類を見ないビジネスモデルで中小企業の可能性を紡ぐ ~次々と中小食品会社の再生・活性化を成功させる急成長企業~

類を見ないビジネスモデルで中小企業の可能性を紡ぐ


株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス 代表取締役CEO 吉村 元久

※本ページの情報は2017年4月時点のものです。

株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングスは、後継者不足や経営難の中小食品企業をM&Aによって子会社化し、そうした企業の再生・活性化を事業としている。同社の構築する「中小企業支援プラットフォーム」は、営業や商品開発、製造、管理などを子会社単位ではなく、グループ全体を横断的に機能別統括する仕組みとなっており、各子会社は自社の強みや弱みを他の子会社と相互補完することで、経営の成長・改善を図ることができる。

同社の代表取締役CEO、吉村元久氏は「世の中の人材や資金をリバランス(再調整)する」ことで、中小企業や投資家、働く人たちに新たな選択肢や可能性を提供することができると語る。かつてないビジネスモデルを展開する同社の強みや今後の展望について、吉村氏に話を伺った。

吉村 元久(よしむら もとひさ)/1988年一橋大学商学部を卒業後、大和証券株式会社に入社。94年ペンシルバニア大学ウォートン・スクールMBA取得。97年モルガン・スタンレー証券株式会社に入社。同社退職後、2008年3月、中小企業の支援・活性化を目的として株式会社エルパートナーズを設立し、代表取締役社長に就任。2009年8月、商号をヨシムラ・フード・ホールディングスへ変更し、同社代表取締役CEOに就任。

起業までの歩み

-吉村社長の経歴をお教え頂けますでしょうか?

吉村 元久:
僕は幼い頃から経営者になりたいと考えていました。母親に「小さくまとまるな」とよく言われていたことも影響しているのかもしれません。小学校時代の卒業文集では、ほかの子どもたちが将来の夢を「野球選手」や「バスの運転手」と書いていた中で、僕は「大実業家」と書いたくらいです。その気持ちは変わらず、大学進学後も漠然とではありますが、いつかは独立をしたいと考えていました。就職活動で証券会社を受けたのも、独立するにあたって証券会社での経験が役に立つと思ったからです。

そして入社後、アメリカのペンシルバニア大学へ行き、さまざまな国の人たちとプロジェクトを行いました。そこでは、日本人の常識がいつも通用するとは限りませんから、往々にして相手の行動に驚くことがありました。しかし、アメリカ人はそういった文化の違いを目の当たりにしても、すんなり受け入れてしまうんです。バックグラウンドの異なる人たちと触れ合う経験を経て、僕の中にあった“こうあるべき”だという先入観に気付き、それを捨てられたことは非常に有意義なことだったと思います。その後、モルガン・スタンレー証券に転職した後、起業をしました。

-起業をするにあたって、大変なことはありましたか?

吉村 元久:
起業をすれば、サラリーマンと違って不安定な立場になります。商談で一喜一憂したりもしますし、知らず知らずのうちに精神的な疲れが溜まっていたのは事実です。ですが、「明けない夜はない。やり続ければよくなる」という考えを持てたので、不安な時期を乗り越えることができました。起業の前に外資系の証券会社に転職して、企業風土がガラリと変わる状態に身を置いたことで、ストレスコントロールを学べたということがあるのかなと思います。

同業他社ゼロのビジネスモデル

-御社の強みについてお聞かせいただけますでしょうか?

吉村 元久:
当グループの最大の強みは、同業他社がいないということです。当然上場している企業のなかで、僕たちと同じ事業をしている会社は1社もありません。後継者不足などで廃業に追い込まれる中小企業はたくさんあります。そうした中で、「自分の会社を引き受けてほしい」と考えるすべての経営者の受け皿になれることは、圧倒的な強みだと言えます。

また、ほとんどの大企業では、買収を行う部署とは違う部署が、その後の経営管理などを引き継ぎます。しかし当グループでは契約後も担当は変わりません。数年後の売上や利益予測、キャッシュフローといった、経営改善のための重要な情報は、買収前から継続的に関わるからこそ、シャープに見えてくるようになるんです。そしてそこから導き出した改善策を、引き受けた会社の社員と共に実行するということも特色ですね。

会社も生き物で、そこで働いている社員も人間ですから、僕たちの意見をただ押し付けたところで、それがいくら正しいことだとしても受け入れてはもらえません。相手がこちらを向いてくれないと、経営改善を実行していくことは難しいんですよね。ですから、情報を共有し、一緒に変えていきます。時には、子会社の中にいる優秀な人材を引き上げて、グループ全体の統括的な事業に携わってもらうということもあります。

こういった事業の進め方は、なかなか難しいことなんです。大企業ですと、それが出来ずに失敗する例もあります。しかし、僕らはこの事業を10年近く続けていますし、成果を出しているという事実があります。こういったノウハウも、間違いなく弊社の強みですね。

コミュニケーション能力×自己修正能力

-事業を今後も続けていく上で、今、御社にとってどういった役職の人が必要でしょうか?また、そうした人材に求める能力とは何でしょうか?

