株式会社ライドオンエクスプレスホールディングス(旧株式会社ライドオン・エクスプレス) 宅配寿司No.1『銀のさら』など500店舗以上を展開 株式会社ライドオンエクスプレスホールディングス(旧株式会社ライドオン・エクスプレス) 代表取締役社長 江見 朗 

Vol.1 歴史

インタビュー内容

歴史

【江見】

23歳の時にアメリカに行ったのです。行った理由は海外を見てみたいとか、将来のことを考えてみたいと思って、同級生はみんな進学して就職しましたが、自分はまだやりたいことがはっきり決まっていなかったので、結果30歳まで7年半くらいロサンゼルスにいました。永住するつもりでいたのですが、長男という事もあって帰ってきました。30歳からの就職というのもあって、自分でビジネスをしたという気持ちがアメリカにいた時にはあったんです。とはいえ資金がなかったので、何がしたいのか、何をするべきかということは、はっきりとはしていませんでした。でも、お寿司屋さんになるということで永住権を取得した経緯もあり、飲食業をやろうと、で日本に帰ってきたのですが、浦島太郎状態で何もわからないから、語学学校の外人の先生がたくさん集まるバーに毎晩行っていました。落ち着くというかね、英語で話している方が楽というか、そのバーで知り合った今の副社長が、その時はただの飲み友達だったのですが、「一緒になんかやりませんか」というので、サンドイッチを販売し始めたんです。地球上で一番店舗数が多いのが今はサブウェイですね。当時僕がアメリカにいた頃にどんどん増えていたんです。消費者としていつも食べていました。サブウェイ以外にもサンドイッチストアはたくさんあって、そのような状況を見て自分も店を持つなら、当時寿司職人だったのですが、それでは自分がいなければ成立しないと、店が一軒しか持てない。だからシステム化できる広がり感のある仕事というのは必須だろうと。職人さんの世界には職人のいいところがあるのだろうけれど、自分としては広がり感のあるビジネスというか、夢が持てる楽しいなと思えるのはそちらだったんです。サンドイッチ屋さんを16軒くらいまで増やしたんです。みな様のご協力もあって、でもそこから成長する絵が描けなくて、ではデリバリーをやろうと、デリバリーの前にお客様がいらっしゃらないから、台車に乗せて販売に行っていたわけなんです。お昼と夕方の間などに、それがすごく売れるわけなんですよ。同じ商品でも販売方法を変えることで、まったく違う売れ方をすると。また、地方のコンビニに置いて頂いたり、商品の性格を変えていろいろ試行錯誤してみると、また違うことが勉強できました。ただ、お昼しかサンドイッチって食べないので、お昼は単価も低いですよね夜よりも、マーケットもなかったので、もっと既存のマーケットがあるもの商材を高単価でシステム化しやすい、そしてオペレーションがシンプルでという事になると、自分立ちの優位性が発揮できるものを考えると、お寿司があったなと。宅配寿司はもうあるらしいと、私たち以外に100軒くらい、チェーン店は5つくらいありました。ただ十分な商品力がないのではないかと、ビジネスモデルとして完成度が低い、売るのが大変な上に収益が出にくいという構造だったんです。どうしてこんな風になっているのだろうかと、でもマーケットは大きい、日本人が一番食べるのはお寿司ですから、需給バランスからいっても供給するシステムが追い付いていない。それなのにマーケットが大きくならない、その理由として美味しくないことと、ビジネスモデルがうまくできていないという事に気付いたんです。だからそこのところを、美味しいものをしっかりした仕組みでやれば、うまくいく、また大きなマーケットだから社会的にも意味がある。そういうふうに考えたのです。

価値感

【江見】

高い志もなんにもなかったのです。ただ、強いて言えば、アメリカに行った時から何となく自分の中で考えていたのは、1回しか人生はないので、なんとなく学校に行ってなんとなく就職して、という道は避けたいなと、自分の納得のいくことをやった方が良いんじゃないかという気持ちはありました。もう1点言うと、自分のやりたいことをやるという意味においては、どこかに就職してやるという道もあるが、自分ではじめれば自分の意志でできるので、企業するということがなんとなくやりたかった。という事なんでしょうね。今思うと。

