デクセリアルズ株式会社の概要と沿革
まず、デクセリアルズの基本情報は以下の通りです。
【デクセリアルズの概要】
社名 | デクセリアルズ株式会社(Dexerials Corporation) |
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本社所在地 | 東京都品川区大崎1-11-2 ゲートシティ大崎イーストタワー8F |
設立年月日 | 2012年(平成24年)6月20日 |
代表取締役社長 | 一ノ瀬 隆 |
株式公開 | 東証一部上場(証券コード:4980) |
資本金 | 15,769百万円 |
事業内容 | 電子部品、接合材料、光学材料などの製造・販売 |
デクセリアルズは東京都品川区に本社を置いている電子部品や、接合材料、光学材料などの製造販売を行なっている会社です。創業は1962年にソニーグループの全額出資により、ソニーケミカル株式会社として誕生しました。その流れからかつてはソニーの子会社として事業を行なっていましたが、2012年にソニーグループから離脱した際に社名を現在のデクセリアルズへと変え現在に至ります。現在では東証一部への再上場もしており、その技術力の高さから様々な電化製品などへの製品提供を行なっていることでも知られています。
それではデクセリアルズの歴史を沿革で見ていきましょう。
【デクセリアルズの沿革】
1962年3月 | 回路用銅箔製品および工業用接着剤製品の製造・販売を行なう企業として、ソニー株式会社全額出資によるソニーケミカル株式会社設立 |
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1963年3月 | 新しい事業の柱として液状接着剤事業への参入 |
1964年4月 | 待望の日本製、プリント回路用接着剤付き銅箔プライマスター製造ラインが羽田工場に完成し、生産開始 |
1965年4月 | 接着技術を両面粘着テープへ展開 |
1970年1月 | 鹿沼第1工場完成
羽田工場から移転 |
1971年3月 | Uマチックテープのすべり止め用シートやたるみ止め用パッドなどの両面テープに採用 |
1972年3月 | 磁気ヘッド、フェライトコア量産開始 |
1973年1月 | ソニーのトリニトロン方式ブラウン管カラーテレビのプリント基板の生産開始 |
1973年10月 | 電子機器の小型・軽量化に貢献する、フレキシブルプリント基板(FPC)「ソニーフレックス」生産開始。1984年にはLCD用ファインパターンフレキシブルプリント基板を発売 |
1975年3月 | フレキシブルプリント基板(FPC)用両面粘着テープとして、「T4100シリーズ」を販売 |
1976年7月 | 放送局のビデオデッキ用ヘッド量産開始 |
1977年12月 | 注目の技術異方性導電膜(ACF)を業界にさきがけて製品化 |
1985年10月 | 熱転写プリンター用インクリボンの生産開始 |
1987年7月 | 東京証券取引市場第二部に上場 |
1987年11月 | 超小型モーター用「ラミコイル」生産開始 |
1989年5月 | パスポートサイズハンディカム「CCD-TR55」用高密度薄板多層基板、生産開始 |
1989年12月 | 熱転写プリンター用インクリボンの製造・販売開始。 |
1990年5月 | 家庭用、工業用接着テープ、接着剤 販売開始。 |
1990年11月 | キーデバイスを担う高密度多層基板の事業拡大とオンボードデバイスの生産拠点としてソニー根上株式会社設立。 |
1992年2月 | 熱転写インクリボン 生産、販売開始。 |
1992年4月 | テープからディスクへの変遷に伴い、光ディスク用記録層保護コーティング材「SK3200シリーズ」を開発し、販売開始 |
1994年4月 | プリント基板 生産開始。 |
1994年7月 | ノートパソコンや携帯電話、ビデオカメラなど携帯型電子機器の小型化・高性能化が進むにしたがって、リチウムイオン2次電池の市場が拡がり、このリチウムイオン電池を安全に使う上で欠かせない保護素子を世界にさきがけて量産。 |
1995年4月 | ISO14001DIS(環境マネジメントシステム)の認証を取得。同年、品質保証規格ISO9001の認証も取得。 |
1995年5月 | ソニーの“ハンディカム”の小型化に伴い、ビルドアップ基板を開発、生産開始。 |
1996年5月 | ソニーコンピュータエンタテインメント「プレイステーション」に搭載された多層基板を量産開始 |
1996年6月 | 上場会社ディスクロージャー表彰を受賞 |
