-リユース業の存在意義と現場経験の大切さ-
【聞き手】
実際にヨドバシカメラを経験されてご実家に戻られて、今までは家業として見ていらっしゃったと思うのですけど、実際にコメ兵の一員となって事業を見た時、どうでしたか?
【石原】
すごく楽しかったです。やはり買い取りをすることから始まって、このお客さんはこんなにこの商品に思い入れがある。だから捨てるのがもったいない。それで、勇気を出して重いものを持ってお店に来ていただいて、売りたいというところから始まって、査定させていただいて、うちが商品として買わせていただくと。当然それをメンテナンスして、次のお客さんにこの商品はとても状態がいいから、ぜひ良かったら買ってくださいということを繰り返していくと、つくるメーカーでは我々はないのですけど、商品が手元に届くところから、それをきれいにメンテナンスしてから次の方にお渡しするまでをできる。
また、そのお客様は何年か使っていて飽きてしまった、もしくは違うものに変えたいと、理由は色々あれども、それをまたコメ兵に持ってきてくださるとなってくると、すごく中継点として、我々の存在意義があるなとすごく感じられました。単純に新品をどんどん売っていって、「あれ?捨てられちゃっているのかな?」ということよりも、「また戻ってきてくれた」と思う、この感覚がすごく私には合っていると思います。ゴミを増やすのではなく、ゴミが少ない社会に少し貢献しているのかなと思うビジネスモデルなのかなとは感じていますね。
【聞き手】
本当に現場の一員としてやってこられた。
【石原】
そうですね。役員になるまでは店頭に立っていて、他の従業員さんと一緒のように売り場に立って、朝から晩まで買い取りや販売をやっていました。それをずっと名古屋でやって、東京に進出する時には東京でやって。それが十数年繰り返された後に役員になっている今の自分がいますので。そういった意味では、お客様に教えていただいた商売の感覚だとか、そういったものをもってやりたいというのは、入ったばかりの時にこういうものだ、もしくはお客さんにこうやったらいいよってアドバイスをいただいて、教えていただいたことが為になりましたし、コメ兵の方向性を変えていく中でもすごくいいお知恵をいただいたのかなと思っています。
たぶんいきなり私がよそ様にいて、コメ兵に入ってきて役員なのか、社長なのか、いきなりやったのでは多分こういう感覚ではないと思います。そういう意味ではヨドバシカメラにいた2年間は短かったんですけれども、あの客数をこなせる、あの短い間にあれだけのお客様の接客ができたというのはヨドバシカメラだから実現できたと思うし、その中でそこでいただいた知恵や工夫や努力をリユースの業界で生かせているというが正直あると思いますね。
経営者プロフィール
氏名 | 石原 卓児 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1972年9月21日 |
出身地 | 愛知県 |
座右の銘 | 実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな、「One for all,All for One(一人は皆のために、皆は一人のために)」(をモットーに、「現場第一」「お客様視点」で、挑戦し続ける経営に力を注いでいる) |
愛読書 | 「人を動かす」 デール・カーネギー(D・カーネギー) |
1996年、大手家電量販店ヨドバシカメラにて約2年間従事したのち、1998年コメ兵に入社し、カメラ売場に配属。
その後、時計売場の責任者を経て、有楽町店店長、新宿店店長、営業企画部長、WEB事業室長などを歴任し、店舗開発、販売促進、などマーケティング業務に従事。2011年に常務取締役、2012年に代表取締役副社長、2013年に代表取締役社長(4代目)へ就任。
2020年10月1日から、ホールディングス体制への移行と同時に、コメ兵ホールディングス代表取締役社長を兼任。(2021年4月より、リユース業協会副会長も務める)
会社概要
社名 | 株式会社コメ兵 |
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本社所在地 | 愛知県名古屋市中区大須3-25-31 |
設立 | 1947 |
業種分類 | 小売業 |
代表者名 |
石原 卓児
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従業員数 | 連結 1087名(2023年3月) |
WEBサイト | https://www.komehyo.co.jp/ |
事業概要 | 中古品・新品の宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、きもの、カメラ、楽器などの仕入・販売 |