シマノの概要と沿革
まず、シマノの基本情報は以下の通りです。
【シマノの概要】
社名 | 株式会社シマノ(SHIMANO INC.) |
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本社所在地 | 大阪府堺市堺区老松町3丁77番地 |
設立年月日 | 1940年(昭和15年)1月 |
代表取締役社長 | 島野 容三 |
株式公開 | 東証一部上場(証券コード:7309) |
資本金 | 356億円 |
事業内容 | 自転車部品、釣具、ロウイング関連用品の開発・製造・販売 |
シマノは大阪府堺市に本社を置いています。創業は1921年ととても古く、当時国内産の自転車の核とも言える部品のフリーホイールはお世辞にも品質が高いとは言えず、それらの改善、技術向上を目的にシマノは誕生しました。そして現在は東証一部へ上場している大企業まで上り詰めたシマノの歴史を見ていきたいと思います。
それではシマノの歴史を沿革で見ていきましょう。
【シマノの沿革】
1921年 | 島野庄三郎が島野鐵工所を創業
フリーホイール生産に着手 |
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1940年 | 株式会社に改組、商号を「株式会社島野鉄工所」に変更
島野庄三郎が初代社長に就任 |
1951年 | 商号を「島野工業株式会社」に改称 |
1956年 | 外装式変速機の生産に着手 |
1961年 | アメリカのショーにスリースピードハブを初出展 |
1965年 | Shimano American Corporation をニューヨークに設立 |
1970年 | 島野山口株式会社(現・下関工場)
釣具事業部発足 |
1972年 | 西ドイツのデュッセルドルフに現地法人「シマノヨーロッパ」設立
大阪証券取引所 第二部上場 |
1973年 | シマノレーシングチーム発足
「Shimano (Singapore) Pte. Ltd.」設立 |
1974年 | 外装変速機 ポジトロン発表 |
1976年 | DURA-ACE 10シリーズ発売 |
1978年 | バンタムシリーズ アメリカにて発表 |
1980年 | ロードコンポーネンツ DURA-ACE AX 7300 エアロダイナミクス発表 |
1981年 | 熊本釣具株式会社(現:シマノ熊本)を設立 |
1982年 | ロードコンポーネンツ 初代シマノ105シリーズ発売 |
1983年 | カナダに「Shimano Canada Ltd.」を設立
第1回 ジャパンカップ(釣り)開催 |
1985年 | シマノヨーロッパ 西ドイツ・デュッセルドルフから西ドイツ・ヒルデンに移転
複合新素材リール「チタノスシリーズ」発売 |
1986年 | シマノアメリカンとシマノセールスが合併し、ニュージャージーからカリフォルニアに移転 |
1987年 | ロードコンポーネンツ シマノ600アルテグラ 発売 |
1988年 | DURA-ACEを使用したAndy Hampsten (セブン・イレブンチーム)が、ジロ・デ・イタリアで総合優勝
イギリスに「Shimano U.K. Ltd.」を設立 |
1989年 | 物流基地シマノ臨海(現・シマノセールス株式会社)を設立
オランダに「Shimano Benelux B.V.」と「Shimano Europe Fishing tackle B.V.」を設立 シマノトータルインテグレーション(STI)コンセプトのオフロード用「ラピッドファイヤーレバー」発表 新ブランド「NEXUS」(フィッシングギア)発表 |
1990年 | マレーシアに「Shimano Components (Malaysia) Sdn.Bhd.」を設立
イタリアに「Shimano Italy Fishing S.r.l.」を設立 |
1991年 | 社名を「島野工業株式会社」より「株式会社シマノ」に変更
インドネシアに「P.T. Shimano Batam (Indonesia)」を設立 |
1992年 | 島野敬三が3代目社長に就任
「自転車博物館 サイクルセンター」をオープン 中国に「Shimano (Kunshan) Bicycle Components Co., Ltd.」設立 オーストラリアに「Shimano Australia Pty. Ltd.」を設立 |
1993年 | ロードレーシング・コンポーネンツ「DURA-ACE 7410」発売開始 |
1995年 | 島野喜三が4代目社長に就任 |
1997年 | G.Loomis設立 |
1998年 | 1998年モデルSTELLAが発売
フライトデッキ(サイクルコンピューター)発売・・・レバーブラケットに操作スイッチを設けることで、ハンドルから手を離さずに操作ができた。 |
1999年 | 第1回シマノもてぎロードレース開催 |
2001年 | 島野容三が5代目社長に就任
中国に「Shimano (Shanghai) Bicycle Components Co., Ltd.」を設立 チェコに「Shimano Czech Republic s.r.o.」を設立 フランスに「Shimano France Composants Cycles S.A.S.」を設立 |
2002年 | 台湾に「Shimano Taiwan Co.,Ltd」を設立 |
2003年 | 中国に「Shimano (Kunshan) Fishing Tackle Co., Ltd.」を設立
中国に「Shimano (Tianjin) Bicycle Components Co.,Ltd.」を設立 |
2005年 | 北欧3国に「Shimano Nordic Cycle AB」「ShimanoNordic Cycle OY」「Shimano Nordic Cycle AS」を設立 |
2006年 | 中国に「Shimano (Lianyungang) Industrial Co., Ltd.」を設立
