株式会社ヴィス
代表取締役 中村 勇人

中村 勇人/大手ディスプレー・商業空間デザイン会社を経て1998年起業。立地開発からWeb製作まで一貫したワンストップソリューションデザイン事業を展開、2004年からオンリーワンビジネスモデルの「デザイナーズオフィス事業」をスタートしオフィス業界にアウトサイダーとしてオフィス空間デザイン・ファニチャー提案・ロゴデザイン・DTP・HPコンテンツデザインのコンサルティングをトータルに企業ブランディングを行いクライアント様の成長に貢献しています。

本ページ内の情報は2016年12月当時のものです。

グリーンや木材をふんだんに取り入れた温もりのあるワークスペースや、視覚的な効果で近未来感を演出するエントランス…。株式会社ヴィスは、クライアントである企業のそれぞれの想いを汲み取り、形にする。ヴィスの手掛けるのは空間デザインだけではない。Webサイトやロゴ、パンフレットや名刺などをトータルでコーディネートし、VI(ビジュアル・アイデンティティ)の構築により企業価値を高めることを可能にする。『360°デザイン』をベースとした一貫性のあるブランディングが、ヴィスの生み出した『デザイナーズオフィス』だ。
ヴィスは自社の存在理由として“はたらく人々を幸せに。”を掲げる。“環境が人を変える。人が会社を変える。”という『デザイナーズオフィス』の視点を自ら体現してきた代表取締役、中村勇人氏が語るこれからのビジョン、そして働くことの意味とは。

『デザイナーズオフィス』事業 誕生秘話

起業のきっかけは何でしょうか?

中村 勇人:
社長との面談時に、自分の目指すものが何かわからなくなってきている事に気がつきました。36歳の時です。その後、自分の可能性を求め起業しました。お世話になった方々に送った挨拶ハガキがご縁ともなり、ご紹介をたくさん頂いてスタートを切る事が出来ました。

個人店などの内装デザインを手掛けることから始めましたが、事業計画はまだまだ未完成でした。ただ、一年に一つ新しいことをしようと決め、宅地建物取引士資格をとるなどしていました。そんな時に出会ったのが、大阪府平野にある町工場です。

かなり年季の入った建物で、「お手伝いできることがないかもしれない」という想いを胸に中に入ったのですが、先方の社長の熱い想いにとても感動してしまいまして、気がついたら「是非、やりましょう!」と手をとっていました。もちろん工場を一新したら、社長含め社員のみなさん全員喜んでいただいて。その会社のWebサイトや会社案内も頼まれて作りました。その時に、オフィス自体だけでなく、Webサイトやロゴなど会社に関わる全てのデザインを一社で引き受ける、『デザイナーズオフィス』事業を閃きました。

同時に、自分のスキルでこんなにも人を喜ばせることが出来るのだと知りました。この出会いをきっかけに、単なる物づくりではなく、そこで働く人々を幸せにし、成長させるエネルギーとなるような仕事をしたいと思い始めたのです。

それからは人を増やし、空間とグラフィック、Webのデザインを一貫してできる会社を目指しました。半年後ほどすると手ごたえを感じ始め、東京に事務所を出しました。商業デザインをやっていた我々は、ゼロから全てを作ることができる。メーカーの規格で作られたオフィスではなく、お客様の要望を全てカスタマイズしたオフィス作りができる。必ず喜んでもらえるという自信がありました。

“人として何が正しいか常に意識し行動の基本とする。” から始まる、22条のクレド

中村 勇人:
東京では新卒採用を始め、その時に組織の価値観を高めるためにメンバーたちと1年かけて当社の行動規範「クレド」を作りました。クレドには、企業理念をどうやって体現するかを具体的に示しています。この会社の礎ですね。

株式会社ヴィスのオフィス内の様子。

人を育てることに関して、新卒と中途採用で違いはございますか?

中村 勇人:
特に差はありません。教えるのではなく、この会社で育てる。クレドはヴィスが人を育てる仕組みとも言えます。

新入メンバーは毎日僕とミーティングします。キャリア採用メンバーでも頻繁に会う。話すときは座って、しっかり伝わるように目線を合わせて話します。当社は言わばプロの集まり。きちんと教育し、プロに育てることがお客様の為になるので、教育には特に力を入れています。『デザイナーズオフィス』事業は形のないものをゼロから作り出す仕事なので、創造できる楽しさの分覚えることも多く、1人前になるのに僕の目で見ても7~8年かかりますね。

採用のポイントについてお教え頂けますでしょうか?

中村 勇人:
クレドへの共感ですね。高い営業力があるかなどではなく人間力があるかということ。人としてあるべき姿が美しく、熱意と向上心がある人と一緒に働きたいと思っています。ヴィスの一員として、自分が何を出来るかを考えて行動できるメンバーを重視しています。

当社の新入社員の採用はほぼ成功していると思っています。その背景には「全社員採用」という考えがあるからです。就活イベントや面接においても、全社員が少しでも関わることで、全員で新しいメンバーを探し歓迎しようとし、それが良い相乗効果をもたらしていると思っています。もちろん僕も毎年40回ほどイベントに参加し、自分の言葉で想いを伝えています。

継続によって実現させる、2020年のビジョン

継続することの重要性を語る中村社長。

活躍できる人に共通していることはございますか?

中村 勇人:
活躍できる人に共通するのは、“地道に継続できる人”だということです。

当社の新入社員はとても根気があります。それはやはり、僕が継続の大切さを自分の経験から伝えているから。農家のように、コツコツと耕し水を撒いてじっくり育てることが大切だと言っています。当社では、年間約1万件ものテレアポを行います。決して楽な事ではありませんが、毎日コツコツできるか否かが重要なのです。僕はメンバーを強い子に育てたいと思っています。技術スキルも必要なので育てるには時間がかかりますが、新卒採用も10年目となり全体割合が40%を超えてきました。僕のマインドが入った中間層が増えてきたこともあり、安心して教育を任せられます。

直近で成し遂げたいビジョンについてお教えください。

中村 勇人:
当社は2010年に『ネクスト10』という10年後を見据えた行動計画を立てました。現在はその後半戦に入り、当時は40人だった社員も今は140人弱。目標は300人です。人を増やすこと自体が目的ではありませんが、規模の拡大をわかりやすく表しました。

一番やりたいのは、自分たちの仕事をもっと世の中の人に知ってもらうこと。『デザイナーズオフィス』事業の認知をさらに広めることが重要なので、それを、2020年に成し遂げたいですね。

編集後記

置かれた環境により人は変わるということを、自ら経験してきた中村社長。新入社員には毎日ミーティングを行うほどの教育への熱意に、子どもを育てるような深い愛情を感じた。町工場での出会いから生まれた、全てのオフィスデザインをワンストップで提供できる『デザイナーズオフィス』。その担い手は、2020年に向けて着々と育まれている。