【ナレーター】
『白猫プロジェクト』『ドラゴンクエストウォーク』 など、数多くのヒットタイトルを出すエンターテインメント企業、株式会社コロプラ。
GPSを活用した位置情報ゲーム、通称「位置ゲー®」を世界で初めて手掛けた。その独自の技術とコンセプトを武器に、他社とは一線を画するタイトルの開発・提供を実現している。
近年では、XRやメタバースに加え、ブロックチェーンゲームなどWeb3領域にも参入。さらに未上場企業への投資やファンド運用も積極的に手掛けるなど、挑戦領域を広げている。
波乱万丈の経営者の軌跡と、思い描くエンターテインメントの未来とは。
【ナレーター】
自社の強みについて、宮本は次のように語る。
【宮本】
エンタメをヒットさせるためには、テクノロジーが絶対に必要となります。
例えば、「スマホを縦持ちして、かつ指1本でできるRPGゲームをつくろう」という思いからつくられた『白猫プロジェクト』も、テクノロジーを駆使してつくられたものです。
スマートフォンでゲームをやる時って、何かを待っている時とか、電車の中とかじゃないですか。そんな時にできるゲームをつくりたいと考えても、裏側の技術がないとできません。
ただ、もちろん技術を自慢するだけのゲームをつくっても誰もやりません。そこは間違えてはいけない。
実現したいエンタメがあって、それを実現するための支えになっている技術が、弊社の最大の魅力だと思っています。そのために、他社には負けない優秀なエンジニアや、3Dのアーティストといった人材がそろっているんです。
さらに、当社では彼らが一緒にゲームをつくっているメンバーでもあるので。チームを組むことで、1人の場合よりも優れたアウトプットを追求できます。確かな技術力があるということと、各職種の壁を越えてゲームをつくっていることが僕らの強みかと思います。
また、運営型のタイトルなので、ゲームをつくって出したからには、お客様になるべく長く遊んでもらいたいと思っているんです。
これは僕の考えなのですが、洋服を試着するみたいな感覚でダウンロードして遊んでみて、「楽しかったら」とか、「勝ちたいから」とか、そういった理由でお金を使ってもらうのが運営型のタイトルなんですね。
でも、せっかくゲームを買ってもらったのに「サービスが明日で終わります」となってしまったらお粗末な対応になってしまう。そんな事態を避けるために、なるべく長く続けることを前提にゲームを制作・開発しています。
お金を使ってくれた方に対して良いものを提供していきたい、それをずっと繰り返していく、という信念のもとで運営しています。
そう考えた結果、当社だけのキーテクノロジーがあることと、「長く運用しよう」というマインドが、他の会社と比べて長くサービスを続けている秘訣なのかもしれないですね。
【ナレーター】
宮本がエンタメ業界に参画したのは2001年。ゲームソフトの販売を手掛ける企業に入社し、マーケティング力を身につける。さまざまな企業を経験した後、2012年に自身のゲーム会社を設立。その後、コロプラとの出会いが転機となる。
【宮本】
どちらかというと僕自身はゲームをつくるわけではないので、エンタメ業界に参画したときは商売方法に注力していたのです。例えば、他社のIPを使ったりとか、いろいろなことをやっていました。
でも、そんなかたわらで「スマートフォンゲームが流行ってきているんだな。ただ、うちの開発力だとまだつくれないな」と思いながら過ごしていたんです。
その一方で、当時のコロプラは勢いがありましたから、「コロプラって何本もゲームを出して、何本も当てるな」と思っていました。
しかし、当時の日本にはスマホのゲーム会社が多数ありましたが、世界に向けたビジネスはやっていなかったんですね。
でも、僕はそれらのコンテンツの素晴らしさに気付いていたので、他社の社員でありながら「このすごいコンテンツを外にも伝えていきたいな」と思っていました。
そして、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』がとても好きだったので、自身のゲーム会社からコロプラに「半年間こういう計画で運営します」とプレゼンテーションを実施しました。ライバルがいる中、僕の会社が権利を獲得したんです。
例えば、『黒猫』のユーザーを増やすために「PC用のブラウザゲームをつくりましょう!」といって、ライセンスアウトさせてもらって取り組んだりとか。それを機にだんだんコロプラとビジネスをするようになりました。
【ナレーター】
他社タイトルの販路拡大に尽力し、相応の成果も出ていたが、時代の変遷に合わせて、事業をどう転換していくべきか苦悩していた。そんなとき声をかけられたのが、コロプラの創業者であり当時の社長、馬場 功淳氏だった。
【宮本】
自分の経営する会社の事業について悩んでいたとき「いまこういう状態で会社が大変なんだよね」という話を馬場さんにしたら、「そういう状況なら、ぜひうちのマーケティングを見てくれないか」とお誘いを受けたんです。
それならと、自分の会社は事業譲渡し、2020年にマーケティング部長としてコロプラに入社しました。
マーケティング部長の仕事は、部署をどういうふうにしていくかとか、どういうふうにゲームを売っていくかということを、きちんと整理していくこと。
ユーザーの動向はもちろん、時代の変化やエンタメの進化は日々進んでいくものなので、そういったことをきちんと突き詰めてやっていこうと思いました。
経営者プロフィール
氏名 | 宮本 貴志 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1972年4月19日 |
出身地 | 東京都 |
座右の銘 | 人生はバランス |
愛読書 | HBR |
尊敬する人物 | 両親・十時裕樹さん・大谷翔平さん |
2001年9月株式会社デジキューブ入社
2003年10月ソフトバンクBB株式会社入社
2005年4月株式会社デックスエンタテインメント入社
2008年4月株式会社GPコアエッジ設立代表取締役社長CEO
2011年4月株式会社ゲームポット取締役CMO
2012年7月株式会社コアエッジ設立代表取締役社長CEO
2020年6月当社入社
会社概要
社名 | 株式会社コロプラ |
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本社所在地 | 東京都港区赤坂9-7-2 ミッドタウン・イースト6F |
設立 | 2008 |
業種分類 | 情報通信業 |
代表者名 |
宮本 貴志
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従業員数 | コロプラ本体:718名(グループ全体:1277名)(2023年9月末時点) |
WEBサイト | https://colopl.co.jp/ |
事業概要 | スマートフォンゲーム、コンシューマーゲームの開発・提供 XR、メタバース、ブロックチェーンゲームの開発・提供 国内外の未上場企業への投資およびファンド運用 |