吉村 元久:
今必要としている人材は、周りを牽引しながらプロジェクトを完遂してくれるような、チームリーダーやマネージャーですね。そういったマネージメント能力というのは、コミュニケーション能力に比例すると思います。相手の考えていることを吸い上げて、解決策を提供するためにも、円滑にコミュニケーションが図れるというのは大きいですね。

他には、自己修正能力も大切な要素だと思います。自分が信じた方向が時として間違っている場合もあります。そんなときに周囲の意見に耳を傾け、軌道修正することができる柔軟さが必要ですね。それは人に限らず、組織や経営にも同じことが言えると思います。成功し続けるためには、周囲の環境に適応していく柔軟さが必須です。

僕は、ビジネスマンとして成功するには、学歴やスキルは関係ないと思っています。仕事に必要なスキルに関しても、やる気があれば後からいくらでも学べます。学歴やスキルがいくら高くても、ビジネスマンとして上にいけるわけではありません。やはりベースにコミュニケーション能力があって、柔軟性を持っているかどうかにかかってくるんだと思います。

資金・人材のリバランス(再調整)による中小企業支援

-御社の中長期的な展望についてお聞かせいただけますか?

吉村 元久:
今後も積み重ねてきたノウハウを活かし、更に事業を拡大していきたいと考えています。中小企業の中には、ブランド力があるのに後継者が不足していたり、少しのテコ入れで経営が改善するのに倒産されたりというケースが多いと感じています。実際、2年前に引き受けた会社さんは、利益が出ていたにも関わらず、廃業をされるつもりでした。たまたま担当の税理士さんからのアドバイスで、会社を売却するという選択もあると知って、僕らと繋がることができたのです。もし廃業していたら、社員たちは職を失い、仕入れ取引先も損をします。その会社は今も利益を出していますし、業績も伸びています。もし廃業していたら、とても勿体なかったと思います。

そもそも中小企業は資本金が少ないために、経営基盤自体が脆弱になりやすいんですね。ですので僕らは、そうした中小企業に資金を流していきたいと考えています。資金難に苦しむ中小企業がある一方で、投資家の中には、地方企業への投資や、CSRの一環として社会貢献している会社に投資したいといったニーズがあります。そうした投資家たちは、上場した当グループの株を買うことで、中小企業に資金を提供し支援することができます。それまで繋がりにくかった中小企業と投資家の間に、弊社のパイプを通すことで、新たな資金の流れを作ることができるのです。

僕らが流すものは、資金だけではありません。“人”についても同じことが言えます。優秀な人材は大企業や一部の官僚へと流れやすいですが、彼らがそこで自分の能力を活かしきれるかというと、必ずしもそうではありません。一方、優秀な人材がいない状況で孤軍奮闘している中小企業のオーナーがいます。この状況は、やはり偏っていますよね。しかし、そういった人材はなかなか中小企業へは流れにくいのも現状です。そこで、僕らの会社がポテンシャルの高い人を雇って、彼らが中小企業の支援に回ることで、要は世の中の人材の偏りを減らし、リバランスすることに繋がるわけです。

大企業にばかり資源が流れるような偏りは、日本経済の無駄な部分と言えます。これは、今あるヒト・モノ・カネを全く変えなくても、「大企業×優秀な人材」という組み合わせを変えることで改善されるはずです。今後、弊社が事業を拡大していくことで、日本の企業数の大部分を占める中小企業に優秀な人材や資金が流れれば、GDP(国内総生産)さえも上がるのではないかと僕は考えていますね。

編集後記

ヨシムラ・フード・ホールディングスは、事業の中身はもちろんのこと、運営や戦略といった面でも通常の会社とは異なる点が多いのが特徴だ。固定観念にとらわれず、気付きにくかった市場のニーズをうまく拾い上げる同社の経営戦略は、吉村社長自身の先入観を取り除いた物の見方に通じる部分が多いと感じた。「今後勉強したいことは何か」という質問をした際には、「感性を磨きたい」という意外な答えが返ってきた。感性を磨くことで、多様な視点を持つことができ、新たな発想に繋がると社長は言う。誰も考えなかったビジネスモデルを構築した吉村社長が生み出す新たな発想とは、一体どんなものになるのだろうか。同社の今後に期待したい。

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