【江見】

ビジネスとして仕事をしているのですけど、ともすると仕事が人生の目的になってしまう人が多い。でも人生の目的な幸せになることですよね。幸せになるという事が目的で、仕事はあくまで手段、ステータスが上がったり、給料が上がったりすることが、幸せだというのではなくて、事実というかね、本当は自分で知っているんだけれども、忘れちゃっていて、数字がでたらそれで幸せだと、思ったら意外とハッピーではないとかね、いうことがあってはいけない。では幸せはどういうことかと、それは成長することだろうと、それは私が「この方がいいよね」といっていることではなくて、みんなそういうもんじゃないかということに気付くというか、だからポジティブに考えようとか、ネガティブはやめた方が良いよというレベルではなくて、どうみてもポジティブしかないじゃないかと、ああ、そういうことかと、そうすると、やっぱり違ってくるのです、それが大事なんです。組織風土を作るうえでポジティブで行こうという表現をすることもありますけど、いちばん僕らが理念として持っていることは「ビジネスを通じ相手の幸せを自らの喜びと感ずる境地を目指す」という表現であったり、あるいは「感謝の気持ちに基づき衆智を集め、すべてを容認し、自他ともに正しく導く」というのが企業理念です。具体性がないとなかなか実用性もかないませんから、だから今のような表現になっています。それを常に考える時あるいは行動する時に企業理念のフィルタにかけると、そうするとやりやすいですよね。人間ていろんなことを考えていろんな人の話を聞いて常にさまよう部分があるから、だから常に企業理念に照らし合わせて行動していれば、成長=幸せで、何事もポジティブに考えることが、正しい生き方だろうということに一番かなってくる。でも、それだけじゃいけませんよ、仕事だから、数字が上がってこないと。だから数字も上がってくると。よく言われますよね、「いやそういうふうにはしたいけど、それは理想であって、そういうことは言ってられないんだ」と。という人もいます。あるいは、そうはうまくいかないとかね。だから、そういう議論をしていても平行線じゃないですか。だから、それは数字で業績で検証しましょうと。ネガティブにやっている人が数字が上がるのか?とにかくポジティブしかないと気付いて、それで常に前向きに楽しくわくわくして、幸せになっていくんだという気持ちで、知恵を絞って過ごしていく方がいいのだという事を、売上で店舗数で、シェアで比較検討した方がフェアじゃないですか。あるいはそういうことをしてゆけばわかりやすいし、仲間が増えますよね。生き方や人間観、企業理念は数字をだすための合理性と比例したものなのか、反比例したものなのか、と考えることが大事ですよ。我慢しなきゃいけないという風で数字を出してても良くないし、楽しいだけで数字が出ないのも良くない。一番良いのは楽しくて数字が出ること、良いかどうかは結果が大事なんです。

事業

【江見】

外食産業と我々が行うデリバリーというのはカテゴリー的に全く違うのです。外食というのはお客様が店舗に向かっていく、デリバリーの場合は我々がお客様に向かっていくわけなのです。だからまったく逆ですよね。まったく正反対。あるいは外食産業というのは2000年をピークにマーケットがどんどん縮小しています。でも我々のターゲットとしている中食の需要は、爆発的に増えています。ライフスタイルが変わり、ITの進化など環境の変化によって非常にいろいろな初期条件が変わっている。その結果中食という言葉も生まれて、デリバリーのニーズも増えてきているわけですから、外食とは違うのです。そういう中で我々がやっているのはデリバリーを中心とした事業で、コアは今「銀のさら」という宅配寿司です。宅配寿司ははじめはとてもレベルが高くて、なかなか時間がかかりましたが、形に何とかなっているわけで、そういった難しさというのは、逆に参入の障壁にもなります。ライバルに対する優位性にもなります。そういったものをなんとかなったからといって歩みを止めるのではなくて、第二のブランド「釜寅」を立ち上げました。同じ場所、同じ人、同じバイクを使うことによって生産性があります。これは外食産業ではできません。ですから、共有できるインフラは共有するというところで、ハードルの高い部分を逆に優位に持っていけるので、複合化戦略というのが今の柱の一つですね。具体的には「銀のさら」「釜寅」そして「カレーキャリー」というカレーブランドや「あげ膳」というとんかつのブランド、この4ブランドを複合化して、それでメリットを活かして、そこを拠点として、高齢者の配食事業をいうのを進めています。高齢者配食にはすでに大手もいらっしゃるが、我々は全国に拠点がすでにあります、それに機動力も持っているわけです。しかも、鮮度管理の厳しい生魚を扱うことができる。寿司もお刺身も提供できる。ただ、塩分控えめとかカロリー制限というお弁当のラインだけではなくて、我々が目指しているのは、高齢者こそ素晴らしい食生活をしていただくべきじゃないのか、我々だったらそれが可能なのではないかと。マルチブランドの高齢者配食ですね。お寿司がきて、お弁当がきて、とんかつがきて、カレーがきて、それをニーズに合わせたスケジューリングでしっかりと時間通りに高いホスピタリティでお客様にお届けできれば、病院食のようなイメージの高齢者配食ではないんですよと、これからは、良い商品を良いサービスでバラエティ豊かにお届けして喜んでいただく、それは非常に大きなビジネスチャンスだと思っています。宅配寿司の会社というよりは、マルチブランド化して強みを生かしてオリジナルブランドを複合化させた強みを発揮したいと思っています。我々が高齢者になっても食に関しては心配ないですよと、言えるようなそういうブランドができたらいいと思います。

