株式会社神戸屋 『神戸屋レストラン』『神戸屋キッチン』の運営など、 フードビジネスを多角的に展開する老舗企業 株式会社神戸屋 代表取締役社長 桐山 晋  (2023年11月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
さらなる成長を実現するため、オンラインでの販売や、パンのサブスクリプションサービスなど、新たな切り口での事業を開始した神戸屋。この取り組みの背景には、製パン業界ならではの課題を解決したいという思いがあった。

【桐山】
新たな切り口での事業をキッカケにして、この製パン業界をバージョンアップしていかなければいけないと私は考えております。

いま製パン業界は、可視化されていない課題をたくさん抱えています。

わかりやすいところで言うと、利益率の低さ、材料費の高騰、人件費の高騰により、コストが他の食品に比べて多分10%ぐらい高くなっています。

そういった課題をひとつずつつぶしていく努力をしていかなければいけないと考えています。我々のような中堅企業でもやれることはたくさんあるはずです。

まずはいま業界が抱えている課題を我々から変えていきたいと考えております。

また、食品ロスも製パン業界の抱えている大きな課題のひとつです。

パンは一回焼いてしまうと、劣化が進んでしまうもの。日持ちしない商品のため、食品ロスは製パン業界が解決しなければならない重要な課題なんですよね。

食品ロス問題を解決に導ける技術というのが、冷凍の技術だと思っております。

そこで当社では冷凍の技術に注力していくと意思決定し、事業ポートフォリオを変えていくことを決断しました。

そのような背景も、今後神戸屋が目指すべきビジョンと繋がっていると考えています。

【ナレーター】
挑戦を成功させるために、桐山が意識している3つの要素とは。

【桐山】
まず1つ目は、挑戦することに革新性があるか。2つ目は、経済合理性が見込めるか。3つ目は、社会的に意義があるか。

自信を持って、この3つの要素が「ある」と言えることに対しては、積極的に挑戦していこうと考えております。

特に革新性や社会性については、そこを起点に様々な事業展開を考えていくことがとても重要だと思っています。

挑戦を成功させるために重要なこれらの要素については、新規事業を担当する社員に常に話しています。

【ナレーター】
人材育成について、風土や環境づくりを会社主導で行うことが重要だと桐山は語る。

【桐山】
良い風土づくり、および環境づくりは会社側が徹底して行わなければならないもの。これまでに引き続き、今後さらに意識を高めていかなければならないと考えています。

たとえば、日本代表に選ばれた技術者と他の社員との交流の機会として講習会を開催するなど、体系的に学べるような仕組みを構築していきたいと思っています。

ただ、根本的に大事なのは、やはり「どうすればやる気を持ってもらえるか」という意識の部分だと思います。

そのように、社員が上を目指す意識を醸成できるように、会社が積極的に機会を設けていることを発信していきたいと考えています。

【ナレーター】
今後はパンを通じて日本の食生活の質を高めていきたいと語る桐山。その胸中に迫った。

【桐山】
一言でいうと、当社では今ある“食の当たり前”を、もっともっと変えていきたいと思っています。

神戸屋にとってパンというのがメインアイテムであることは変わりませんし、それが得意分野なのですけれども、さらに食生活や、パンを食べる人々の生活の質に目を向けると、パンを通した可能性はもっともっと広がっていくと思うのです。

具体的な目標を挙げると、ひとつはパンそのものの価値を高めていくという軸、もうひとつはパンを使って食事のシーンや時間の過ごし方をより良いものにしていくという軸。

パンがもつ機能を様々なシーンで活用していただけるような事業を展開したいと考えております。

【ナレーター】
求める人材像について、桐山は次のように語る。

【桐山】
当社は食品を扱っている会社なので、やはり食に対する探究心は常に持っていてほしいなと思います。

現状に対して「これはもっと良くできないか」とか、「埋もれてしまっている課題ってなんだろう」と常に考えられる人材が、神戸屋の求める人物像の大前提になると考えています。

言われたことをやるだけではなくて、自分の考えを外にも発信して周りを巻き込んでいくことができる人材。

そういった方は今後の神戸屋にとって、とても重要な人材になってくると思うので、そういう人たちと一緒に働いていきたいと思います。

ー大事にしている言葉ー
【桐山】
ビジネス書を多数出版しているサイモン・シネックという方の「START WITH WHY」という文言を大事にしております。

「START WITH WHY」とは、「なぜから考えよう」という意味。物事の本質を追求するべきだという意味合いが込められています。

物事を達成するためには、本来の目的を見失わないように、常に“なぜ(WHY)”を考えることがとても重要だと考えております。

そのため、「START WITH WHY」という言葉を、自分のポリシーとして常に忘れないように、心に刻んでいます。

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経営者プロフィール

氏名 桐山 晋
役職 代表取締役社長
生年月日 1986年3月16日
出身地 大阪府
座右の銘 START WITH WHY
略歴
2009年に京都産業大学外国語学部を卒業後、株式会社USENに入社。2012年株式会社神戸屋に入社し、管理部門や店舗・製造現場での勤務を経て2017年に米国のコーネル大学ホテル経営大学院に入学。2018年ホスピタリティ経営学修士号取得後に帰国し、2019年に管理本部経営企画部 部長を務める。2020年に執行役員 経営戦略室 室長に就任、2021年に代表取締役社長に就任(現任)。

会社概要

社名 株式会社神戸屋
本社所在地 大阪府豊中市新千里西町1丁目2番2号 住友商事千里ビル南館5階
設立 1918
業種分類 食料品、飲料製造業
代表者名 桐山 晋
WEBサイト https://www.kobeya.co.jp/
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