MIRARTHホールディングス株式会社 不動産事業の「タカラレーベン」をはじめ、エネルギー、アセットマネジメント、ホテルまで幅広いビジネスを展開するプライム上場企業 MIRARTHホールディングス株式会社 代表取締役 島田 和一  (2023年9月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
不動産事業を中心に、近年はエネルギー事業、アセットマネジメント事業など、幅広いビジネスを手掛ける「MIRARTH(ミラース)ホールディングス株式会社」

2022年10月、創業50年のタイミングでホールディングス体制に移行し、タカラレーベンから「MIRARTHホールディングス」へ商号変更を果たした同社は、「不動産総合デベロッパー」の枠を越え「未来環境デザイン企業」としての歩みを着実に進めている。

経営者が語る、さらなる進化の先に見据える展望と、事業を通じて実現したい世界とは。

【ナレーター】
島田は1987年、MIRARTHホールディングスの前身である株式会社宝工務店に入社。順調にキャリアを重ねていた。

同社は1994年から2007年の第6次、第7次マンションブームにより業績を伸ばしたが、2008年のリーマンショックにより業績は悪化。当時の状況について島田は次のように振り返る。

【島田】
当時、私は副社長として、すぐ目の前の深刻な資金の問題をとにかく解決するしかないという立場にありました。年が明けた2009年の2月にはお金が尽きて倒産するかもしれないと、2008年の年末は資金繰りに奔走しましたね。

今だからこそ話せるのですが、倒産に備えて、社員を路頭に迷わせないためにどのような準備が必要かも考えなくてはいけませんでした。

とはいえ、一番に優先すべきはやはり会社の存続です。倒産を防ぐにはどうしたらよいか、と必死で考えました。

しかし、これは社長と副社長だけで乗り越えられるような危機ではありません。この状況を乗り越えようという社員たちと共に、やるべきことをやるしかなかったんです。

そんな中で、とても頼りになったのが営業担当の従業員たちでした。我が社の伝統的な営業体制には、ものが売れない状況でも歯を食いしばり、頑張って実績を出せるという根強い強みがあります。

今振り返ると、この大変な危機を当社が乗り越えられた理由の1つは、当社が創業以来こだわってきた営業の力だと思います。

【ナレーター】
全社一丸となって壁を乗り越えたが、島田はマンション事業に依存した現行の体制では企業の存続は難しいと感じていた。新たな事業の柱をつくるべく、着目したのがエネルギー事業だった。

【島田】
2010年頃から、マンション事業での差別化を図ろうと、戸別売電が可能な「太陽光発電マンション」の取り扱いを各社が始める中、我々はそこに特化した事業を進めていきました。

その事業を発展させた取り組みとして、2012年7月に施行された「FIT(フィット)」(※)の制度に則って、発電ビジネスを始めたのがきっかけのひとつです。
※再生可能エネルギーで発電した電気を、一定価格で一定の期間、電力会社が買い取ることを国が約束する制度

当時は不動産に次ぐ事業の柱になるとは思っていませんでしたが、現在は第2の柱として成長しています。

【ナレーター】
エネルギー事業の成長を牽引した島田は、2014年、代表取締役社長に就任。2022年10月に、持株会社体制へ移行し、「株式会社タカラレーベン」から「MIRARTHホールディングス株式会社」へと商号変更を果たす。この真意について、次のように語る。

【島田】
不動産事業を行う企業が社名を変えることなくそのままホールディングス化しても、不動産会社のグループだよね、ということだけで終わってしまいます。

不動産会社がエネルギー事業を行っているのではなく、MIRARTHホールディングスという企業グループの中に、エネルギー事業を行う企業が、ひとつの独立した会社として顕在化していくことで、この会社が今後、我々のグループ内で大きく成長していくことを明確に示していくための商号変更であり、持株会社体制への移行でした。

不動産会社が発展的に、「点」の開発から、「点」を「線」で繋ぎ、そして「面」での開発によって地域をしっかりサポートしていく。

また不動産事業にエネルギー事業をミックスさせ、一体的に地域の社会課題を解決していこうというメッセージを企業名に込めたかった。

そこで旧社名のタカラやレーベンといった言葉はあえて入れず、Mirai(未来)とEarth(地球)を組み合わせた新社名としました。

これを機にパーパスも新しく策定し、事業会社としての当社の社会的意義というメッセージ性を高めながら体制再編を行ったというわけです。

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経営者プロフィール

氏名 島田 和一
役職 代表取締役
生年月日 1965年12月4日
出身地 東京都
座右の銘 現状維持は後退だ。
略歴
1987年5月、宝工務店(現:MIRARTHホールディングス)入社。当社取締役開発部長、常務取締役開発本部長、代表取締役副社長兼総合企画本部長、COO、CFOなどを経て、2014年から代表取締役兼最高経営責任者(CEO)兼社長執行役員となる。

2022年10月のMIRARTHホールディングス発足に伴い現職に就任。

会社概要

社名 MIRARTHホールディングス株式会社
本社所在地 東京都千代田区丸の内1-8-2 鉃鋼ビルディング16階
設立 1972
業種分類 不動産事業・エネルギー事業・アセットマネジメント事業 他
代表者名 島田 和一
従業員数 連結従業員数 1,365名(2023年9月末時点)
WEBサイト https://mirarth.co.jp
事業概要 グループ会社(不動産事業・エネルギー事業・アセットマネジメント事業・その他事業[ホテル・建設])の経営管理等
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