【ナレーター】
現在、7つのブランドを展開するロック・フィールドは、2022年の創業50周年を機に、食の可能性を切り拓き、豊かな未来の共創を目指す『ビジョン2030』を発表。ビジョンに込めた思いと、見据える展望とは。
【古塚】
『ビジョン2030』の一番初めに掲げているのが、「多様な食文化を、次世代へ」ということです。
食べることというのは当然、人が生きる大きな力になりますし、食べる楽しみは豊かさへとつながっていきます。ここでいう「次世代」、つまり、これからを生きる若い世代の方々は、食べること自体はもちろん、食を通じた健康や美容に対して強い意識を持っているようです。そこで、惣菜が果たせる役割はとても大きいと、私は考えています。
ただし、「やっぱり惣菜って便利だね」だけで終わってしまうのではなく、「これは家庭ではつくれないよね。これだけの食材はなかなか集められないよね」といった、惣菜ならではの良さというものを若い世代の人たちにもしっかりとお伝えしていくことが必要です。
そのため、今後は適切な情報発信や惣菜の素晴らしさを体験できる場づくりなどに着手し、若い皆さんを含めた幅広い世代の方々に、惣菜の魅力を伝えていくという思いも、『ビジョン2030』に込めました。
我々の惣菜の原料を供給してくださっている産地には、まだ十分に知られていない“眠っている”食材、地域の伝統的な野菜があり、良い食材をとても丁寧につくっている所もたくさんあります。我々はそういった産地の皆さんともコミュニケーションをとって、つながりを築きながら、原料を購入し、商品として調理してお客様に提案させていただこうと思っています。
そして、お客様の声をしっかりと産地にフィードバックし、その結果、お互いがウィンウィン(Win-Win)の関係になれるような“持続可能な未来”をつくっていきたい。「サステナブルフードシステム」という言葉を『ビジョン2030』実現のための重要指針としたのはそのためです。
つまり、一次産業、我々、店舗、お客様、これらが「一気通貫」となり、循環が生まれるよう形での事業こそが、当社のこれからやるべきことではないか、ということです。
その結果として、産地の皆さんには、収入面を含めて元気になってほしいですし、従業員の皆さんには活躍していただきたい。しっかりとした環境対策は当然のことながら、2030年に向けた大きな方向性としてこれらに取り組んでいきたいと、着手し始めているところです。
【ナレーター】
古塚は人材への取り組みについて、「人材育成」ではなく、「人財活躍」という考え方を大事にしていると語る。
【古塚】
「仲間のチャレンジを奨励し」という言葉をビジョンの中にも入れている通り、年齢、社歴を問わず、いろいろな場で皆さんがチャレンジすることが、個人そして企業の成長につながると思っています。
その上で、上から目線の人材育成ではなくて、「人財活躍」ということを私は特に大事にしたいと考えてますね。
一人ひとりの活躍が最終的には大きな成長につながると思っていますので、その点をしっかりと意識して皆さんが活躍できるような場を設けるように、と社内では伝えるようにしています。
【ナレーター】
「人財活躍」の考えのもと、古塚が求める人材像とは。
【古塚】
自分の意思を持ち、自身の責任の中でどんどん行動していくことがとても大事です。積極的に行動をする中で、時に失敗もすると思いますが、自ら行動しなければ何も学ぶことはできません。その意味で、自発的に、元気に、思いを持って動ける人であることが非常に重要だと考えています。
ー大事にしている価値観ー
【古塚】
私は、 “人”という軸に価値を置いています。それはやはり、共に理解を深めながら他人と接して、時には助けてもらい、時には自ら助けることが、実は大きな力になると信じ続けているからです。
そして、進化すること、変えていくことと同時に、大事なのは次々と新しいものを生み出していくことです。それこそが、人が持っている「創造力」であると思っています。そのような価値観を、私はこれからも大切にしていきたいですね。