【ナレーター】
「RF1」「神戸コロッケ」「ベジテリア」など、惣菜の製造・販売を行うブランドを多数手掛ける「株式会社ロック・フィールド」。
全国の百貨店や駅ビルなどに約310店舗を展開し、近年では冷凍食品ブランド「RFFF(ルフフフ)」の立ち上げや、オンラインショップの開設のほか、海外進出にも注力しており、惣菜ビジネスの可能性を追求し続けている。
「食の可能性を切り拓き、豊かな未来を共創する。SUSTAINABLE FOOD COMPANY」をビジョンに掲げ、躍動する経営者の軌跡と、思い描く成長戦略に迫る。
【ナレーター】
自社の強みについて、古塚は「生産体制」「人財」「商品」の面から、次のように分析する。
【古塚】
当社の第一の強みは、自社で商品の設計・開発を行い、自ら原料を調達して製造し、自分たちの店舗で販売もするという「一気通貫の体制」です。
これによって、お客様の声や反応などがいち早く分かり、それらを次の商品に活かすことができます。また、季節ごとの“旬”をしっかりとお客様にお伝えし、新たな発見をしていただくことも可能になります。このようなスピード感が当社の強みです。
もう一つの強みは、それぞれの従業員が「会社をもっと良くしたい」と、心から思っているということです。当社では、従業員の皆さんがチャレンジできる場を数多く設けているため、仕事へのやりがいを十分に感じていただけていると思っています。その結果、最高の商品とサービスが提供でき、お客様の評価にもつながっているのではないでしょうか。
【ナレーター】
古塚の原点は、入社4年目にある。新卒で入社し、サラダの生産工場に配属。その後、生産ラインが新工場へ移管されることになり、古塚はその立ち上げメンバーに抜てきされる。当時の心境と、自ら工場をつくるという経験から得た学びとは。
【古塚】
「新しい工場に行ってほしい」との命を受けて、新たな生産工程を立ち上げることになりました。
現地スタッフの皆さんと一緒になって考え、事前に準備をする作業は、正直しんどい時もありましたが、面白い仕事でもありました。これらは計画通り、簡単に進んだわけではありません。何度もテストをし、失敗もして、ようやく製造にこぎつけ、なんとかいいものが完成して出荷できた時には心からの喜びを感じられたというのが、この時の印象です。
そして、次の第2期には、工場建設のプロジェクトリーダーを拝命することになりました。大きな額のお金を動かしながら、工場を一つ建てるというプロジェクトに一から取り組んだ初めての経験でした。失敗もありましたが、今振り返ると、プラスになったことがたくさんあったと思います。
「最高の商品をつくりたい」「日本にとどまらず、世界的な基準でも、最高の商品をつくれるファクトリー(工場)にしたい」ということは、当時から強く意識し続けています。このプロジェクトでは「やろう」と決めたことを実現するまで、時間はかかりました。しかし着実に前進させることができたと感じています。
人は、とかく何かを一足飛びにやりたいと考えがちですが、なかなか簡単にはいかないものです。そこはぐっと堪えながらも着実に進んでいかないといけません。その蓄積こそが大切なのではないでしょうか。
【ナレーター】
その後、静岡工場のマネージャーなどを経験し、2014年に代表取締役社長に就任。一度、専務取締役に退いた後、代表取締役副社長を経て、2018年に再度社長に就任した。これを機に古塚は、会社の経営資源とは何か、改めて考えたと振り返る。
【古塚】
「経営資源」には実に多種多様なものが含まれますが、その中心になるのはやはり “人”です。現場の様子を見て、話を聞いて、そこから本質をつかむことが大事だと思います。本質がきちんとつかめてないと、誤った判断やミスリードをしてしまう可能性があるため、現場の方々と直接対話し、接することが大きな経営資源となります。だからこそ、“人”という軸を絶えず意識しておかなければなりません。
「これ、本当に売れているの?」「どういう評価なの?」など、原料の生産者の皆さんや工場の皆さんはやはり気になるものです。当社が原料を買わせていただき、商品にして、お客様にお伝えする、このようなつながりが一方通行にならないように、質問いただいたことに我々がきちんとお答えするという姿勢が大事だと常に思い続けています。
【ナレーター】
経営者として奮闘する中で、以前から古塚が抱いていた夢の実現を、より強く意識するようになったという。
【古塚】
「世界一のサラダファクトリー」にしたいという思いが強くあります。
そのために、自然や地球の環境に配慮することは当然大切ですが、もう一つ大事なことが、働く環境の整備です。単に働きやすいだけでなく、やりがいを感じられる労働環境をつくり上げたいと考えています。
そして、もう一つ欠かせないのが商品です。最高の「鮮度感」と「クオリティー」を持った、世界で負けない商品づくりができるファクトリーというものも、目標・夢として、今後も変わらずに目指していきたいと思います。
これらはいずれも私一人では実現できません。従業員の皆さんと一体になって、同じ思いを共有した結果、達成できるものです。そして、これこそが個人の成長、そして会社の成長へとつながっていくため、私が大切にしたいと考えているポイントです。