株式会社イー・ロジット 物流会社の常識を塗り替えろ。創業者の飽くなき挑戦の真意 株式会社イー・ロジット 取締役会長（創業者） 角井 亮一　 (2023年7月取材)

【ナレーター】
仕事への考え方として大事にしているのは、顧客に対して「できない」と言わないことだと、角井は言い切る。

【角井】
お客様自身は何かお困りになったり、こうするとよくなるということをお考えになったりしたうえで当社にいらっしゃいます。

そうであれば、お客様から相談を受けて、もし初めに「これは厳しいな」と思ったとしても、「こうすればできるのではないでしょうか」というような提案をお返ししたいと思っています。

「“その先のお客様自身”に向かって、同じ目線で仕事をしようよ」という姿勢が大切だと思います。そこまで考えている企業はあまり多くありませんが、我々はやはり、その視点で仕事をしようと心がけています。

【ナレーター】
物流における最高のオペレーションをローコストで実現したいと語る角井。そのために注力する3つの要素とは。

【角井】
1つ目は、社会環境を踏まえると今後とても重要になっていく「SDGsの推進」です。

物流業界は大量のCO2を排出している業界でもあるため、我々はそれを意識して事業を行っていかなければいけません。

サステナビリティに対する意識が高い企業は、今後、指名される可能性がますます増えると考えているため、これには真剣に取り組む必要があります。

2つ目は、ピープルビジネスである我々の事業においては人材が重要であることは変わりませんが、今後起こりうる人手不足への対応に不可欠な「ロボティクスの活用」です。

機械と人間が協業することによって、よいものをつくり上げる。ロボティクスがあり、人がいて、従業員がいきいきと働いていくことによって、よりよいオペレーションを組むことができるはずです。

従業員に対する手厚い福利厚生をさらに充実させていくことに加えて、ロボティクスを活用した機械と人の共働によって、ローコストで最高のオペレーションを実現したいと考えています。

3つ目は、我々の事業のベースにある「お客様の売上を上げる物流をしよう」ということです。

顧客企業の売上を上げるため、物流そのものだけでなく、マーケティングやサイト構築などに関わるマーケティング戦略や、どのマーケットプレイスに出品するか、それぞれのマーケットプレイスの活用方法のコンサルティング等も含め、企業活動全体に対するトータルでのお手伝いが提供できるような企業を目指していきたいと考えています。

【ナレーター】
求める人材像について、角井は次のように語る。

【角井】
やはり、前向きな人がいいと考えています。同じ能力がある人でも、さまざまな局面に対して前向きに取り組めるかどうかで、その先の未来が変わるものです。

仮に失敗したとしても、それをプラスにして次の取り組みに落とし込めれば、再度同じようなことが起きても乗り越えることができるのではないでしょうか。

もし前向きでないと、次に似たような苦境が訪れたら、それに挑もうとせずに逃げてしまうことがありますので、やはり前向きであるということは重要です。

また当社自身が強固なものになるためには、単純明快・繰り返しの仕事をいかに生み出し、それを何度も繰り返せるような仕組みづくりが大切だと考えています。

この繰り返しの作業を次々とコピー＆ペーストのような形で展開していくことになりますが、それは簡単ではありません。

このプロセスをしっかりと統括できる方が、今の当社には必要です。

また、当社が既に取り組んでいる「ロボティックス」に十分な知見とノウハウがあり、それを当社においてどのように活用すればよいかということを、自分の興味本位だけでなく、総合的かつ客観的な視点で判断できる方も求めていますね。

―大事にしている言葉―

【角井】
「凡事一流（当たり前のことを人には真似できないほど一生懸命やる、当たり前のことを当たり前以上にやる）」という言葉です。

何事も中途半端にする人は三流であり、たとえば訪問先で靴を揃えるというような、所作ひとつにしてもきちんとしましょうということです。

それは仕事でも同じです。「報・連・相（報告・連絡・相談）」や「確認」といったことをきっちりとできることが仕事上での一流なのではないでしょうか。

「凡事徹底」という言葉もあるように徹底することは大切ですが、私自身は、何かを一流になるまで徹底して行って、初めて一流といえるのではないかと考えています。