1997年12月 | フレキシブルフラットケーブルとフレキシブルプリント基板 生産、販売開始。 |
1998年4月 | RCCタイプのレーザービルドアップ基盤生産開始。 |
1998年7月 | フレキシブル電子回路基板「2層ポリイミド基板」を開発。
ハロゲンフリーフレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)や製造工程でトルエン、MEK等有機溶剤を使わない紫外線硬化型製法のハロゲンフリー両面接着テープ「G9000」、環境対応の半導体パッケージ用およびCOF用異方性導電膜(ACF)を開発、環境に配慮した製品群を開発。 フェライトやプリズムの結晶形成技術、超精密加工技術、薄膜技術などの要素技術が評価され、光ディスク用プリズム 生産開始。 |
2000年1月 | 上場廃止 ソニー株式会社の100%子会社となる |
2000年5月 | ビルドアップ基盤(フォトビアタイプ)にインビーダンスコントロールを搭載。 |
2001年10月 | タッチパネル生産開始。 |
2002年1月 | 反射防止フィルムの販売を開始 |
2002年9月 | 光ピックアップ用紫外線硬化型接着剤を開発、販売開始。 |
2004年1月 | 高密度実装両面フレックスリジッド基板を開発、生産開始。 |
2004年8月 | 熱伝導シートの生産開始。 |
2006年2月 | 一括積層AnyLayer多層基板を開発 |
2007年4月 | ディスプレイパネルの視認性を高める光学弾性樹脂の生産開始。 |
2008年5月 | 明るさ3000Ansiルーメン以上のプロジェクター用無機偏光板を開発。 |
2009年10月 | 「資源循環技術・システム表彰掲載産業大臣賞」受賞 |
2010年4月 | 太陽電池用タブ線接合材料を開発。 |
2012年9月 | 無機波長坂生産開始。 |
2012年10月 | デクセリアルズ株式会社に社名変更し、事業開始。 |
2013年8月 | UV硬化時に粘着特性を発現するPSA変性型光学弾性樹脂(ハイブリッドSVR)量産開始。 |
2014年5月 | 異方性導電膜(ACF)、熱伝導シートを生産。 |
2014年8月 | 医療向けアイシールド材生産開始 |
2015年4月 | 熱線再帰フィルム「アルビード」生産開始 |
2015年7月 | 東京証券取引所市場第一部に上場 |
2015年7月 | 排水処理剤(無機排水用)生産開始 |
2016年10月 | 栃木事業所稼働開始、ノートPC向け反射防止フィルムを生産、出荷開始。 |
2016年12月 | 粒子整列型異方性導電膜(ACF)「アレイフィックス」を製品化 |
現在では、接着剤や粘着テープなどの接合関連材料、光学関連フィルムなどの光学関連材料、そして電子部品材料の事業で様々な製品へ導入されています。わたし達の直接見えない部分を支えているのがデクセリアルズなんです!その技術力、素材の品質の高さから多くの取り扱い企業からの信頼を得ています。
デクセリアルズ株式会社の企業ビジョン
次に、デクセリアルズの企業ビジョンをまとめていきます。
【企業ビジョン】
Value MattersデクセリアルズHP:企業ビジョンより引用
今までになかったものを。
世界の価値になるものを。
デクセリアルズは「Value Matters 今までなかったものを。世界の価値になるものを。」をビジョンに掲げ、卓越した独自の技術を組み合わせ、お客さまの期待を超える価値を創造することを目指しています。
お客さまのニーズや課題に応え、エレクトロニクス分野をはじめ、環境・新エネルギー分野などに高度な材料開発技術、プロセス技術にささえられた、新しい機能性材料を提供することで、わたしたちは人間社会と地球環境の豊かさと質の向上に貢献してまいります。
わたしたちは、常日頃からお客さまの現場に足を運び、お客さまの声に真剣に耳を傾け、乗り越えるべき課題を共有し、未来に向けてまだ見ぬ価値を生み出すこと、そしてそれを実現する社員=「価値を創る人」を創ること、が大切な使命だと考えています。
「Value Matters」。
わたしたちを規定するのは、卓越した技術開発力、価値創造へのたゆまぬ姿勢であり、お客様から信頼されるパートナーとして、誠心誠意、真摯に向き合うひたむきさです。
デクセリアルズが可能にする未来にご期待ください。
デクセリアルズは、この世にないモノを作ることで世界中で価値が生まれるものを造りだすことを目的として日々努力を重ねています。それらを造る為には、ニーズに沿った課題へと常に取り組み、常に最先端の技術へ目を向けることに重きを置きわたし達の社会での生活向上への貢献を目指しています。よりわたし達に近い企業であることも考えており、利用者の声も製品に導入するなど、これからのわたし達の生活をより豊かにしてくれる企業として注目を集めています。
