※本ページ内の情報は2024年4月時点のものです。

1991年に創業した関根エンタープライズグループ。最後まで真心を込めて『日本一のありがとうを運びます』という経営理念を掲げ、サービス品質を追求している会社だ。グループ代表である関根崇裕氏に、関根エンタープライズグループの事業内容や今後の展望をうかがった。

たった1台のトラックから始まった19歳の創業

ーー社長の経歴をお聞かせください。

関根崇裕:
高校卒業後は1年間就職しましたが、「誰かの下で働く」ということに対して苦手意識がありました。実際、仕事をする中でそのように感じることがあったため、一人で仕事をしたほうが前向きに取り組め、なおかつやればやるほど収入につながり、周囲からも評価してもらえるのではないかと考えました。

そこで、弊社を1991年の9月1日に創業したのですが、創業といっても当時はトラックを1台購入しただけの状態でした。そのころ私はまだ19歳。購入したトラックを親方の元に持ち込んで運転手をし、仕事を始めました。

トラック1台からのスタートでしたが、やがて2台、3台と増えていき、業務を拡大していきました。

ーー現在は積極的に事業展開していますが、過去には苦労したこともありましたか。

関根崇裕:
創業してまだ5年しか経っていないころ、売上が月500万円程度だったのですが、そのうち半分である250万円の取引をしていた大口のお客さまとの取引が途絶えたという経験があります。

当時は資金に余裕があるわけでもなく、その状況下で従業員へ給料も支払わなければなりませんでした。また、運転資金を銀行から借りられる環境でもありませんでした。苦しい状況のなか、とうとう従業員の給料を支払うお金が足りなくなってしまったんです。

そこで、個人の貯金を切り崩して、どうにか期日通りに給料を振り込むことができたんです。幸いにも営業努力の結果、売上はすぐに持ち直すことができました。

「最後まで真心を込める」という考えを大切にする社風

ーーコロナ禍によって日本経済は大きな打撃を受けましたが、その際にも売上低下などの影響はありましたか。

関根崇裕:
売上は下がりませんでしたが、利益率は悪化しました。コロナ禍の影響で、従業員が以前よりも休みやすい社会になったと感じています。そのため、突発的な休みが発生しやすく、その分、協力会社への依頼が増え、外注比率が高くなりました。これが利益率悪化の要因となりました。

私はコロナ禍前後で人々の勤務に対する意識が変化したのではないかと思っています。たとえば、少し熱が出た際に、「休もう」と思う気持ち。従業員の働く意識が変わったことを実感します。それは私たちが理解して対応していく時代だと思っています。私たちはこれを肯定的に受けとめるべきです。そのような考えでいないと、企業として今の時代はうまく立ち回れないと思っています。

ーー貴社のならではの強みを教えてください。

関根崇裕:
弊社は現場でのサービス品質と対応に強みがあると考えています。業種柄、サービスの内容においては差別化しにくい部分もあり、とにかく丁寧な対応と「最後まで真心を込めて」という考えを大切にしています。全従業員が各々の立場で、この気持ちをお客さまのもとに運ぶように指導しています。それをご評価いただき、お客さまに選んでいただいていると感じています。

たとえば、電話対応を丁寧にする、来店の際にはウェルカムボードを掲示する、請求書を送る際にはメッセージカードを添えるなど、お客さまに「ありがとう」の気持ちを伝えるための工夫をしています。その大切さを従業員に伝えるために、トップである私自身もそれを実施しています。

技術と心で運ぶ未来ーー物流で描く経済の新しい地図

ーー今後の展望や目標などはありますか。

関根崇裕:
「社会の役に立つ世界一の運送物流会社を創ります」というのが弊社の経営ビジョンです。

この業界は、時間に対する賃金が低いので、従業員のためにも、できるなら所得を倍にしてあげたいと思っています。そのためには生産性を向上させて、運送物流業以外の収益も確保しなくてはなりません。ビジネスモデルとしては労働集約型ではないサービスの開発にも力を入れていきます。

たとえば、運送にまつわるアプリケーションやソフトウェアなどの仕組みづくりをサポートする事業などを視野に入れています。また、技術力向上や資格・免許取得などを含めて、従業員の人間力をアップさせていく必要があります。これらの要素は、いつの時代においても大切なことだと思っています。

ゆくゆくは、日本のライフラインを支えるためにも、空輸ビジネスも手掛けていきたいですね。社会の役に立つ企業であり続けるためにも、トラックという手段以外の運送にも着手できれば、自国で物をつくって輸出することに貢献できるのではないかと思います。

編集後記

運送業界の常識にとらわれない働き方を目指す関根崇裕氏。従業員の目線に立った働き方改革や、顧客に寄り添ったサービス展開など、独自の取り組みを積極的に行っている。関根エンタープライズグループが、今後着手していく事業展開にも注目したい。

関根崇裕/1971年、埼玉県越谷市生まれ。高校卒業後に就職するが、1年で退職。19歳の時にトラック一台のトラックを購入し、運送業を始める。グレーな労働環境の克服が課題となる業界の中で、同社は法令順守を徹底し、業界トップクラスの労働環境を実現しつつ、業績も向上させている。昨今、ドライバー出身の3名が子会社の社長に就任し、代表として次のステージへと進む支援をした。人財育成にも力を入れ、運送・物流業の枠を越えたビジネスモデルを創る。