顔写真を切り口としたシステムが企業の共感を呼び、導入企業1,000社(2018年5月時点)を突破したクラウド人材管理ツール『カオナビ』。

綿密なマーケティングのもと見込み客とコミュニケーションを取り、現場に赴く営業担当者につなげてシェアの拡大に貢献しているのが、株式会社カオナビのインサイドセールスグループだ。グループの立ち上げから参加し、現在もアクティブにインサイドセールスの成長を牽引するマネージャーの最上あす美氏に、『カオナビ』の魅力と仕事への向き合い方を伺った。

『カオナビ』のコンセプトに共感して入社を決意

-現在、インサイドセールスグループのマネージャーを担当されていますが、どのようなキャリアを経験されてきたのでしょうか。

最上 あす美:
バリバリと働く女性に憧れていたので新卒では営業職を選びました。しかし、働き始めると、本当に相手が必要としているものを売ることができているのだろうか?と自身の営業という仕事に対する姿勢に疑問を持ち、悩んだ末に営業職から離れることにしました。

その後、学生時代は教職を目指していて教育にも興味があったため、別の企業に人事として転職しました。この人事の経験がきっかけで、今後、自分が長く働き続けるためには、どこにでも通用する能力を身に着けるべきだと考えるようになりました。たとえば、自分のライフステージが変わって長い休みを取る期間があっても、自分には「これができる」という明確なスキルがあれば、復職時にも困らないと思ったからです。その後、仕事の幅を広げるために再び転職活動を始め、カオナビに出会えたことが、結果的にキャリアアップにつながっています。


-御社に入社する決め手は何でしょうか?

最上 あす美:
第一は、『カオナビ』のコンセプトに非常に共感できたことです。

前職では採用や人材の配置といった業務にも携わっていたため、『カオナビ』が解決しようとしている課題や悩みをリアルに感じることができました。「このサービスを世の中の会社に広めたい」と素直に思えたのです。入社後に、社外に出ての営業ではなく、社内にいた状態で営業を行うインサイドセールスという営業手法を初めて知ったのですが、『カオナビ』のお客様は人事担当者であることが多いので、人事の経験も営業の経験も生かせることも魅力的でした。

自身の成長につながった新規事業立ち上げへの参画

-ベンチャー企業に入社されたことによる変化はありましたか?

最上 あす美:
現在弊社の社員数は120人を超えていますが、当時はまだ20人程度でオフィスがとても静かでした。落ち着いた雰囲気は現在も変わりませんが、ベンチャーは和気あいあいと仕事をしているイメージだったので意外に感じたことを覚えています。

転職を機に大きく変わったことは、仕事に対する自分の意識です。前職までは決められたことを決められた通りにやることが仕事でしたが、インサイドセールスには立ち上げからかかわったので、自発的に考え、行動することが求められました。正解のない分野で試行錯誤を重ねながら行ったことが成果につながる体験が本当にうれしくて、自信になりました。

高いアポイント獲得率を実現したチャレンジを推進する社風

-御社はマーケティングオートメーションツールなどを活用し、高いアポイント獲得率を残されています。インサイドセールスという初めてのポジションで、なぜ現在のような仕組みを作りあげることができたのでしょうか。

最上 あす美:
初めてのことなので、実際には行き詰まることも頻繁にありました。しかし一緒に取り組んでいた副社長の佐藤をはじめ、弊社には失敗を咎める文化がないのです。ネガティブなことが起きても、なぜそうなったかを分析し、原因を解明して次につなげようと支援してくれました。そして「やってみなくてはわからない」と、チャレンジすることを応援してくれるので、失敗を恐れずに思い切って仕事をすることができたのだと思います。起きてしまったことを責めるのではなく、どうすればよいかを考えるという視点は、現在の私がマネージャーを務めるうえでも、とても意識しています。

仕組み化のキーワードは「シンプル」

-どのようなときにご自身の成長を実感されましたか?

最上 あす美:
当初は私1人だったインサイドセールスですが、現在は6名が在籍しています。新しいメンバーにも通用するように、これまで1人で感覚的に行ってきたプロセスを言語化し、インサイドセールスの働き方をアウトプットできたときに、新しいステージに立てたと思いました。

細部までゼロからつくりあげてきたので、まわりの方々から「インサイドセールスはとても仕組み化ができている」と言ってもらえたことは、とても励みになっています。自分のやってきたことが仕組みとして定着してたことがうれしかったです。


-自身と同等、あるいはそれ以上の成果を上げられるよう仕事内容を伝えようとしても、中々思うようにはいかないことが多いかと思います。なぜ、うまく仕組み化ができたのでしょうか?

最上 あす美:
常日頃から、できるだけシンプルに伝えることを意識しています。自分が伝えたいことを細かく話しても意外と伝わらず、逆にわかりにくくなってしまうものなので、できるだけ単純に伝え、まず動線をつなげます。行き詰まったら、何がわからなかったのか、なぜわからなかったのかのフィードバックをしっかりとして、軌道修正していくのです。まずは「シンプルに」がポイントです。

残業をしない=時間の使い方を考える

-御社は残業を極力しないことが方針のひとつだと伺っていますが、残業をしない、させないための制度などはあるのでしょうか?

最上 あす美:
弊社には±20時間制度といって、月に±20時間の幅で労働時間を自分でコントロールできる制度があるので、私も時間に余裕があるときは早退して家族と記念日を祝ったり趣味の時間を持ったりしています。普段でも終業後は全く仕事のことを考えませんし、メールも見ません。弊社では経営陣からしてそのようなスタンスです。そのかわり勤務時間中はとにかく仕事に没頭して、完全にメリハリをつけています。

ただ、このような制度や残業をよしとしない環境があるから仕事を早く切り上げられるのではなく、あくまでもどうすれば短い時間に成果を出せるかを自分で考え、行動している結果です。制度ありきではなく自分主体で時間の使い方を考え、効率的に動ける方にはとても理想的な職場になるのではないでしょうか。


-最後に、最上様の今後の展望をお聞かせください。

最上 あす美:
見込み客を育成しフィールドセールス担当者につなげるインサイドセールスを極めることが当面の目標です。一通りの型を作ることはできましたが、仕組み化や効率化には、まだまだできることがあるはずです。「カオナビのインサイドセールスはすごい」と誰からも言われる存在になりたいですね。

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編集後記

「カオナビに入社して、自信もスキルも身につけることができた」と話す最上氏からは、仕事が面白くてたまらないという生き生きとした様子を感じることができた。まさに輝くキャリアウーマンだが、常に最善の結果を目指して計画的に行動することを考えてきたからこそ得られた姿なのだろう。最大限に時間を活用する術を知る女性なら、今後どのようなライフステージの変化を迎えても、必要とされる存在であり続けるに違いない。

最上 あす美(もがみ・あすみ)/1988年生まれ、神奈川県出身。東海大学政治経済学部卒業後、飲食店の広告媒体を扱う営業、不動産業を主とする持株会社の人事を経て、2015年株式会社カオナビのアカウント本部インサイドセールスグループに配属。2017年12月から同マネージャーに就任する。座右の銘は「上手昔より上手ならず」。趣味はスノーボードやスキンダイビング、キャンプ、ゴルフ。

※本ページ内の情報は2018年7月時点のものです。