株式会社 久原本家グループ本社 ~『茅乃舎だし』をはじめ『キャベツのうまたれ』など、独自のブランド戦略で全国に~

Vol.2 企業理念

株式会社 久原本家グループ本社 代表取締役 河邉 哲司 (2014年3月取材)

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-企業理念-

【河邉】

私どもが最も大事にしている言葉に「モノ言わぬモノに、モノ言わすモノづくり」というものがあります。例えば明太子。決しておしゃべりしませんよね。でも、食べておいしいと思ったら、それを他人に伝えたくなるじゃないですか。「あんた知ってる?」と。「あんた『椒房庵』の明太子って知ってる?」みたいに。やっぱり、宣伝に頼って売り上げを伸ばそうとするのではなく、本当においしいもの、手間隙かけたおいしいものをつくる。そうやってつくったものに、モノを言わせようと。そういう会社でありたいということを、一番の理念として挙げております。

また、われわれにとって一番大事な物差しというのは、永続することです。永続が何よりも優先されます。決してお金ではない。では、お金は要らないのかというと、そんなことはありません。当然、永続のためにお金は必要ですが、何かあった時、一番重要ではないということです。

例えば、いろいろな偽装事件。偽装が発覚すると、賞味期限が切れてしまってはもったいないから変えたとか、これを捨てたら会社に莫大な損害を与えるから改ざんしたとか言い訳をする。でも、そこに永続という物差しを当てはめれば、どうすればいいか、簡単に答えが出るわけです。でも、残念ながら、ほとんどの会社では、永続ではなくお金がスタート。だから「逆送り」なんですね。私はそれだけは絶対まかりならない、とにかく常に永続なんだ、迷うことがあったら常に永続ということを物差しに判断しなさいということを基本にしています。「モノ言わぬモノに、モノ言わすモノづくり」ということに粛々と挑戦しながら、より良いものをつくっていく。それがひいては永続につながるという信念で、頑張っております。

永続が何よりも大事な物差しだと言いましたが、具体的に従業員がどういうことをしていくかが重要です。一つは、いかに手間隙をかけた本物をつくるかということ。もう一つは地方旗です。例えば、博多という旗を立てると、大手さんがなかなかこれませんので、この二つがものづくりとしてはあるんです。一方、接客職や本社の管理本部などは「ものづくりに携われないが、どうすればいいのか」という話になるので、こちらには「いかにしてお客さんに喜んでいただくか、いかにお客さんに感動を与えるかを考えよう」と話しています。手間隙をかけた商品をつくる、その結果おいしかったと思って買いに来ていただける。そうやって永続に向かうのです。接客チームも同様で、レストランなどでは「あなたに会いたいから食べに来た」というケースも多いですよね。物販も同じです。「あなたに会いたいから買いに来た」だったら、まさしく永続の理念にかなう。ということで、ものづくりと接客。この両輪でわれわれはいかに永続するかということを考え、日々努力しているわけです。

私どもは永続が一番大事だという信念の下、元々の『久原醤油』からタレの『くばら』ブランドまで。そして25年前にスタートした博多で最後発の明太子『椒房庵』の二つを展開しています。ありがたいことに、両方とも成長しているわけですが、でもやはり二つでいいのかという思いはあります。われわれの121年の歴史を見た時に、戦前は今でいう中国や韓国で醤油の需要が拡大しました。ところが、終戦で激しい反動があった。たかだか120年の歴史の中で、そういうことがありました。こういうことは二度とあってはならない。そこで、ではわれわれはこれからどうするかと考えた時、『くばら』『椒房庵』だけでは、やはりいろいろ問題点がある。それで3本目の、毛利元就の「三本の矢」ですね。これを考えた時に、やはりもう一つないといけないということで、『茅乃屋』という無添加のブランドをつくりました。こうして、現在は『くばら』『椒房庵』『茅乃屋』の3本柱ができましたが、現代は移り変わりがすごく速いわけです。しかも、この2本目の柱である明太子は、北海道産の卵しか使わない上級品なのですが、自然のものなので、いつどうなるか、いつ枯渇するか分からない。そこで、明太子は特別な高級品と位置づけて、柱はまだ2本しかないと思っています。そして、新しい3本目の柱を作らなければいけないと思いながら、今は事業を組み立てています。そうやって3本の矢をきちんとつくることで、永続を実現させようというのがわれわれの考えです。

われわれ、元々は醤油屋です。そして、現在は『茅乃屋』ブランドの中で、だしが注目を浴びています。この醤油とだしというのは、まさしく日本食のど真ん中じゃないですか、二つとも。このど真ん中を持っている会社としては、日本食が世界に広がっていく今の状況を考えた時、当然海外にも進出しないといけないと思っています。そこで、ここ数年はニューヨークやハワイなどに、少しずつ流通させているのですが、まだ現実的に直営店はありません。卸として流すのであれば簡単なのですが、われわれは直営店を出したいんです。ただ、単純に直営店に日本の調味料を置いて売れるかと言われると売れるわけがないんですよ。なので、日本の料理や、その周りのしつらえなどの日本の食文化、そういったことも一緒に提案をしていって。ただ調味料を広めるのではなく、日本の食文化自体を世界に広めていきたいと考えています。

社長プロフィール

President's profile
氏名 河邉 哲司
役職 代表取締役

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