株式会社オンリー 『ザ・スーパースーツストア』が有名な紳士服大手企業 株式会社オンリー 取締役相談役 中西  浩一  (2014年6月取材)

Vol.1 創業秘話

インタビュー内容

創業秘話(起業のキッカケ、創業時のビジネス、創業時の新規開拓の苦難、創業後の初契約)

【中西】

僕なんかが商売をやった時は、ちょうど昭和の45年でしてね、やっぱりその時分というのは、日本も今のちょうど中国と一緒のようで、やっぱりなかなか生活がそんなに楽ではなかったので、時分の生まれ育った家も、そんなに裕福な家庭でもなかったので、特に両親がちょっと身体を悪くしたりする機会があったので、やっぱり早く、僕も一応長男だったので、早く親を楽にさせたいという。

中国で言えば、よく言われている沿岸部に来て貰った給料を全部地元に送るとか、そうじゃないですけど、僕らの場合は、そういう形で何とか家の生活に早く役に立って、一言で言えば、良い格好ではなく、親を楽させたいというのが、企業のきっかけと言うんですかね。だからあんまり裕福な家庭よりも、貧乏であることの方が良いんじゃないかというのは常日頃思っていることでして、そういう面で非常に感謝しているということで、両親がそういうことを分かって、わざと貧乏にやってくれたんじゃないかと思っています。

【中西】

もともと僕自身も高校を出まして入った道が、昔は洋服を、スーツと言うと、だいたいテーラーで作るというのが普通でしたので、うちの親父も自分で注文を聞いて、自分で洋服を作るという仕事を生業にしていたので、そういう面からすると、学校を出て洋服屋へ入ったのも、小さい時から見ている親父の仕事というのを見ているから、余計に早く一人前になるためには、この道が一番早いだろうと思って、洋服屋の道へ入りましたので、一番最初に創業したのも、当然洋服屋さんに5年間ほど修業兼、そうやってお勤めしましたので、その洋服の仕事ということで、一言で言うとテーラーとして当時は「紳士服中西」という名前で、商売をさせてもらったというのが当時の、創業時のビジネスということです。

【中西】

商売をやりまして、もちろん洋服店に勤めていたので、その当時かわいがってもらったお客さんもたくさんおられたのですが、自分で独立して、そのお客さんを持っていくということは、やっぱり勤めた会社に対して、泥をかけるようなことはしたくないという思いがありましたので、一から自分で開拓していかなければならないというところがありましたので、最初にそのテーラーの仕事で、記事を見せて、これを作っていただいたら、その当時でも、4万、5万していたので、それをなかなか作っていただけるお客さんを見つけるということは、並大抵のことではなかったので、まず親父がそういう形で自分で注文を受けてやっているお客さんも、数十名はおられたのでそういう人もいましたが、まず自分の友達だとか、自分の親戚だとか、そういう人からまず作ってもらって、そこから気に入ってもらったら、とりあえず「頼みますわ、お客さんを紹介してくださいな」ということで、枝を広げていったということで、やっぱりこの時の新しいお客さんを取るということの難しさと、その時に痛切に感じたのは、全くできていないものを、洋服のオーダーというのは、全く、生地にどんな洋服ができるかわからないですよね。

それはやっぱり何万も出して買っていただくというのは、一言で言ったら、その時から思ったのは、やっぱり営業というのは、本当に物を売るよりも人間を売るというか、自分をいかにどう売るか、自分の気持ちをどう表すかということは非常に重要であって、そこのところが非常に勉強にもなりましたし、もちろんその前にお勤めさせてもらった時から、自分で注文を取ってこいと言われて、スクーターを与えられて自分で回った経験もありましたので、だけどこんな看板があて、営業に回るのと違って、今度は自分の「紳士服中西」として、そんなどこの馬の骨かわからないような人間がやる時も、お客さんを獲得する時の苦難というよりも、色々教わることはたくさんありましたので、本当にいい経験をさせてもらったと思っています。

【中西】

今までの勤めている時とは違うお客さんで、ということで、1人僕の小学校時代の同級生が、京都の非常に古い料理屋さんの息子でして、その人とばったり会いまして、僕のことを「浩ちゃん」、僕は浩一というから浩ちゃんと言うのですが、「浩ちゃん、何してんの?」ということで、「こうこうで商売をやり出したんや」ということで、こういうテーラーだということで、彼が言ってくれたのは、「うちの親父がめちゃくちゃ服が好きで、お洒落やから親父をすぐ紹介するわ」と言われたんです。

それでもって、そこの料理屋の9代目の社長を紹介してもらって、僕の小学校の同級生は10代目なんですけどね、その方に初めて洋服を作っていただいて、その方とは色々な面で、もちろん最初にも作っていただきましたし、その他すごい数も作っていただいたし、その他いろいろなことを教えてもらったし、それからまた色々な人を紹介してもらったということで、その時の感激というのは、いつまで経っても忘れられないというか、自分も商売してから、変な話じゃないのですが、よく会社の人間にも言うのですが、初めて色々な方が営業に来られた時に、真剣にちゃんと話を聞いて、そこから新しい芽も出る場合もあるので、そういう面で言うと、その時にしたことがその人にとってみたら、一生影響を受けるようなこともあるので、そういう面で来られた方に、あんまり軽率な話をしたりとか、おおよその話をすることはけしからんというようなことをよく言うのですが、その時の嬉しさというのは人生最高の思い出です。


経営者プロフィール

氏名 中西  浩一
役職 取締役相談役
生年月日 1946年9月15日
座右の銘 知行合一
尊敬する人物 船井 幸雄 氏
略歴
紳士服渡辺 紳士服中西

会社概要

社名 株式会社オンリー
本社所在地 京都府京都市下京区松原通烏丸西入ル玉津島町303番地
設立 1976
業種分類 小売業
代表者名 中西  浩一
従業員数 連結236名 単体153名(2022年8月末時点)
WEBサイト http://www.only.co.jp/
事業概要 紳士服及び関連商品のS.P.A.(製造小売)として衣料品の企画、生産(外部委託)ならびに販売を主たる事業とする。主な取扱品目は、スーツ及びシャツ・ネクタイであり、スーツについてはプレタポルテ(既製服)に加えてオーダースーツの販売を行う。店舗は全国主要都市に展開。
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