アステラス製薬株式会社の概要と沿革

まず、アステラス製薬の基本情報は以下の通りです。

【アステラス製薬の概要】

社名アステラス製薬株式会社(Astellas Pharma Inc.)
本社所在地東京都中央区日本橋本町2-5-1
設立年月日1939年(昭和14年)3月20日
代表取締役社長CEO畑中 好彦
株式公開東証一部上場(証券コード:4503)
資本金103,001百万円 (2016年3月31日現在)
事業内容医薬品の製造・販売および輸出入
アステラス製薬HP:会社概要より引用


アステラス製薬は東京都中央区に本社を置いている主に医薬品の製造、販売を行なっている会社です。医薬品の輸出入も行なっており、世界的に見ても大手の医薬品メーカーです。当然の事ながら東証一部へ上場している企業であり、現在は国内医薬品売上において武田薬品工業に次ぐ2位を誇っています。アステラス製薬の歴史はまだ浅く、2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業が企業合併し誕生しました。その両社の歴史は1900年代初期にまで遡るので前身を含めると大変歴史の長い会社となります。

それではアステラス製薬の歴史を沿革で見ていきましょう。

【アステラス製薬の沿革】

2005年5月キャンディン系注射用抗真菌剤「マイカミン」を米国で発売
2006年4月低ナトリウム血症治療剤「バプリゾール」を米国で発売
ゼファーマ株式会社を第一三共株式会社に譲渡
2006年6月過活動膀胱治療剤「ベシケア」を日本で発売過活動膀胱治療剤「ベシケア」の写真
2007年6月免疫抑制剤「アドバグラフ」を欧州で発売
2007年11月米バイオベンチャーのアジェンシス,Inc買収
2008年10月つくば研究センター新棟完成
2009年4月骨粗鬆症治療剤「ボノテオ」を日本で発売
2009年6月高血圧症治療剤「ミコンビ」を日本で発売
2009年11月抗生物質「ヴィバティブ」を米国で発売
2010年1月成人気管支喘息治療薬「シムビコート」を日本で発売
2010年6月米国医薬品会社 OSIファーマシューティカルズ社買収
2010年10月高血圧症治療剤「ミカムロ」を日本で発売
2011年9月過活動膀胱治療剤「ベタニス」を日本で発売過活動膀胱治療剤「ベタニス」の写真
2012年6月感染症治療剤「ディフィクリア」を欧州で発売
高リン血症治療剤「キックリン」を日本で発売
2012年7月レストレスレッグス症候群治療剤「レグナイト」を日本で発売
2012年9月前立腺がん治療剤/経口アンドロゲン受容体阻害剤「XTANDI」を米国で発売経口アンドロゲン受容体阻害剤「XTANDI」の写真
2012年10月前立腺がん治療剤「ゴナックス」日本で発売
過活動膀胱治療剤「ミラベトリック」を米国で発売
2013年1月高カリウム血症改善剤「アーガメイト」を日本で発売
2013年2月過活動膀胱治療剤「ベットミガ」を欧州で発売
2013年3月成人関節リウマチ治療剤「シムジア」を日本で発売
2013年4月本社移転
2013年6月機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」を日本で発売
2013年8月免疫抑制剤タクロリムス徐放性製剤ASTAGRAF XL(アスタグラフXL) 米国で発売
2013年9月β1遮断剤「ビソノテープ」を日本で発売
2014年4月2型糖尿病治療薬/選択的SGLT2阻害剤 「スーグラ」を日本で発売
2014年5月前立腺がん治療剤 「イクスタンジ」を日本で発売
アステラス製薬HP:会社沿革より引用


現在、山之内製薬と藤沢薬品工業との合併により、両社が元々得意としていた泌尿器領域の医薬分野と、免疫抑制剤の分野をメインに事業を展開しています。そしてそれらを元に、独自の営業体制と得意分野の医薬品の研究を今日も日々続けていっています。

アステラス製薬株式会社の経営理念

次に、アステラス製薬の経営理念をまとめていきます。

【経営理念】

アステラス製薬の経営理念は、「存在意義」「使命」「信条」の3つのパートから構成されています。この経営理念は、有用性と信頼性の高い医薬品で世界の人々の健康に貢献し、企業価値を持続的に向上させることを目指していくアステラス製薬の姿勢を表現しています。
アステラス製薬HP:経営理念より引用

