株式会社イー・ロジット 物流会社の常識を塗り替えろ。創業者の飽くなき挑戦の真意 株式会社イー・ロジット 取締役会長(創業者) 角井 亮一  (2023年7月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
EC専門の物流コンサルティングや運営代行業務を中心に、幅広いサービスを提供する、株式会社イー・ロジット。

2000年に産声を上げた同社は、EC黎明期の当時からいち早く、ECに特化した物流サービスを手掛け、受注処理から在庫管理、出荷までのサポートをワンストップで提供している。

2021年3月に東証JASDAQ市場(現:東証スタンダード)へと上場を果たし、近年では、自動倉庫システムを提供する東大発物流ロボティクスベンチャーとの資本提携契約の締結を発表。

現場へAI・ロボティクス技術の導入を推進し、新たな物流会社の常識をつくるべく、挑戦を続けている。

業界に新風を巻き起こす創業者の軌跡と思い描く未来像とは。

【ナレーター】
自社の強みについて、角井(かくい)は次のように語る。

【角井】
私は、当社のビジネスを「ピープルビジネス」だと考えています。

従業員それぞれが高いモチベーションをもって仕事をすることで、業界内ではやや高めの金額設定ながら、よりよいサービスを提供できるように専念しています。それを実現するためにはお客様とよい関係をつくることが大切です。

たとえば、お客様が、その会社の商品を当社の従業員に「ちょっと使ってみてよ」と渡してくださるような関係性ができあがってくると、当社の従業員のモチベーションはさらに上がります。その結果、より良い仕事ができるようになっていく、という理想的な循環が生まれます。

我々のビジネスはそこがポイントだと思っています。

【ナレーター】
角井の原点は学生時代にある。経営者である父のもとで育った角井は一人息子で、当時から自身が家業を継ぐものだと意識していたという。

力をつけるため、大学在学中に渡米しMBAを取得。帰国後に大手コンサルティング企業に就職した。その理由について次のように語る。

【角井】
基本的に、小売りや飲食といったサービス業に関わる仕事がしたいと考えていました。

家業でもあった物流業には川上の物流から川下の物流までいろいろありますが、川上の物流、たとえばメーカーの物流には興味がなかったんです。そうした事情から、川下のほうの販売業や飲食業の物流に携わることができる大手コンサルティング会社に入社しました。

【ナレーター】
その後、家業を継ぐために実家に戻った角井は、不動産事業を行う部署に配属される。飲食店の出店候補地について売上の見込みを立てる、物流会社の拠点を従業員ごと買い取る、といった独自の取り組みが高く評価され、さまざまな企業から反響を受けるようになったという。その中のある企業からの一言が、後のイー・ロジットの設立につながったと角井は振り返る。

【角井】
ある総合商社の方から「イーコマースの物流をやらないか?」というお誘いの言葉をいただき「大変かもしれないけど思い切ってやってみよう」と、その仕事を始めました。

この時に「家業のような旧態依然とした物流会社ではこの仕事をすることは難しい」「新しい会社をイチからつくった方がよいだろう」「採用もイチから始めた方がよいのでないか」と考え、当社を創業しました。

【ナレーター】
そして2000年2月、株式会社イー・ロジットを設立し代表取締役に就任。創業当時はカタログを配達するメール便事業を行なっていたが、2007年の郵政民営化の影響により、この事業からの撤退を余儀なくされる。

しかし、角井はすでに二の矢の事業に勝機を見出していた。

【角井】
当時、メール便事業とともに行っていたネット通販の物流事業に対する手応えが徐々に出始め、「これは潮目が変わってきたな」と感じたため、メール便事業からは撤退し、ネット通販の物流に特化することに決めました。

この決断の背景にあったのは、船井総合研究所の創業者、船井幸雄さんが仰っていた「時流に乗りなさい」という言葉です。

船井さんは「下りエスカレーターに乗るな、上りエスカレーターに乗りなさい」「そうすれば1回ぐらい失敗しても、ずっと事業は伸びるんですよ」ともお話しされています。

その後の当社の成長は、まさに時流に乗れたことが大きかったと思います。その結果、以降は、売上が1.3~1.7倍の勢いでずっと伸びていきました。

【ナレーター】
角井の決断が功を奏し、その後も順調に成長を続け、2021年12月には東証JASDAQへの上場を果たし、業界内の地位を確立させたイー・ロジット。

逆境に負けず、さまざまな挑戦をしてきた角井が、それらを成功させるために意識していることとは。

【角井】
それぞれの従業員が持っている特性を活かすことが大事だと考えています。そのため、当社では基本的に1つの仕事を全て担当者に任せるようにしています。

もし私が担当者の立場なら、そうでないと仕事は面白くないと思いますので、いわば、"丸投げ”のようなことを好んでするようにしています。

そうすることで、その仕事を全て自分でできるようになり、従業員の特性を活かせるようになりますし、そういった環境づくりはとても大切だと思っています。

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経営者プロフィール

氏名 角井 亮一
役職 取締役会長(創業者)
生年月日 1968年10月25日
出身地 大阪府
座右の銘 やればできる。ただし、性根からやること
愛読書 アマゾンの最強の働き方──Working Backwards コリン・ブライアー, ビル・カー他
尊敬する人物 稲盛和夫氏
著書 すごい物流戦略 PHP、物流がわかる 日経、物流革命2023 日経、など38冊
略歴
1994年 4月 株式会社船井総合研究所へ入社
1998年 3月 光輝物流株式会社へ入社
2000年 2月 当社、株式会社イー・ロジットを設立、代表取締役社長
2005年 9月 日本物流学会理事
2022年 5月 当社 代表取締役社長CEO
2023年 10月 当社 取締役会長

会社概要

社名 株式会社イー・ロジット
本社所在地 東京都千代田区外神田3丁目11番11号
設立 2000
業種分類 運輸業
代表者名 角井 亮一
WEBサイト https://ec-bpo.e-logit.com/
事業概要 Eコマース領域におけるBPOサービス及びコンサルティングサービス・人材育成サービスを提供
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