LIFE CREATION SPACE OVEが、東京・南青山にオープン |
2007年 | ブラジルに「Shimano Latin America Representacao Comerial Ltda.」を設立
ポーランドに「R&P Pawlak Sp. Z o.o.」(現・Shimano Polska Bicycle Parts Sp.z o.o.)を設立 STELLA2007モデル発売開始 |
2008年 | 「Innovative Textiles Inc.」の株式を取得
「DashAmerica Inc.」(Pearl Izumi USA)の株式を取得 |
2009年 | ライフスタイル ギア事業部発足
シマノ臨海、社名を「シマノセールス株式会社」に変更 |
2010年 | XEFO(ゼフォー)発売開始 |
2011年 | SCC(Shimano Cambodia Co., Ltd.)を設立
シンガポール総領事館 シマノ本社ビル 2Fに開設 |
2013年 | Shimano (Philippines) Inc.を設立 |
2014年 | マイクロモジュールギア搭載2014モデル「STELLA」発売開始
シマノスポーツカメラ発売開始 トルコに「Shimano Menat Spor Etkinlikleri Spor Malzemeleri ve Ekipmanlari Ticaret Limited Sirketi」を設立 トルコに「Shimano Bisiklet Parca ve Ekipmanlari Satis Servis Ticaret Anonim Sirketi」を設立 イタリアに「Shimano Italy Bicycle Components S.r.l」を設立 Shimano (Kunshan) Bicycle Components Co.,Ltdの新工場「Kunshan Intelligent Plant (KIP)」稼働 本社工場「Sakai Intelligent Plant(SIP)」完成 シンガポールに「SHIMANO Cycling World」オープン |
2015年 | 「HAGANE」コンセプト 発表
ウルグアイに「Shimano Uruguay S.A.」を設立 Shimano American Corporation 設立50周年 |
2016年 | パワーメーターを搭載した「DURA-ACE R9100」シリーズを発表
下関工場 SSF_IP(Shimano Shimonoseki Factory Intelligent Plant)完成 臨海ロジスティクスセンター完成 |
1921年にわずか一台の工作機械からの製造でスタートしたシマノは現在、自転車業界として唯一東証一部に上場している企業にまで成長しました。それには様々な製品やシリーズの開発、そして改良を繰り返したことをはじめ、自転車業界の歴史を塗り替えたパーツをコンポーネント化し、販売や修理の簡易化を図ったことが大きな功績として語られています。それぞれのパーツを専門会社に依頼してそれを組み上げて販売するという少々面倒であった仕組みを、自転車業界で統一し、それぞれの互換もすんなり出来るようにしたら手間がかからなくなるんではないかという考えからコンポーネント化を図ったんですね。これによりシマノがトップシェアに上り詰めたこともそうですが、自転車業界の浸透にも大きな結果を残しました。釣具事業でも世界初の非円形ベイトリールを発売するなど、常に新しいものへの探求を続けてきた結果がシマノがココまで大きくなった理由ですね!
シマノの基本理念
次に、シマノの基本理念をまとめていきます。
【基本理念】
こころ躍る製品をシマノHP:シマノの基本理念より引用
ひとは、大自然の息づかいに心を開くよろこびを知っています。
ひとは、人と人が出会い互いに認め合うことのできるよろこびを知っています。
それは、ひとそれぞれの中にも自然があるからだと思います。
そして道具とは、本来、ひとのよろこびに大きく関わっているものだと思います。
私たちシマノは、アウトドア・スポーツを代表するサイクリングと釣りの2つの分野を中心に、さまざまな製品をお届けしてまいりました。
肌を掠める風に、路傍に落ちる木洩れ陽に、水面に広がる波紋に心を躍らせること。
そんな素直な感動を演出することが、私たちにとって何よりの誇りであるといっても過言ではありません。
私たちは、ひとと自然がもっと身近になり、ともに生きるよろこびを分かち合うために、新しい夢の実現、新しい文化の創造をめざしてまいります。
【会社の使命】
人と自然のふれあいの中で、新しい価値を創造し、健康とよろこびに貢献する。シマノHP:シマノの基本理念より引用
【経営の方針】
お客様に信頼され、満足していただけるサービスと製品を提供する。シマノHP:シマノの基本理念より引用
企業価値を高め、開かれた経営を約束する。
達成感と、よろこびを分かち合える、公正でいきいきとした職場づくりに努める。
社会の一員として環境を大切にし、共に繁栄することを目指す。
【チームシマノの行動指針】
豊かな創造性をはぐくみ、たえず自己を啓発する。シマノHP:シマノの基本理念より引用
つねに技術の向上に努め、夢の実現に挑戦する。
大きく発想し、機敏な行動で着実に実行する。
アウトドア用品を手がけるシマノならではの理念だと思います。近代化していく中で失われつつある自然のことを織り交ぜて語られています。自然に優しいスポーツである自転車と釣りを愛している企業だからこそユーザーの求めている製品を造ることが出来るんだと思います。そして長年の経験とサービスで得た信頼を元に、より良い製品を常に作り続けることも約束されています。社会貢献という意味でも自然を大切にすることの重要性を考えさせられる素晴らしいコンセプトだと思います。これからもシマノには自然と共存できる製品の開発、そしてサービスを続けていってもらいたいですね!