日本通信株式会社:概要と沿革
まずは、日本通信の基本情報を確認しておきましょう。
日本通信株式会社の概要
社名 | 日本通信株式会社 |
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本社所在地 | 東京都港区虎ノ門4-1-28 虎ノ門タワーズオフィス |
設立年月日 | 1996年5月24日 |
代表取締役社長 | 福田尚久 |
株式公開 | 東証一部 |
資本金 | 3,251,585,585円 (2016年12月31日現在) |
事業内容 | 通信サービスプラットフォームの開発
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日本通信株式会社の事業内容
モバイルサービスに関して、販売に関しては、お客様の最も近いところにいる小売や流通にノウハウが結集しているでしょう。また、端末に関しては端末メーカーが、アプリやコンテンツはプロバイダーがノウハウをもっています。各サービス事業者が、自らのノウハウを活かし、独自の視点でサービスを創り出せる環境を整備することが日本通信の役割です。日本通信は、様々なサービス事業者に対応した通信サービスプラットフォームの開発に注力してきました。
また、日本通信のプラットフォームは、当社が自らインフラ(無線設備)をもたないMVNO(Mobile Virtual Network Operator)であるがゆえに、通信方式・世代や地域(国)にかかわらず、利用することが可能です。日本通信は、一律のプラットフォーム提供を目指しています。
日本通信は端末メーカー、IP-PBXメーカー、SIer等、強いソリューションをもつ企業に対し、モバイル通信プラットフォームを提供しています。パートナーのソリューションに当社のテクノロジーをプラスすることで、パートナーのサービスの競争力を高めることに貢献しています。
「世界中どこへいっても、何もすることなく、いつもと同じように必要な情報にアクセスできる。」これこそが、日本通信の考える次世代インターネットの姿です。日本通信は、次世代インターネットを実現するために、自らはインフラを持たず、サービス事業者に通信サービスプラットフォームを提供する道を選択しました。これがモバイルインターネットのグローバル化を進める、最も現実的な方法と考えたからです。日本通信は、日本で生まれ、日本で育てられたビジネスモデルを世界で実現していきます。
日本通信株式会社の企業理念
日本通信の使命
「次世代携帯電話はもはや電話ではない。人類の行動様式を根本から変える存在になるだろう」1996年5月、創業者三田聖二はモバイルが実現する次世代インターネットの可能性と産業構造に目を向け、日本通信を創業しました。
次世代携帯電話は、グローバルの不特定多数を相手とする高速なインターネット(データ通信)によるコミュニケーションが主流になります。世界中どこへ持っていっても使えるパーソナルな端末が、インターネットに接続するという世界においては、情報家電、金融、広告、ゲーム、放送、E-コマースなど、あらゆる分野におけるニーズがあるはずです。電話機能しか持ち得なかった従来の携帯電話は、一種のコモディティとみなされていましたが、今後は、通信の付加価値を売る時代へと転換しなくてはなりません。日本通信は、設備事業者がサービスまで支配するのではなく、設備事業者とサービス事業者を分け、サービスという付加価値を最大限発揮できる企業が、積極的にサービス提供できるようにしなくてはならないと考えています。
日本通信は、新しいモバイルサービスが創出される環境の整備に一翼を担うこと、そして、新しいビジネスモデルを具現するモデル企業として自ら実例をつくることをミッションとしています。
日本通信株式会社の事業ビジョン
スマートフォンの普及やIoT(モノのインターネット)の浸透により、インターネットに接続している機器は飛躍的に増大しています。一方で、セキュリティに関する現実的な懸念も、接続数と比例して増大しています。インターネットは TCP/IP プロトコルがあって世界中どこにでもつながるのですが、一方セキュリティの観点から見ると、生まれつき危ないプロトコルの上で成立しているからです。
