルギー」「ICT」「ライフサイエンス」を中心とした、「技術」で勝負できる事業分野に経営資源を投入し、社会が抱える諸課題に対し、「技術」を基盤とした新しい価値を提供していきます。スペシャリティケミカル分野での大型投資の機会を模索していきます。(2)住友化学の筋肉質な財務基盤の維持、キャッシュフローを安定して生み続ける体質を定着させ、大型投資を機動的に実施できる体制を構築します。(3)住友化学の重点3分野である「環境・エネルギー」「ICT」「ライフサイエンス」への投資を継続し、研究テーマの着実な事業化をはかり、重点3分野の「境界領域」でのソリューション提供に取り組みます。(4)住友化学は海外への事業を拡大させます。
住友化学株式会社の事業ポートフォリオ
1913年 |
9月 住友総本店の直営事業として愛媛県新居浜に肥料製造所を設置 |
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1915年 |
10月 営業開始(過燐酸石灰初出荷) |
1925年 |
6月 (株)住友肥料製造所として独立新発足(現在の愛媛工場) |
1934年 |
2月 商号を住友化学工業株式会社に商号変更 |
1944年 |
7月 日本染料製造(株)を合併して、染料、医薬品部門に進出(現在の大阪・大分工場) |
1946年 |
2月 日新化学工業株式会社に商号変更 |
1949年 |
12月 旧住友アルミニウム製錬(株)から全設備を譲り受け |
1952年 |
8月 住友化学工業株式会社に商号復帰 |
1958年 |
5月 愛媛工場で、エチレンおよび誘導品の生産を開始し、石油化学部門へ進出 |
1965年 |
11月 中央研究所(高槻)を設置(2003年3月閉鎖) 11月 住友千葉化学工業(株)を設立(1975年同社を合併、現在の千葉工場) 住友千葉化学工業のエチレン工場 |
1971年 |
7月 宝塚総合研究所を設置、医薬・農薬部門の研究体制を強化 |
1976年 |
7月 住友アルミニウム製錬(株)を設立(同社にアルミニウム事業を譲渡、1986年同社解散) |
1978年 |
1月 三沢工場の操業開始により、ピレスロイド系家庭用殺虫剤の生産体制を強化 |
1982年 |
2月 インドネシア・アサハン・アルミニウムが操業開始 インドネシア・アサハン・アルミニウム |
1983年 |
1月 愛媛工場のエチレンプラントおよび誘導品の一部を休止し、千葉工場へ生産集中 |
1984年 |
2月 稲畑産業(株)との間で住友製薬(株)を設立(1984年営業開始) 3月 「シンガポール石油化学コンビナート」が操業開始 住友製薬(現大日本住友製薬)設立の記者会見/シンガポール石油化学コンビナート |
1988年 |
6月 大阪工場内に安全性研究棟(現在の生物環境科学研究所)を設置 |
1989年 |
3月 筑波研究所を設置 |
1997年 |
4月 「シンガポール石油化学コンビナート」第2期設備が操業開始、第1期分と合わせエチレン生産能力約100万トン |
1998年 |
10月 シンガポールでのMMA・アクリル酸プロジェクトの全設備が完成 |
2000年 |
10月 住友製薬(株)と共同運営のゲノム科学研究所を研究本部に設立 |
2001年 |
5月 アベンティス・クロップサイエンスから家庭用殺虫剤関連事業を買収 10月 情報電子化学部門を新設 |
2002年 |
11月 武田薬品工業(株)の農薬事業を同社との合弁子会社住化武田農薬(株)に譲り受けて営業開始(2007年吸収合併) |
2003年 |
3月 韓国の子会社、東友STIで液晶ディスプレイ用カラーフィルター大型生産設備の操業開始 8月 韓国の子会社、東友光学フィルムで液晶ディスプレイ用偏光フィルム一貫生産設備の操業開始 東友ファインケム |
2004年 |
3月 台湾の子会社、住華科技で液晶ディスプレイ用偏光フィルム一貫生産設備の操業開始 10月 商号を住友化学株式会社に商号変更 |
2005年 |
9月 サウジ・アラムコと折半出資の合弁会社ラービグ・リファイニング・アンド・ペトロケミカル・カンパニー(ペトロ・ラービグ)を設立 10月 住友製薬(株)と大日本製薬(株)が合併し、大日本住友製薬(株)となる |
2007年 |
9月 高分子有機ELデバイス開発のパイオニアであるケンブリッジ・ディスプレイ・テクノロジーを完全子会社化 |
2009年 |
4月 ペトロ・ラービグの石油精製・石油化学統合コンプレックスの基幹プラントであるエタンクラッカーが操業開始 10月 大日本住友製薬(株)がアメリカの医薬品会社セプラコール(現 サノビオン)を買収 |
2011年 |
4月 精密化学部門を廃止・再編、農業化学部門を健康・農業関連事業部門へ改称 |
2015年 |
4月 基礎化学部門、石油化学部門を再編、石油化学部門とエネルギー・機能材料部門へ改組 |
私たちの生活と産業をより豊かにしてくれる住友化学株式会社
いかがだったでしょうか。近年、化学繊維やプラスチックなど、身近に化学製品を感じられる機会も増えました。住友化学は様々な産業に利用される原料を作り出している会社です。近い将来、住友化学の健康・農業関連や、医療の分野はどんどんニーズが増えて行くことでしょう。技術を基盤とした新しい価値の創造に挑戦しつづけ、世界中で活躍する住友化学を訪れてみてはいかがでしょうか。