【ナレーター】
インバウンド向けのOTA事業を軸に、さまざまなビジネスを展開しているWAmazing株式会社。
2017年1月にリリースした旅行支援アプリ「WAmazing」は、日本国内の宿泊施設や観光アクティビティ、交通機関などの検索・予約・購入が可能で、会員数は45万人を誇る。
近年では、インバウンドの取り込みを強化したい事業会社との戦略的な資本業務提携を推進しており、日本の魅力を世界に発信すべく、挑戦を続けている。
「日本中を楽しみ尽くす、Amazingな人生に。」というビジョンのもと、躍動する創業者が見据える未来像とは。
【ナレーター】
自社の特徴について、加藤は3つの主力事業を挙げて次のように語る。
【加藤】
オンライントラベルエージェント事業では、外国人旅行者の5大消費である、買い物、宿泊、飲食、交通、娯楽サービスという5つの領域の事業社さんが我々の顧客、クライアントとなります。
クライアントの情報・商品をインターネット上に載せ、外国人旅行者に届けます。外国人旅行者が旅の前にいろんな日本の素晴らしい観光資源を知って、宿泊手配やお土産の購入などができるようにする、インターネット上の旅行会社です。
2020年4月からは訪日外国人旅行者の回復を見据え、地域のDX(デジタルトランスフォーメーション)や、インバウンド集客対応をコンサルティングする地域DX事業を立ち上げています。
行政や観光協会、地域の民間事業者様がいかにインバウンド観光で稼ぐ力をつけるか、伴走しながらコンサルティングをさせていただいています。
また、訪日マーケティングパートナー事業を2022年11月に立ち上げました。こちらは比較的大手の民間企業様で、インバウンドの消費、バイイング・パワーを取り込みたいという際のサポートをさせていただく、広告代理店のような事業を行っております。
【ナレーター】
加藤のファーストキャリアは、人材サービスを提供する大手企業だった。新卒で入社し、新規事業開発に従事。多くのプロジェクトに携わり、順調にキャリアを重ねていったが、日本が抱える、ある社会問題を解決したいと思ったことが独立のきっかけになったと振り返る。
【加藤】
日本人の人口減少は著しい状態になり、外国人旅行者が増えてきているなか、地域のことを考えると、日本人による国内旅行市場の活性化で地方創生を目指すだけではなく、「訪日外国人旅行者の消費を地域の元気に結びつけられないか」という気持ちが大きくなりました。
それが独立のひとつのきっかけだったと思います。
【ナレーター】
そして2016年にWAmazingを共同創業。訪日外国人旅行者向けのサービスを展開し、創業1年で累計資金調達額10億円を超えるなど順調なスタートを切る。
しかし2020年、新型コロナウイルスの影響により、インバウンド需要が激減し、売り上げがほぼゼロになるという危機的状況に陥る。これを乗り越えるべく、加藤が打った手とは。
【加藤】
(2020年)2月14日、台湾の公衆衛生の整備をつかさどる、日本でいうところの厚生労働省のような機関が日本への渡航について注意喚起を出しました。
これにより、マーケットがいずれおそらくゼロになるだろうと予測し、打てる手を全て打っていこうと、頭を切り替えました。
打てる手というのは本当にシンプルな話ですが、企業というのはキャッシュフローが大事です。お金が尽きたら終わりですので、キャッシュアウト、つまりお金が流出していくのを止めることをまず行いました。
また、既存の事業は売り上げが上がらないため、新しい事業を作り、売り上げを稼ぐという手を打ちました。
ただし、新規事業の売り上げだけでは100人以上いた従業員の雇用を維持できないため、エクイティという株式を使った資金調達も行っています。これら3つの対策を通じて何とか生き抜こうと考えました。