※本ページ内の情報は2024年3月時点のものです。

オーナーズ株式会社は、従来、大企業が主体だったM&Aのサポートを中小企業にも広く広げ、人工知能やデータも駆使してクオリティの高いサービスを提供するプロフェッショナル集団だ。

売り手の利益を守るM&Aの実現に特化した「専属M&Aエージェントサービス」をはじめ、あらゆる資産クラスをカバーした資産運用、財産承継など、事業オーナーの立場に立ったサービスを提供している。

同社の代表取締役社長である作田隆吉氏に、事業内容や起業のきっかけ、求める人物像、今後のビジョンなどについて話をきいた。

事業売却という一大イベントを支える支援サービスを提供

ーー貴社の事業内容について教えてください。

作田隆吉:
企業の一大イベントである事業売却を検討しているオーナー向けの支援を主軸として、サービスを展開しています。

「事業売却後の次の人生をどうしていくのか」といった事業売却後のお悩みも含めて相談に乗っています。

現在、楽天証券でIFA(独立系金融アドバイザー)のライセンス取得を申請し、IFA事業者という形でオーナーに具体的な金融商品の提案ができるように体制を整えています。

海外勤務をきっかけに日本の中小企業の生産性の低さを憂慮

ーー起業を決めたのはいつ頃ですか?

作田隆吉:
大学を卒業して、20〜30代の頃は、専門性が高いグローバルな仕事に就いていました。

監査法人で5年ほど勤めた後、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に11年ほど在籍し、そのうちの約5年間はニューヨークやロンドンのオフィスで働いていました。

海外で働くうちに、日本の生産性が低いことや、国民全体の所得の低さなどの社会問題を強く感じるようになりました。

その理由を考えたときに、雇用者の7割が働く中小企業での労働生産性の低さが大きな課題であることに気付きました。そこで「中小企業を支援して社会問題を解決する事業を展開しよう」と思い、起業を決意しました。

ーー起業を決意してから現在の事業に着手した経緯を教えてください。

作田隆吉:
後継者が減少の一途を辿る少子高齢化の日本では、中小企業は将来的に廃業するかM&Aで第三者に譲渡するしかなくなると危機感を覚えました。でも、そのM&Aという大きな手段が、どのような形で支援されているかという実情については知りませんでした。

調べていく中で、大手金融機関の支援を受けられない中小企業は、M&Aの仲介業界に頼らざるを得ないことを知りました。

しかし、仲介サービスは売り手と買い手の両者を顧客とするため、どちらか一方の当事者の利益を考えた支援ができません。この構造では、M&Aがはじめてで情報弱者になりやすい売り手に対する支援が十分に提供できません。

そこで、「より課題が大きい売り手企業のオーナーを支援することに注力しよう」と思い、現在の事業に着手したわけです。

テクノロジーの活用で業務の属人化を防ぐ

ーー現在、注力している施策を教えてください。

作田隆吉:
弊社のM&AにおけるFA(ファイナンシャルアドバイザリー)サービスは専門性が高いので、投資銀行業界で長年経験してきた方でないと提案できないものでした。その状況を改善するため、人工知能やデータ分析、自動化などのテクノロジーを活用して、経験値の浅いメンバーでもお客様に高品質のサービスを提案できる体制をとるため、準備を進めています。当社に出資していただいているソフトバンクグループのディープコア(ベンチャーキャピタル)さんからもLLM(大規模言語モデル)のエンジニアを紹介していただき、開発体制を強化しています。

ーー今後のビジョンについて教えてください。

作田隆吉:
引き続き、売り手のオーナーから支持されるサービスを目指していきます。

中小企業向けサービスの普及は弊社だけでできることではないため、株主である大手金融機関や、提携先企業とも協力して早期に実現できるように動いていく予定です。

弊社のビジョンに共感してくれる方を増やしていきたい

ーー今後の採用計画について教えてください。

作田隆吉:
新卒採用よりも中途採用をメインに行っていく予定です。今までは主に人材に直接アプローチするダイレクトスカウトで採用を行ってきました。引き続きそのアプローチも続けますが、人材紹介会社から候補者を紹介いただけるケースも増えてきたので、今後は紹介による採用も増やしていくつもりです。

ーー貴社が求める人物像を教えてください。

作田隆吉:
弊社の企業理念と、そこから導き出される「なぜこの会社があるのか」「なぜこの会社で働くのか」といった会社の存在意義について共感していただける方です。

また、事業売却という人生の大きな局面を迎えるオーナーの方々に対して、その方の利益を考えて「役に立ちたい」という強い思いを持っている方は、弊社のビジョンにマッチしていると思います。

働く目的と会社のビジョンをマッチングさせる

ーー最後に読者である若手人材に向けてメッセージをお願いします。

作田隆吉:
20代の頃は能力を磨いてキャリアを積み、30代を迎える方が多いと思います。ただ、個人の能力を磨くという目的から、さらに「社会に貢献したい」と思い始めるタイミングが必ず来ると思っています。

そのときに、自分が働く目的が何であるかを考えて、それにマッチしたビジョンを持つ会社を選んでほしいと思います。

弊社でいうと「テクノロジーを活用してプロフェッショナルサービスを民主化し、社会の価値向上に貢献する」というのが存在意義です。

これに少しでも共感していただける方がいたら、ぜひ弊社に応募してほしいと思います。

編集後記

海外勤務の経験を経て「専門性を高めて、グローバルな仕事をする」という軸から「日本の社会問題に貢献したい」という軸に変わり、起業を決意した作田社長。

売り手オーナーに寄り添ったM&A支援サービスを提供し、今まで多くの企業の大きな局面を支えてきた。さらなるサービス向上を目指し、事業の発展や規模拡大に向けて進むオーナーズ株式会社の未来が楽しみだ。

作田隆吉(さくた・りゅうきち)/慶應義塾大学経済学部在学中の2005年に、旧公認会計士2次試験に当時最年少で合格。現、EY新日本有限責任監査法人に入社。主に上場・未上場会社の監査業務に従事。2011年、現デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に入社。2013年、デロイトニューヨークオフィスでの勤務を経て、2015年からはデロイトロンドンオフィス勤務。2019年からは東京オフィスにて、スタートアップ・ファイナンス・アドバイザリー事業を統括。2021年オーナーズ株式会社を創業し、代表取締役社長に就任。
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