10分カット専門店『QBハウス』で理美容業界に革命を起こしたキュービーネットホールディングス株式会社。近年では女性向けカットサロン『FaSS』や介護施設・病院向けの『QBハウス訪問理美容』、また香港・シンガポール・台湾・米国(NY)への海外進出など、メンズカットにこだわらない事業展開を見せている。

そんなキュービーネットホールディングスでは本社にも既に多くの女性社員が活躍しているが、中でも輝きを放つ女性の一人が総務人事部の宮城志歩氏だ。

新卒入社して5年目、いまや採用・広報をメインにキュービーネットホールディングスで中心的な役割を担う。そんな宮城氏が語る、同社を選んだ理由とやりがい、そして今後の展望とは。採用時の人事担当だった平山貴之氏のお話とともに伺った。

入社の決め手は「経営戦略」

―新卒入社された2014年には、まだ『QBハウス』はメンズカットの印象が強かったと思いますが、入社を決められたきっかけはどのようなものでしたか?

宮城志歩:
メディアに関する学科にいたので当初はマスコミ関係に興味があり、インターンでは映画祭の運営に参加しました。

しかし、非日常を演出するイベントを体験してみると、自分はもっと生活に密着した仕事を就職先として選びたいと感じました。そんな時に大学の合同説明会に参加し、当社に出合って話を聞くと、とても緻密な経営戦略を立てていることがわかり、大変興味を持ちました。

当時の採用担当はここにいる平山ですが、学生というよりも一人の人間として、私の素朴な疑問にも真摯に答えてくれたことも印象深かったですね。理美容は未知の業界でしたが、人の髪を切る仕事はこれからも決してなくならないであろうこと、そして経営戦略に共感したことが入社を決めたきっかけです。

―当時の採用担当である平山様にお伺いさせていただきます。説明会での宮城様の印象はいかがでしたか?

平山貴之:
就職説明会での出来事は、お互い好印象だったのでよく覚えています。

合同説明会には友人と参加する学生も多い中、宮城は1人で動いていて、本当に興味がある企業だけに足を向けていることが伝わってきました。そういう人には、こちらも「なぜ当社に興味を持ったのか」と気になってしまうんですよね。

さらに経営戦略の話にもしっかりと耳を傾けてくれましたし、世の中の動向についても的確な答えを返してくれました。宮城は素朴な質問と申しましたが、その内容も店舗が閉鎖されたら従業員はどうなるのかというもので、そういった負の面からの視点は学生ではなかなか持てません。

総務人事、営業支援、設備管理など、どの部署でも活躍できる人材だと感じたので、彼女が他にどのブースに行くのか、ハラハラドキドキ、気になって仕方ありませんでした。

「会社の顔」となることのやりがい

―好印象を持ってご入社されてから、会社にギャップを感じられたことはありましたか?

宮城志歩:
特に大きなギャップはありませんでした。会社説明会での対応から、丁寧に人を育ててくれるのだろうと感じていましたし、自分が育つスピードも速いのだろうと想像していましたが、その通りになりました。

総務人事部の配属でしたが、広報の仕事や理美容学校へのあいさつ回りをする機会もあり、多岐にわたる経験ができました。新卒の本社採用にも1年目からかかわっており、会社の顔として1時間ほど会社説明を任されることもありました。

会社の第一印象が私になってしまうというプレッシャーを感じつつ、学生と近い立場で話ができるということを会社が強みに考えていることがわかりましたので、非常にやりがいがありましたね。


―多彩なご活躍をされているのですね。総務人事部では、北野社長ともよくお会いになるのでしょうか。

宮城志歩:
採用や広報のほか、社長のスケジュール管理など秘書的な役割もしているので、非常に距離は近いですね。私が1年目の時は席が社長席から1メートルほどの距離だったため、慣れない仕事に四苦八苦している様子もよく見ておられたと思います。

当時、年賀状の印刷を任されて夜遅くまで苦戦している私に、「年賀状は本当に大切な年始のあいさつだから、自分だけで抱え込まずに何かあれば頼ってほしい」と声をかけてくださいました。