【江見】

外食産業のデリバリー参入についてはすごく良いことだと思います。生活スタイルが変わっていますからライフスタイルが変わるという事は、マーケットの構造がガラッと変わってるわけですから、社会に対してニーズに対して応えることをやっているわけですから、食い合う部分があったとしても、デリバリーというものがこれからの時代の大きなマーケットになると、そういう時代になったんだと、消費者が思えば、マーケットは大きくなります。マーケット自体が大きくなるから、必ずしもライバルがいることがマイナスにはならないわけです。そういう意味ではIT革命もそうですが、はじまったばかりだと、マーケットの展開性がないとオーダーの頻度も減ってしまうので、みんなで工夫して一緒にやっていければ良いと思います。

キャリア

【江見】

人間は環境によって変わりますから、良い仲間がいて心地よい空間があって、そしてちゃんとした方向性、正しい方向性というものは大事です。人がやっているのですから、言われてやるのではなくて、自発性を煥発するためにも環境であったり教育であったり、企業理念を浸透させる努力というのは、売上があって利益があるとしたら、配分の仕方がただ内部留保して資本金を増やすのではなく、テクニカル的な経験も大事ですが、それ以上にコストの配分に重点を置いています。だから、福利厚生など優先順位で言えば、利益を出すことも大事だけれども、株主に対する責任もあるけれど、利益を最大化するためにも人を大事にする。人あってのものだから、教育であったり、環境であったり、それは非常に考える限りのことをやっています。やはり質と量が必要です。情熱であったり行動であったり思考する質と量が大切だと、結果を出すためのモチベーション、それは究極には自発性だと、やってくれじゃなくて、やめてくれと言われても、やらせてくれと、これが理想ですよね。また、そうするためには楽しくないといけないと、あるいは自分が得していなくてはいけない、得というのは幸せになること、そこにいることによって叶えられる、あるいは生産性の高い納得ができる場所でなくてはいけない。だから、我慢しろとか、根性だとか言っているだけではダメなのです。一つひとつを見ればそんなに難しいことをやっているわけではないのですから、全部が簡単なことの集積なので、しっかりと納得すること、必ず1+1は2なんだから、2+2は4、4+4は8になる。確実に100%なるという信念があれば、みんな安心して仕事できるでしょ、だから事業の設計をしっかりしてそのミクロとマクロを設計して、そこに信念をもってどうすれば自分の希望する目標が達成できるのかとかね。それぞれが目線が違うから目線をあわせながら、コミュニケーションして、みんなの力が出るように同じベクトルに向くという意味で、また、それは楽しいことでもありますし。役割はばらばらでも自発的に自分のできることを行って、成長させていこうということはみんなが望んでいることだから、会社も望んでいるとそれが結果につながる、という風なことが大事だと思います。

【江見】

人間は変わるものです。今できなくてもうちにきてできるようになればいいと、たった一回の人生ですから、大切にしなくてはいけない。そして真摯に向き合っている人、誠実にね。言い方を変えれば企業理念に共感してくれる人という事になると思うんですけれど、ただ、うちの企業理念はうちの専売特許ではないのです。人は幸せになりたいはずだというのは、人類共通の気持ちですから、それを自己流に表現しているだけであって、人としての成長意欲のある方、あるいは人として本当に幸せになりたいなという思いがある方であれば、仲間になってもらえたらいいなと思います。