デクセリアルズ株式会社の製品情報
最後にデクセリアルズの製品情報は以下の通りです。特に高いシェアを獲得している接合関連素材事業をはじめ、光学関連事業、電子部品材料事業と非常に細かく技術が必要とされる分野で、デクセリアルズは高い技術力を発揮し続けています。
【接合関連材料】デクセリアルズHP:製品情報より引用
異方性導電膜(ACF)
面方向に絶縁性を保持し、厚み方向に導通性を持つACFは対向回路間の導通性、隣接回路間の絶縁性を必要とするIC、基板間の接着に適し、小型化、薄型化に貢献します。
両面テープ
環境に配慮したグリーンテープ、G/UTシリーズをはじめ、導電性、熱接着性を持つ両面テープなど、用途、機能別にラインアップ。
片面テープ
FPC用キャリアテープをはじめ、シールド対策用金属箔片面テープなど、用途、機能別にラインアップ。
接着剤
電気特性に優れる自己消炎性接着剤から精度の高い固定に対応する紫外線硬化型接着剤までさまざまな用途、機能別にラインアップ。
熱伝導シート
コンピュータやテレビなどの高速演算処理ICチップから発生する大量の熱を、シートを通じて素早くヒートシンクに伝えることで、ICチップが高温になることを抑え、キーデバイスの性能を熱から守る熱伝導シート。
建築用ウィンドーフィルム
商業ビルや集合住宅向けのウインドーフィルム。飛散防止用途タイプと熱線再帰フィルムを使った遮熱用途タイプをラインアップ。
【光学関連材料】
光学弾性樹脂(SVR)
ディスプレイパネルのエアギャップを埋めることで、パネルの薄型化・視認性アップに貢献する樹脂。
光学関連フィルム
ナノミクロンオーダーの膜厚制御技術と多層構造により、優れた低反射化を実現。
モノマーから合成される材料技術により、透過率に優れ、耐擦傷性が高く美しい映像表現をサポート。
光ディスク用紫外線硬化型樹脂
BD, DVD, CDで使われる光ディスク用材料を各種ラインアップ。
反射膜層保護コーティング材、DVD貼り合わせ用接着剤、ブルーレイディスク層形成用樹脂、BD/DVD用ハードコート
無機波長板
フロントプロジェクターの光学ユニット用など、3000Ansiルーメン以上の高温かつ高光量の環境下での長期間使用に耐えうる耐久性を持ち、プロジェクターの高輝度、高コントラスト化に貢献します。水晶波長板より薄型かつ最大100mm角サイズを実現し、光学特性(波長帯域、位相差など)のカスタマイズが可能です。
無機偏光板
無機材料により、明るさ3000Ansiルーメン以上のプロジェクター用など、高温かつ高光量の環境下での長時間使用に耐える、高い耐久性を持ち、ナノレベルの加工技術と独自の薄膜微細構造により、高い透過率と低反射率を実現。プロジェクターの透過率、高コントラスト化に貢献します。また、透過率、反射率など光学特性のカスタマイズが可能です。
【電子部品材料】
表面実装型ヒューズ
リチウムイオン2次電池の過充電、過電流を確実に遮断するヒューズ。
1994年に上市して以来の2次保護素子スタンダード品。
フェライトコア
長年のフェライト材料の開発と生産技術で培った焼成プロセス制御により、空孔が少なく、微細結晶粒径の高密度構造を持つフェライトコアを実現。スイッチング電源トランスやトロイダルコア、RFID用コアなどの小型化、高性能化に貢献します。
スパッタリングターゲット
各種金属、酸化物を用いた薄膜形成用スパッタリングターゲット。
高密度で均一な組織による高い生産性を実現し、異形状加工技術による長寿命化を可能にします。
ワイヤレス給電用受電コイル
自社開発の低損失磁性シートにより、高い受電効率を実現し、薄くて、かつ柔軟性に優れた受電コイル。
モバイル機器のデザイン性を損なわず、受電効率の向上と発熱抑制に貢献します。
排水処理剤(無機排水用)
植物の特性を活かし、有機材料設計・配合技術を応用した排水処理剤。
デクセリアルズ株式会社は、この世にないモノを生み出しそれらの価値を与えます!
デクセリアルズは、わたし達の手に届く電化製品やなどを直接的に作っている企業ではないですが、それらの中身を支えている企業なんです!近年爆発的な普及をしているスマートフォンなどにも多くの技術が導入されています。目に見えない部分からわたし達の生活や、社会への貢献をしているデクセリアルズの企業努力はとても素晴らしいということもおわかりいただけたかと思います。デクセリアルズのような細かく繊細な製品を扱う企業の発展は、わたし達の日本の発展にも繋がります。そんなデクセリアルズのますますの成長と発展に期待していきましょう!