【ナレーター】
「安定志向から脱却するためには常に変化することが必要だ」と、今井は従業員にも伝え続けている。
【今井】
課題というのは常にありますから、課題をどう捉えるかは後回しになりがちです。
従業員には「不作為の罪を犯さないでくれ」「分かっていることを後回しにするな」「今行動しなさい」「行動して変化をつくり出すんだ」と、いろいろな言葉で伝えています。
「最善の策じゃなくてもいい。次善の策でも、次次善の策でもいい。まず、やりなさい」と。
変化が激しい時代ですから、意識して伝えていかないと、どうしても経営のスピードは落ちてしまいます。安定志向にまた入ってしまうのではと思いましてね。それぞれの従業員に合わせて話をしています。
多面的にものを考える習慣づけをしていないと、本質は見えません。しかし、目に見えないものは意識して見ようとしないと、本質が見えないところが多いと思うのです。
目に見えない本質を見る癖をつけるには、物事を多面的にどう捉えるか、習慣づけをしなければいけません。当社でも従業員みんなで、本質を見抜く力をつけるために取り組んでいきたいと思っています。
【ナレーター】
100年企業を目指すために必要なことは「未来を自らの力でつくる」ということだと語る今井。見据えている展望とは。
【今井】
未来は予測するものだと思いがちですが、実は私たち自らの力でつくるものだと思っています。ですから、自らの力で未来をつくるためにも、まず目標を立てようと。
20年先を見通すと、成田空港に第3滑走路が完成します。そうすると、成田と羽田の機能の区分としては、羽田は旅客、成田はエアカーゴという形になるでしょう。
また現在、圏央道が全部つながりましたので、東京港や横浜港も限りなく近くなりました。そうすると、輸出入貨物の立地としては、千葉は絶好の場所になってきます。
当社は輸出入貨物物流についてはまだシェアが少ないため、今後の拡大に力を入れ、さらなる物流企業に成長させていきたいと思っています。
【ナレーター】
求める人材像について、今井は次のように語る。
【今井】
自ら考え行動する自律型社員。そしてやはり事業を行っている以上、利益に直結した行動ができる社員。この両面から自主的に動ける人材を求めていきたいと思います。
ー大事にしている言葉ー
【今井】
2つありまして、1つは「着眼大局・着手小局」という言葉です。
組織全体で従業員と一緒に1つの方向に進もうとするときには、目標や経営理念が必要です。その目標や経営理念の達成には、実は目の前にかなりたくさんの、細かな案件があります。
その1つひとつの細かな案件は、すべてつながっているのだと理解し、1つずつ毎日こなさなければいけません。
その意味ではやはり「着眼大局・着手小局」の言葉があらわす通りの行動や考え方が必要でしょう。
もう1つの言葉は「至誠」です。誠意を尽くすことにより、人は分かり合い、いろいろな課題があっても、お客様と一緒にその課題に取り組んでいけます。逆に誠意がなければ見透かされてしまうことは一目瞭然ですよね。
このような理由から、これら2つの言葉を大事にしています。
経営者プロフィール
氏名 | 今井 利彦 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1959年3月22日 |
出身地 | 千葉県 |
尊敬する人物 | 稲盛和夫 |
支店次長、グループ会社社長などを歴任し、2005年に南総通運(株)入社。
同年取締役に就任し、茂原支店長、管理本部長を歴任し、2017年6月より現職。
会社概要
社名 | 南総通運株式会社 |
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本社所在地 | 千葉県東金市東金582 |
設立 | 1942 |
業種分類 | 運輸業 |
代表者名 |
今井 利彦
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従業員数 | 697名(正社員) |
WEBサイト | https://www.nanso.co.jp/ |
事業概要 | 「物流で社会を豊かにする」ため、お客様へ最適な物流ソリューションを提供する |