日本通信は、次世代経済のベースである「情報」を安全・安心な方法でグローバルにどこにでも配達するため、信頼できる無線ネットワークづくりを地球規模で目指しています。数十年後も皆さまが安心して通信機能がついた製品やサービスをご利用になれるよう、いわゆるモバイル分野のイネイブラーとして、誠心誠意取り組んでいきます。
日本通信株式会社が作った世界初・日本初
・『世界初』データ通信MVNO
日本通信は、Mobile Virtual Network Operator (MVNO)として、データ通信を実現した第一号の会社です。現在は、音声通信も提供しています。
・『日本初』SIM製品を販売
SIM製品の登場で、自分の電話番号を複数の携帯端末で利用できるようになりました。日本通信では契約が切れた端末でもSIMを差し込めば通信が可能になることに貢献しました。
・『日本初』基本料0円の通信プラン
日本通信は日頃利用の少ないユーザ向けに、基本料がかからない通信サービスを発売しました。
・『日本初』速度制限通信プラン
他社が"速度競争"を繰り広げている中、日本通信は高速でなくても、毎月の通信料金を抑えたいというユーザのニーズを掘り起こし、通信サービスの“低速市場”を切り開きました。
・『世界初』050番号モバイルIPフォン
日本通信のデータ通信をご利用いただければ、低価格で音声通話ができるモバイルIPフォンを開発しました。
・『日本初』月額980円の通信プラン
他社が横並びで月額5,000円前後の通信プランを提供する中、日本通信は月額1,000円を切る定額制のデータ通信プランを開発し、業界の注目を集めました。
・『日本初』契約不要のプリペイド製品
日本通信は通信事業者との契約が不要のプリペイド型通信製品を開発し、乾電池のようにお店に陳列して販売しました。
・『日本初』アクティベーション不要製品
日本通信は日本の身分証明書をもたず、国内の連絡先もない短期滞在の外国人旅行者等が利用できる通信カードの販売を始めました。訪日者の通信利用に革命を起こしました。
・『日本初』自分で設計できる通信サービス
日本通信はユーザが自らWeb上で、通信速度や上限データ量を変更し、自分の求める通信サービスを設計できるサービスを始めました。
・『日本初』チャネル限定通信サービス
日本通信は大手小売・流通・量販店とのパートナシップにより、チャネル限定の専用製品を開発しました。
・『世界初』無線通信を使ったATM
日本通信は米国市場において、ATM(現金自動支払機)用回線を無線で提供することに成功しました。
日本通信株式会社の事業ポートフォリオ
1996年5月 | 日本通信株式会社設立 |
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1996年10月 | 米国にCCT社設立(技術開発会社) |
1996年12月 | 郵政省(現 総務省)に一般第二種電気通信事業者の届出(関電通第7504号) |
2000年6月 | 携帯電話向けアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)事業を開始 |
2001年8月 | DDIポケット(現 ワイモバイル)からPHSデータ通信のネットワークを調達、世界初となるデータ通信MVNO事業を開始 |
2001年10月 | 法人向けモバイルデータ通信サービスを提供開始 |
2001年12月 | 個人向けモバイルデータ通信パッケージを提供開始 |
2002年12月 | 京セラと提携、機器への通信組み込み分野への取り組みを開始 |
2003年3月 | 日本通信株式会社の「通信電池」がオムロン(現フリュー)のプリントシール機で採用。通信機能の標準搭載により携帯電話への画像送信サービスが可能に。
PHSと公衆無線LANの統合サービスを提供開始 |
2004年8月 | 日本ヒューレット・パッカードや松下電器産業(現パナソニック)と提携、当社「通信電池」内蔵ノートPCを実現、ワンクリックで最初からインターネット接続 |
2005年3月 | 150時間まで1分単位で使えるプリペイド型サービスを提供開始 |
2005年4月 | 大阪証券取引所ヘラクレス市場(現 東京証券取引所JASDAQ)に上場 |
2006年3月 | 米国Arxceo Corporation買収(ネットワーク不正アクセス防御システムに優れた技術会社) |
2006年4月 | 米国にCSCT社(現Contour Networks)設立(MVNO事業会社) |