直接口頭だけでなく、メールでも直々に声をかけてもらえていて、他社に就職した友人たちと比べても、新人の時からこのような体験ができるのはとても貴重なことなのだと思いました。

そして、社長も上司も、答えを自分で見つけるきっかけを与えるためにいろいろな経験をさせてくれていたのでしょう。私も後輩には気付きを与えることで成長させていければと感じています。

現場と同じ価値を生み出しているかを常に意識する

―『QBハウス』を始め、御社は全国に店舗を展開されています。それらの店舗をまとめる立場として、管理本部はどのような目線でお仕事をされているのでしょうか。

宮城志歩:
学生時代に飲食店でアルバイトをしていた経験がありますが、現場よりも本社が上という構図に当時から違和感がありました。そういったこともあり、当社は現場と本社が対等に、互いに協力し合っている会社だということが説明会でわかったことも、魅力に感じました。

実際、当社には現場で働いてくれているスタッフがいるから私たち本社にも仕事があるのだ、という雰囲気がありますね。現場では10分間でのお金をいただいてサービスをしている、では事務所にいる私たちの10分は同等の価値があるだろうか?との考えに共感している人たちが、とても多くいる環境だと思います。


―入社5年目となり、今後はどのような展望を持たれていますか?

宮城志歩:
私が今もっともやりがいを感じているのは、当社の魅力を誰かに伝えるという業務です。

当社には女性が活躍できる場が、現場にも本社にも多いことを知らない方がまだまだ多いので、積極的に当社の魅力をアピールしていきたいです。結婚や出産育児を経ても現場に復帰する女性像はずっと描いていますが、まだ当社にはそれほど多くないので、私がロールモデルになれればよいと思います。

現場のスタイリストにも同世代の女性が増えてきているので、女性が抱えがちな悩みを女性ならではの視点でヒアリングして、何かユニークな仕組みなどをつくり上げ、『QBハウス』は働きやすい職場と言われるようにしたいですね。

一番は『QBハウス』のファンになってもらうこと

―さまざまな人に御社の魅力を伝えるために、工夫されているのはどのようなことですか?

宮城志歩:
人がどこに魅力を感じるかはその人自身の感性からくるので、自分の話よりも相手の話を引き出すような努力をしています。相手が何を求めているのか、どのような情報が喜ばれるのかを、広報の業務内でも雑談の中でも日頃から注意して、相手が何に興味があるのかに気付くよう心がけていますね。

まだまだ模索中ではあるのですが、例えば仕事の連絡になるべく早くレスポンスすることで、信頼につながることもあるでしょう。そういった行為を積み重ねていければと思います。

私は今、新卒の採用もメインで任されているのですが、会社が求める人物像を見極めるだけでなく、お互いにとって本当に良い選択になるのかも重視しています。

とても優秀な方でも、他の業界のほうが輝くのではないかと思われる方には、そのようにお話して気付いてもらうこともあります。私との出会いによって「この会社に入りたい」と思ってもらえることもとてもうれしいことですが、私が一番に考えているのは当社の「ファン」になってもらうことです。

もし採用でご縁がなかったとしても、いずれ社会人となり、忙しくなって髪を切る時間がないときに『QBハウス』を思い出してもらえたらと思って、一人ひとりとの出会いを大切にしていますね。

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編集後記

入社時の採用担当平山氏からも、既に強力なリーダーシップを発揮していると太鼓判を押されている宮城氏。採用・人事・広報・秘書といった業務のほか、昨年からは全国店長会という会社のビッグイベントも任されたという。学生時代から持つ広い視野と、マルチに活躍できる場を提供してくれる社風が合わさったことで、宮城氏はこれからもキュービーネットホールディングスに新たな風を起こしていくことだろう。

宮城 志歩(みやぎ・しほ)/1992年生まれ。目白大学社会学部メディア表現学科卒業。2014年、キュービーネットホールディングス株式会社に新卒入社。管理本部総務人事部にて広報・社内報の作成、本社の新卒採用、社長秘書を1年目から担当する。座右の銘は「継続は力なり」。

※本ページ内の情報は2019年2月時点のものです。

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