【アステラスの存在意義】

先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する

生命科学の未知なる可能性を、誰よりも深く究めたい。
新しい挑戦を続け、最先端の医薬品を生み出したい。
高い品質を確かな情報と共に届け、揺るぎない信頼を築きたい。
世界の人々の健やかな生活に応えていくために。
世界で輝き続ける私たちであるために。
アステラス製薬HP:経営理念より引用

【アステラスの使命】

企業価値の持続的向上

アステラスは、企業価値の持続的向上を使命とします。
アステラスは、企業価値向上のため、お客様、株主、社員、環境・社会など、すべてのステークホルダーから選ばれ、信頼されることを目指します。
アステラス製薬HP:経営理念より引用

【アステラスの信条】

アステラスの「信条」は、私たちが常に大事にする行動規範です。
アステラスは、これらの信条に共鳴し実践する人々の集団であり続けます。

高い倫理観
常に、高い倫理観をもって、経営活動に取り組みます。

顧客志向
常に、お客様のニーズを把握し、お客様の満足に向かって行動します。

創造性発揮
常に、現状を是とせず、未来志向で自己革新に挑戦し、新しい価値を創造します。

競争の視点
常に、視野広く外に目を向け、より優れた価値を、より早く生み出し続けます。
アステラス製薬HP:経営理念より引用

アステラス製薬株式会社の事業活動

最後にアステラス製薬の事業活動は以下の通りです。新薬から現製品まで、研究から生産、販売に至るまで徹底した管理の元、非常に効率のいい体制を整えています。それぞれが責任を持った仕事することにより現在のアステラス製薬の活躍へと繋がっているんですね。

【研究】

研究ネットワーク(Research Network)

創薬研究力の向上とスピードアップ。
患者さんのもとに一日でも早く新薬をお届けするために、アステラス製薬は重点研究領域を設定、そこに資源を集中し創薬研究に取り組んでいます。また、従来から強みのあった低分子合成技術を中心とした創薬研究に加えて、抗体医薬の技術基盤強化を進めています。こうした取り組みの一環として2007年12月には米国のバイオベンチャーであるアジェンシス社を買収しました。
さらに2008年9月にはつくば研究センター(御幸が丘)に新研究棟が完成。国内最高水準の創薬研究施設を誇る同研究センターを中核として、日米欧3極のグローバルな研究ネットワークを構築し、創薬研究の一層のスピードアップと高質化を図っています。

探索研究(Exploratory Research)

こたえは、挑み続ける者だけに用意されている。

3万分の1の可能性を求めて
探索研究は創薬の出発点。それは病気のメカニズムの解明からはじまります。アステラス製薬では、独自の遺伝子機能解析体制で疾患の原因となる標的分子を明らかにし、疾患と標的分子の関係を反映する評価方法を構築して、その病気に効果を示す可能性のある働きを調整する化合物質の探索を精力的に進めています。研究者が思い描くとおりの化合物を創製する高度な「合成技術」と、人間の身体が元々持っている、異物を認識・排除し生体を防御する「免疫システム」の担い手、抗体をクスリにする「抗体医薬技術」によって、新薬創出の強化を図っています。ただし、これらの化合物が実際の「くすり」になる可能性は3万分の1 !
そんな中で私たちがチャレンジを続けるのは、新薬を待ち望む多くの患者さんの思いに一日も早く応えたいからです。多種多様な化合物を一度に合成できるコンビナトリアルケミストリーや、スクリーニングのステップをコンピュータ制御で自動化したハイスループット・スクリーニングの採用など、様々な最新テクノロジーと、研究者たちの独創的な発想を武器に、アステラス製薬は、アンメットメディカルニーズへのベストアンサーを追求し続けています。

最適化研究・開発研究(Optimization Research & Development Research)
化合物を磨き抜け。

最適なくすりを創造するために
見つけ出した化合物を、効力、吸収、分布、代謝、排泄、毒性などの様々な観点から評価し、医薬品として最適な化合物に磨き上げるのが最適化研究の目的。このプロセスでは、標的タンパク質の立体構造をもとにコンピュータで分子設計を行うSBDDを活用したり、幾度もの検討、合成、評価の作業を繰り返すことで、医薬品としてのポテンシャルがより高い化合物をつくりあげていきます。
また、アステラス製薬では、くすりづくりの早い段階から化合物の代謝や安全性の評価・予測を行っています。
開発研究では、医薬品となる候補を人に投与する前に、薬理学的な挙動、代謝、安全性の最終確認を行います。

