株式会社 久原本家グループ本社 ~『茅乃舎だし』をはじめ『キャベツのうまたれ』など、独自のブランド戦略で全国に~

Vol.3 商品について

株式会社 久原本家グループ本社 代表取締役 河邉 哲司 (2014年3月取材)

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-商品について-

【河邉】

現在ある3ブランドそれぞれに、例えば『くばら』だったら野菜に力を入れています。『やきとり屋さんのキャベツのうまたれ』からスタートしましたので、特に青果コーナーで販売する「野菜をおいしく食べる」ドレッシングやたれなどです。『椒房庵』はそういうことでは新製品は多くありませんが、もう一つは『茅乃屋』ですね。『茅乃屋』では『茅乃屋だし』を中心にいろいろな無添加の調味群を、数多くのアイテムをそろえて展開しています。ただ、今後もいろいろな面白い、こういうものがあったらいいと思える商品を続々と開発していますので、それらをどんどん投入しようと思っていますし、通信販売もあります。通信販売については、通信販売ならではの商品も、今後開発していきたいと思っています。

我々は大手と違いますから、例えば『くばら』の商品に『鍋つゆ』というのがあります。これはよせ鍋などではなくて、『キャベツのうま鍋』など、野菜コーナーに特化したものです。最初は「なんかなあ」と言われていましたが、こういうものに特化しながら、他社と違うネーミングで、なおかつ値段も他社よりちょっと高め、その代わりおいしいものというコンセプトです。『茅乃屋』も同様で、やはりちょっと高い価格設定にしています。われわれは手間隙をかけておいしいものをつくろうとしているわけですから、たくさん出回っている大衆的な商品より当然高くなる。その代わり絶対おいしいよというようなことを目指しながら、今商品開発しているところです。

大手のようなコスト重視の大量生産という方法では、われわれは生き残れません。ですから、徹底的に手間隙をかけて、大手だったら絶対こんな面倒くさいことはしないということをやりながら、品質勝負で売っていくという戦略ですね。地方の小企業が生き残るには、もうこの方法しかないと思っています。逆に、大手はそういうことをしたくないはずですから、そこに徹底的に特化するのです。当然、現場は嫌がります。やはり大変ですから。しかし、そのひと手間、ふた手間をかけることによって、絶対的に差別化された商品が生まれると確信しています。

これも先ほど言いましたように、手間隙かかるぶんだけ上質になるということで、やっぱりちょっと高めになる。これもある程度は仕方ないので、それでも上質なものを求めていきます。大手企業の商品と比べて少し金額が上の商品という形が『くばら』の大きな戦略と思っています。

例えばこの『やきとり屋さんのキャベツのうまだれ』です。博多の焼き鳥屋さんに行くと、まずざく切りのキャベツが出てきて、それを食べながら、そしてビールを飲みながら焼き鳥を待つという食文化があるのですが、これを商品化して売りました。当初、私は売れると思っていなかったのですが、発売したらびっくりするぐらいヒットしたのです。なぜこれだけ売れたのかを考えたのですが、結局潜在的なニーズがあったのですね。「焼き鳥屋さんのあのタレ、おいしいよね。でもスーパーには売っていないし、家でつくろうとしてもできないし」というニーズです。そこにこの商品がポーンと入った。そしてボーンと爆発的に売れた。

なおかつ、その当時、これは地調味料の代表的な存在として、マスコミにも取り上げられました。「ありそうでなかったもの」そういう意味で、ヒット商品というものは、実際はものすごく難しいものではなくて、実はこのような商品は全国に転がっているのかもしれません。 ですから、われわれもそれを見つけて、商品化しようとしていますが、二匹目のドジョウはなかなか難しいです。逆に、この商品はそれだけヒットしたということではないかと思います。

年商6300万円、月の売り上げ500万円の醤油屋だった時に、私は自分で醤油をつくってそれを軽トラックに載せ、前掛けをして運転しながら一軒一軒配達していました。それも決まったお宅に持っていくわけです。知り合いや近所の奥様も、なかなか買ってくれない。マイ醤油があるんですね。ところが、ある人に声をかけたところ、「あんたが家を継いだのなら、1本取ってやろう」と言っていただいたことがあります。この感激、うれしさというのが、とにかく忘れられません。それが骨身にしみているのでしょう。今では毎日、大きなトラックでタレを食品工場に納品して、何千万円という売り上げがあります。でも売り上げだけじゃないと思っているんです。100円の商品でも、何千万円の商品でも、買っていただいたお客さまは一緒なのです。本当にうれしいこと、ありがたいことで、それが私のバネになっているのです。

今はこの心をどうやって従業員に伝えるかということを、日々考えて実践しているところです。

社長プロフィール

President's profile
氏名 河邉 哲司
役職 代表取締役

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