【ナレーター】
千葉県を拠点とし、首都圏へ広がるトータルロジスティクス企業として、2022年11月に創業80周年を迎えた「南総通運株式会社」。
330両以上の認可車両と約70棟の倉庫を保有し、輸送事業や倉庫・テナント事業、流通加工・人材サービスなどの事業を通じて、顧客のニーズに応えるサービスを展開。
近年では経済産業省から「地域未来牽引企業」、千葉県から「ちばSGDsパートナー」の認定を受けるなど地域に根ざした活動を推進しており、その存在感を際立たせている。
創造と挑戦を掲げ、100年企業を目指す経営者が、物流を通じて実現したい未来とは。
【ナレーター】
運送会社として、県内トップクラスの売上実績を誇る南総通運。それが実現できている理由は「他社との差別化」にあると今井は語る。
【今井】
他社(大手物流企業)では物流業務を画一的なプランで提供しています。しかし、お客様が100社あったとすると、本来はお客様ごとに求められる物流のやり方は100通りあるんですよね。そのため、当社ではお客様が満足する形までカスタマイズすることで、差別化を図っています。
さらに、物流だけではなく、物流にプラスして隣接する事業もワンストップで提供している点も当社の特徴です。
たとえば倉庫や工場などの警備員の派遣・巡回サービスや、倉庫や建物の修繕などはお客様のご要望がきっかけで始まりました。また、モノの輸送だけでなく、タクシーやバスの事業を通して、ヒトの移動に寄与する事業も行っています。
これからも、このような物流の枠にとらわれない、差別化された商品で事業を展開しようと考えています。
【ナレーター】
今井のファーストキャリアは新卒で入社した大手運送会社だった。順調にキャリアを重ねるが、2005年、46歳で南総通運へ転職を果たす。なぜ20年以上勤めた会社から転職したのか。
【今井】
出身が東金(とうがね)市で、両親も地元にいました。両親を含めた家族のことを考え、今から約20年前にこちらに住居を構え、もう一度、地元中心に切り替えようということで地元の企業への転職を考えました。
そこで、東金市に本社を置く南総通運株式会社に転職し、もう一度、物流業をイチからやらせてもらったという状況です。
【ナレーター】
転職後、取締役に選任され、支店長との兼務を経て、2017年に代表取締役社長に就任。就任時に取り組んだことについて、今井は次のように語る。
【今井】
「経営理念を果たすこと」です。当社の経営理念は「物流を通じて社会を豊かにする」こと。これが本来、南総通運の事業を継続する非常に大切な志だと思っています。
企業には従業員の皆さんやご家族の皆さん、地域社会のお客様もたくさん関わっています。そのなかで、まず自分の会社の事業体が持続的に成長し続けなければ、社会に貢献する目的は果たせません。
ですから、次には「持続的な成長をする企業」。この事業構造をつくり上げようと考え、現在も取り組んでいるところです。
【ナレーター】
挑戦を成功させるために、今井が大事にしていることは「安定志向からの脱却」だ。その真意とは。
【今井】
80年間を振り返ってみると、成長のトレンドのなかにずっと当社はありました。それがゆえに、安定志向がはびこり始めてはいないかと、非常に懸念しておりましてね。
現状維持は後退の始まりです。現状維持の先に未来はない。だからこそ、現状を打破し、もう一度ゼロベースで先を見ることが大事だと考えています。まずは安定志向からの脱却からスタートしないと、次の道に進めません。ここは私自身も常に心掛けていることです。
経営者プロフィール
氏名 | 今井 利彦 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1959年3月22日 |
出身地 | 千葉県 |
尊敬する人物 | 稲盛和夫 |
支店次長、グループ会社社長などを歴任し、2005年に南総通運(株)入社。
同年取締役に就任し、茂原支店長、管理本部長を歴任し、2017年6月より現職。
会社概要
社名 | 南総通運株式会社 |
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本社所在地 | 千葉県東金市東金582 |
設立 | 1942 |
業種分類 | 運輸業 |
代表者名 |
今井 利彦
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従業員数 | 697名(正社員) |
WEBサイト | https://www.nanso.co.jp/ |
事業概要 | 「物流で社会を豊かにする」ため、お客様へ最適な物流ソリューションを提供する |