【開発】

開発(Development)

効果と安全性の最適バランスへ。

目指すのは、なによりも有効で安全なくすり
創薬研究で創出された新薬の候補化合物をさらに詳細に調べ、有効性や安全性を確認します。目指すのは、なによりも有効で安全なくすり。新薬として販売するための承認を得るために、候補化合物についてGLPやGCなどの厳しく定められた基準に則った試験を実施し、その結果に基づいて評価していきます。
具体的には、まず非臨床試験で可能な限りの有効性、安全性の予測を行ない、最終的に人での有効性、安全性を確認する臨床試験に入ります。
臨床試験は大きくフェーズⅠ~Ⅲの3段階に分かれます。フェーズⅠでは健康な人における安全性を確認し、次のフェーズⅡで少数の患者さんにおける有効性・安全性の確認と用法・用量を決定。フェーズⅢでは、より多くの患者さんで有効性・安全性の確認を行います。
アステラス製薬では、必要とされるくすりを一日も早く医療現場へお届けするために、日米欧の開発部門が協力してそれぞれの地域で実施した試験データを共有し承認申請を行う、グローバルな開発体制を確立しています。

【生産・技術】

生産・技術(Manufacturing & Technology)

その上のクオリティを求めて。

使い続けられるくすり、であるために
研究・開発を経て承認されたくすりを、スムーズに工場生産につなぐのが生産・技術の役割。アステラス製薬は、開発された新薬の品質を維持するために、グローバル品質基準を満たす独自のGMP基準を設定。製造施設、設備、工程はもちろん、原料の調達から保管、従業員トレーニング、さらに配送といったロジスティクスまでトータルな品質管理を徹底するとともに、ファクトリーオートメーションによる無人化や最先端の生産管理システムによる効率化で、コストと品質を両立する生産体制を確立しています。
私たちの誇りは、必要な場所へ必要な時に常にアステラス品質のくすりをお届けできること。原薬(主成分)の生産を日本とアイルランドで行い、日本、欧州、米国、中国で製剤を行うグローバルな生産体制を確立しています。 安心して、使い続けていただけるくすりづくりへ。
私たちの挑戦に終わりはありません。

そんな中で私たちがチャレンジを続けるのは、新薬を待ち望む多くの患者さんの思いに一日も早く応えたいからです。多種多様な化合物を一度に合成できるコンビナトリアルケミストリーや、スクリーニングのステップをコンピュータ制御で自動化したハイスループット・スクリーニングの採用など、様々な最新テクノロジーと、研究者たちの独創的な発想を武器に、アステラス製薬は、アンメットメディカルニーズへのベストアンサーを追求し続けています。

【MR活動】

MR活動(Medical Representatives)

医療と創薬の最先端をつなぐもの。

常に信頼される医薬情報の担い手として
MRに求められるのは、医療現場でくすりを適正にお使いいただくための情報提供と情報収集。自社製品はもちろん、医薬品全般についての広汎な専門知識や疾患に対する最新の知見を通して、くすりのより有効な使用方法や副作用情報などを医療の最前線に提供しています。また、医療現場のニーズを研究開発部門にフィードバックすることも重要なミッション。MRから寄せられた情報をもとに、新薬開発の参考とし、より安全で有効な使用方法の検討や、使いやすい剤形などの新しい可能性を検討します。
アステラス製薬のMRが目指すのは、医療チームのニーズにきめ細かく応えながら、患者さんの治療へ貢献すること。
医療現場への訪問を重ねながら、医療関係者とアステラス製薬を確かな信頼の絆でつないでいます。さらに、MRだけではなく、製品に関する情報を受付けるメディカルインフォメーションセンターを開設し、様々な問い合わせに対応しています。
アステラス製薬HP:事業活動より引用

日本のみならず世界中に薬を届けているのが、アステラス製薬株式会社!

わたし達の生活には必要不可欠な医薬品の分野において、アステラス製薬は今日も研究を続けています。安心して使える安全な医薬品の提供に徹底した管理と責任を持って仕事をしている事からも日本屈指の医薬品メーカーとしての企業努力も伺えますね。これからもアステラス製薬には世界に向けて、そしてわたし達にとって安心して使える医薬品メーカーとして更なる発展に期待していきたいですね!