2007年4月 | 米国CSCT社(現Contour Networks)がUSセルラーとレイヤー2による相互接続契約を締結 |
2007年11月 | ドコモとの相互接続に関し、総務大臣が裁定
米国CSCT社(現Contour Networks)の無線専用線がクレジットカード業界の情報セ2008年6月キュリティ基準「PCI DSS」認定を取得 |
2008年8月 | ドコモと3Gネットワークとの相互接続協定を締結 3Gデータ通信サービスの提供を開始 |
2008年11月 | 米国CSCT社(現Contour Networks)の無線専用線をATM(現金自動支払機)メーカーが採用 |
2009年3月 | ドコモ3Gネットワークとのレイヤー2による相互接続を完了 |
2009年8月 | HPがHP Mobile Broadbandを提供するにあたりMVNEとして参画
総務省から050電話番号を取得 |
2009年12月 | パソコン向けモバイルIPフォンサービスを提供開始 |
2010年2月 | モトローラ端末に3Gデータ通信および音声通話に対応したSIMが採用 |
2010年3月 | 米国CSCT社(現Contour Networks)が携帯事業者スプリントとレイヤー2接続に関する契約を締結 |
2010年4月 | SIMだけが入っているパッケージ製品を提供開始 |
2010年5月 | ソニーの“ポケットスタイルPC”VAIO 新「Pシリーズ」で当社通信サービスを採用 |
2010年7月 | スマートフォン用SIM製品を提供開始。データ通信と音声通話サービスに対応 |
2010年8月 | SIMフリー版iPhone4に最適化したSIM製品を提供開始 |
2010年10月 | 大阪証券取引所JASDAQ市場において、市場区分をスタンダードに移行 |
2010年12月 | 携帯電話より安いスマートフォンを市場投入 |
2011年1月 | 世界初050ベースのモバイルIP電話サービス開始 |
2011年4月 | 通信量(1GB)単位で利用できるSIM 製品の提供を開始、Fairな通信サービスのあり方を提起 |
2011年6月 | イオンとの協業により、イオン限定のサービスとして、国内初の「月額定額980円」等のSIM製品の提供を開始(以降、他のイオングループ各社と協業を開始) |
2011年7月 | 東日本大震災の復興支援への協力により、東北地方非常通信協議会より表彰 |
2011年9月 | 大阪証券取引所により「J-Stock Index」銘柄として選定 |
2011年11月 | ヨーロッパ広域におけるモバイル通信事業を展開するため、アイルランド(ダブリン)に欧州現地法人を設立することを決定 |
2012年2月 | 丸紅との合弁、丸紅無線通信株式会社を設立(法人直販データ通信サービス事業を同社に承継)
ヨドバシカメラとの提携により、使用しない月は維持費が0円になる「基本料0円SIM」を提供開始 東日本電信電話との協業により、フレッツ光用ISPサービスと3Gモバイル通信用SIMを組み合わせたサービス「b-mobileFMC forフレッツ光」を、3月には西日本電信電話との協業により全国展開 |
2012年3月 | ドコモのLTE網とのレイヤー2相互接続を完了 LTEに対応したSIM製品を提供開始 |
2012年5月 | Amazon.co.jp®向けSIM製品を提供開始 |
2012年6月 | 2枚のSIMでデータ容量をシェアして使えるSIM製品を提供開始 |
2012年7月 | 米国スプリント社への技術関連製品及びサービス提供に関する基本契約を締結
訪日外国人旅行者向けSIM製品を提供開始 |
2012年8月 | 音声通話ができるスマホ電話SIM製品を提供開始。MVNOとして更なる飛躍
HIPPA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)の要件を満たした、特許技術セキュアM2M(Machine-to-Machine)が米国で採用決定。VPNを使わない無線専用線で 高速と低速をワンタッチ切り替えできる「Turbo Charge」を提供開始。携帯事業者の高額なデータ定額料金キラー誕生 |
2012年10月 | 日本通信株式会社と丸紅との合弁会社である丸紅無線通信が、楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズと共に、「楽天ブロードバンドLTE」を提供開始 |