プライベート

【江見】

最近は海外に出店することがあるだろうという事で、シンガポールに行ったり、役員の人たちと旅行する機会も増えましたけど、それもまた楽しいですよね。どこが仕事でどこがプライベートかというと、境界線があまり無いようなところがあります。

【江見】

起業して3年目くらいから読書をはじめました。店舗を広げていく夢を持っていましたから、松下幸之助さんであったり、ソニーの盛田さん井深さんであったり、立派な経営で結果を出された素晴らしい方はたくさんいらっしゃいますよね、でも本という形になると、まるですべてが正しいかのように思ってしまう、でも必ず共通する部分がある、それは何かといういうことが大事であって、今あげたようなスタンダードなものはまず目を通すべきだと思っています。あとは実践の中で確信に高めていくことが重要ですね。

【江見】

人は幸せだから感謝をするのではなく、感謝するから幸せになれる。金持ちだからとか、恵まれているから幸せ、結果が出ているから幸せだと思いがちだけど、ありがたいなと、「今日売れたからありがたいな」だけでなくて、「売れなかったけど成長でききたからありがたいな」とかね。結局突き詰めて言えば、今日朝起きれたからありがたいなとかね、寝ている間も心臓が動いているからありがたいなとか、そういう感謝の気持ちが持てた時に人は正しい方向に向かうのですから、幸せということが一番のキーワード、そういう言葉が好きですね。あとはやはり、怒らないこと、「怒らない、恐れない、悲しまない、正直、親切、愉快」中村天風さんという方の言葉です。ま、特に怒らないということ、例外なしで怒るという事を否定していく、ということが究極にはすべてだと思っています。悩みだとかあるいは社会の問題だとか、自分がうまくいかない、人間関係だとか、それは怒っているからです。一般の人はそれは無理じゃないかと思わる人が多いと思うんです。それはなぜかというと「怒ることを我慢することが大変だ」という考えに基づいているからだと思うんです。僕が言いたいのはそんなことではないのです。我慢するくらいなら怒ってしまえばいいわけで、我慢はよくないですから、でも人間の我慢はどういう時にしなくちゃならないかというと、損をしたくないから我慢できないわけです。怒ることが本当に損なのか?ということをロジカル的に考えればすぐにわかるのです。怒ることは損以外の何物でもない。怒ることは損をすることだと理解していたら、怒ることは損なんだから怒らない方いい、怒りの感情が起こったときににそれを取るか取らないか、損なものは取らない方が得ですよね。でもどこかで「怒ることが得する」と思っているから、パブロフの犬じゃないけど、条件反射的に怒るわけなんです。そういうトリックに引っかかっているだけだよと、そのことに気付くだけで人生は大きく変わると、そういうことが言いたい。仕事というのは精密なものですから、知的で強烈なパワーでみんな頑張っているプロの世界ですよね。そういう現場でわーって怒って計算正確にできますか?ねえできない、理論性が崩れてしまう。そしたら仕事で負けてしまいますよね。合理性がアップするならハッピーだけど、逆なんだからよりアンハッピーだよね。子供がね、ワーと怒ってやっているぶんにはいいですよ。子供なんだから間違った経験も必要です。でも仕事はそういうフェーズじゃないでしょう。社会人になったら子供の時に学んだ事を生かすフェーズに入っている。そのことに気付けば、さまざまな問題や解決できないことがぱっと消えていく、それってすごい得ですよね。人が得をしている姿はハッピーだから、社員にもそれを伝えていきたいと思っています。


経営者プロフィール

氏名 江見 朗
役職 代表取締役社長
生年月日 1960年9月10日

会社概要

社名 株式会社ライドオンエクスプレスホールディングス(旧株式会社ライドオン・エクスプレス)
本社所在地 東京都港区三田3-5-27 住友不動産三田ツインビル西館17階
設立 2001
業種分類 サービス業
代表者名 江見 朗
従業員数 3816 名
WEBサイト http://www.rideonexpresshd.co.jp/
事業概要 宅配事業における拠点ブランドとして宅配寿司「銀のさら」、複合化ブランドとして宅配御膳「釜寅」/宅配寿司「すし上等!」、提携レストランの宅配代行ブランドとして「ファインダイン」の展開
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