【ナレーター】
そして、2021年12月、コロプラの代表取締役社長に就任。入社1年での社長就任となった。当時の心境について、次のように振り返る。
【宮本】
「社長になることを前提で入社したのかどうか」と聞かれるのですが、そういうつもりは全然ありませんでした。
コロプラにはすごいゲームがたくさんあったし、すごいクリエイターがたくさんいたので、その良さを広く伝えたいと思いました。それができなかったらコロプラに入社した意味がないと思っていたので。
今できることと、言われたことだけやるのではなく、自分の能力を活かしてコロプラが成長するのなら社長をやるしかない、と思いました。
入社わずか1年で社長に就任してもいいのかなどを気にしている場合ではない。そんなことではエンタメはつくれないし、ヒットも出せないと思うので。
僕たちはお客様を喜ばせてナンボの商売をやっているので、前を向き続ける能力が必要だと思います。もちろん、良いところも悪いところもいっぱいあると思うんですけど、良いところを使ってできる限りやっていくと。
【ナレーター】
コロプラが過去にない新しい体験を届けるコンテンツをつくり続けるために、宮本が社員に対して特に求めていることがあるという。
【宮本】
社員には「それぞれが、あらゆるシーンで新しいことにチャレンジしてほしい」と常に言っています。
例えば10年、15年やっているゲームがあったとします。「これはもう10年ものだから新しくない」と言ってしまうとそれまでです。
そうではなく、その中で新しいことをどういう風にプレゼンし、ユーザーに提供できるかを考えていくことが、その延長線上に新しいものを生み出すことにつながります。
一方で、Web3だったり、NFPだったり、AIというものに早期から着手することも大切です。新しいものが出てからじゃなくて、自らチャレンジして最新のツールに触れてほしいと思っています。
僕らがBtoCでお客様と向き合っていくからには、新しいサービスとか、新しい提供の仕方とか、さまざまな方法に取り組んでいかなくてはなりません。言い換えたらユーザーファーストだとも言えるわけです。
「ユーザーのことを考えたら、このアップデートの方がよくない?」とか、「次はこういうゲームをつくっていきましょう」という考え方は新たなチャレンジにつながっていくと思います。
【ナレーター】
今後は日本だけでなく、世界のマーケットにも目を向けてビジネスを展開したいと語る宮本。見据える展望とは。
【宮本】
例えば『白猫プロジェクト』をアメリカでサービスしようと考えたら、従来ならライセンスアウトしてやってもらうか、自分たちが法人をつくって取り組むかなんですけど、近年もう一つ手段が出てきたんです。
それは、ゲームの言語をAIで翻訳変換して世界中でサービスする方法。それが現在は可能となったので、やはり世界のマーケットには目を向けなきゃいけない。
ただ、日本でウケているものが、どこでもウケるというわけではありません。だから、世界に進出するためには「どこでもウケるものをつくる」か、「ピンポイントで攻めたいマーケットを絞ってつくる」か、どちらかの手法を選ぶことになります。
ピンポイントでマーケットを絞る場合は、例えば北米だったら北米で何が流行ってるか調べる必要があるのです。
しかし、いずれにせよ海外に進出するのであれば、そのためのテクノロジーが必要になってきます。
その点、コロプラは技術があります。当社に技術力があることは、これまで出してきた記録が証明していますよね。
この後も、この技術を使ってやりたいことがあります。そのためにはきちんと市場を調査し、ターゲットを決めることが大切だと考えています。時にはIPを使うかもしれないし、時には自分たちでゼロからつくる必要があるかもしれません。
いずれにせよ、体験として新しいUXを入れ、コロプラらしさこだわってつくる姿勢は海外を相手にしても変わりません。
【ナレーター】
求める人材像について、宮本は次のように語る。
【宮本】
求める人物像は、新しいチャレンジをすることを厭わない人。
また、たとえば満員電車に乗っている時、目の前で自分がつくったゲームをプレイしているシーンを見た時に、嬉しいと思える人に来てほしいですね。
自分のクリエイティブを世に出して、ユーザーに楽しんでもらえるってことに対して、多くの職種が役割を果たしています。
マーケティングは伝える仕事だし、ゲームそのものをつくる仕事もありますし、ユーザーと直接触れ合って、サービスを長く続けていくための仕事もある。
コロプラというブランドというか、サービスの魅力を理解して賛同してくれる人が望ましいです。
とことんこだわってつくり、面白いと思えるものをみんなで世に出して届けていく、そこに喜びを感じられる人に入社してほしいですね。これは、すべてのエンタメに通じることでもあります。
ー大事にしている言葉ー
【宮本】
「和して同ぜず」です。
みんなで和して、チームでいるからこそ掛け算できることもありますが、やはり個々の力もすごく大事だと思っています。パーソナリティーや特技はそれぞれが持っているので、それを消してしまうようなマネジメントはしたくありません。
すごく分かりやすく言うと、ゲームをつくる人がゲーマーの中のトップでいてほしいんです。エンタメをつくる人ってその界隈のプロofプロなので。「自分」がなくなったらダメなんです。
コミュニティーのトップでいるには、人と同じではダメです。「個」の価値を曲げてしまうような会社にはしたくない。とはいえ、仲間がいる以上は和も大事です。
それらをすべてひっくるめて、「和して同ぜず」という言葉を大事にしています。
経営者プロフィール
氏名 | 宮本 貴志 |
---|---|
役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1972年4月19日 |
出身地 | 東京都 |
座右の銘 | 人生はバランス |
愛読書 | HBR |
尊敬する人物 | 両親・十時裕樹さん・大谷翔平さん |
2001年9月株式会社デジキューブ入社
2003年10月ソフトバンクBB株式会社入社
2005年4月株式会社デックスエンタテインメント入社
2008年4月株式会社GPコアエッジ設立代表取締役社長CEO
2011年4月株式会社ゲームポット取締役CMO
2012年7月株式会社コアエッジ設立代表取締役社長CEO
2020年6月当社入社
会社概要
社名 | 株式会社コロプラ |
---|---|
本社所在地 | 東京都港区赤坂9-7-2 ミッドタウン・イースト6F |
設立 | 2008 |
業種分類 | 情報通信業 |
代表者名 |
宮本 貴志
|
従業員数 | コロプラ本体:718名(グループ全体:1277名)(2023年9月末時点) |
WEBサイト | https://colopl.co.jp/ |
事業概要 | スマートフォンゲーム、コンシューマーゲームの開発・提供 XR、メタバース、ブロックチェーンゲームの開発・提供 国内外の未上場企業への投資およびファンド運用 |