2012年12月 | 月額定額使い放題SIMシリーズを提供開始 |
2013年3月 | Xi(LTE)対応音声通話SIMを業界最低料金で提供開始
KDDIとソフトバンクモバイルに相互接続を申し入れ |
2013年7月 | 米国にJCI US設立(米国事業統括会社)、米国子会社3社を再編 |
2013年11月 | MVNOが一つの業界に成長(Time to Harvest宣言) データ通信が無料で利用できるSIM製品を提供開始(Time to Harvest製品)
従来型の携帯電話の再活用に着眼したSIM製品を提供開始 海外でSIM製品を提供開始。KADOKAWAグループの台灣角川股份有限公司と協業 |
2014年1月 | さまざまなプランを包括したSIM製品を提供開始(Time to Harvest製品) |
2014年2月 | 米国CNI社が99.9%稼働率保証のMultinetデュアル・ネットワーク・サービスを発表
ドコモに当社のHLR及びHSSの接続を申し入れ |
2014年3月 | ノートPCにさせばインターネットにつながるUSBコネクター製品を提供開始 |
2014年4月 | 「イオンのスマートフォン」を提供開始。格安スマホの誕生 |
2014年5月 | クルーシステム株式会社設立(オペレーション業務会社) |
2014年6月 | CNJ社が日本のATM向け無線専用線で「PCI-DSS」認定を取得 |
2014年7月 | ヨドバシカメラがSIMフリー端末と当社の音声SIMをセットにした格安スマホを提供開始
ドコモに音声網の相互接続を申し入れ |
2014年8月 | Amazon.co.jp 向け格安スマホを提供開始
短期滞在の訪日客向け音声通話SIMを提供開始 |
2014年11月 | ホテルで短期滞在の訪日客向けSIM製品を提供開始 |
2014年12月 | ダイワボウ情報システム株式会社と提携。MVNO向けMSPプラットフォームを提供
1,980円で高速通信が使い放題のSIMを提供開始 日本全国どこにいても03番号(03-xxxx-xxxx)で通話ができる「03スマホ」の商用サービスを提供開始 VAIO株式会社と”モバイルネットワークを使ったコンピューティングの在り方を追求し新たな市場を創出する”協業 |
2015年3月 | リモート・インストール・セッティング機能を搭載したスマートフォンを提供開始、VAIO社との協業で |
2015年6月 | 東京証券取引所市場第一部へ市場変更
1GBづつ使った分だけの5段階定額で無駄がない「おかわりSIM」を提供開始 創業者三田聖二が代表取締役会長に、福田尚久が代表取締社長に就任 |
2015年7月 | 米国CNI社が米ベライゾン・ワイヤレスと教育分野で提携
企業での固定電話・携帯電話の利用を融合し、社員の生産性をあげるVAIO® Phoneエンタープライズソリューションを実現 |
2015年8月 | ソフトバンクにレイヤー2による相互接続を申し入れ |
2015年9月 | 米国Arxceo社がもつ特許技術を使用した世界初、モバイルデバイス向け不正検知システム「モバイルIDS」を提供開始
ソフトバンクにHLR/HSS接続を申し入れ |
2015年10月 | 米国CNI社がカナダにてATM向け無線専用線を提供開始 |
2015年12月 | ドコモ網とソフトバンク網を使用し、無線の信頼性を高めた「2SIMルータ」発表
ドコモに日本通信株式会社のHLR/HSSを利用した音声網の相互接続を申し入れ |
2016年1月 | 総務省によるMVNO規制緩和を受け、日本通信の役割をMSEnablerとして再定義する新事業戦略を発表 |
2016年2月 | 固定電話をモバイルにするサービスを発表
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世界中どこでもインターネットに接続する未来を考える日本通信株式会社
いかがだったでしょうか。日本通信は個人端末を所有するのが当たり前になった世界で、世界中どこへいっても気軽に同じインターネットに接続できることを目指しています。SIMのサービスや、月額980円プランなど、ユーザにとっても非常にありがたいサービスをたくさん提供してきました。そんな日本通信を訪れてみてはいかがでしょうか。