ー創業の秘話などがございましたらご教示いただけますでしょうか。
木村社長:
私が妻の実家に入り家業を受け継いだころは、万屋の様な店舗で駐車場もない状況でした。
そこで、近くに駐車場を構えた店舗を作ることにいたしました。それが今の新鮮市場きむら1号店です。
当時は「新鮮市場」ではなくコンビニエンスストア「モンマートきむら」として、書店を併設した県内でも初めての業態で運営しておりました。
しかしながら「モンマート」はフランチャイズのため、ルールに縛られて安売りもできず、窮屈に感じていました。
そのため、1年もしないうちにモンマートを脱退して「新鮮市場」に変更したのです。
それから、毎朝市場に出かけて「青果」を学び、職人に弟子入りし「精肉」を学び、また市場で「鮮魚」を学び、料理学校に通って「料理」の勉強をしました。
こうして徐々に生鮮食品を柱にした今の「新鮮市場きむら」ができたのです。
1号店で力を蓄えた「新鮮市場きむら」は、2号店「木太店」で大ヒットをむかえます。
その後も拡大を続け、15年間で20店舗まで成長させることができました。
ー貴社の商品の中でも特に強いこだわりがあるという点を教えてください。
木村社長:
弊社は生鮮食品に力を入れて店舗展開しています。中でも「鮮魚」に対する思い入れは強く、瀬戸内の新鮮な魚をお届けできるよう日夜努力しています。
鮮魚の担当者は毎朝、市場に出向き自らの目で見て仕入れを行っています。時には、お客様の要望をお聞きして特別に仕入れる場合もございます。
商品においては、特にお刺身には自信があり、「どこよりも新鮮で」「どこよりも厚く」「どこよりも安く」をコンセプトに販売しています。
また、「お魚の惣菜」もきむらならではの「おいしさ」「お安さ」でお届けしており、大変ご好評をいただいている商品です。
現状に満足せず、今後ともより一層お客様に喜んでいただけるようなサービスを提供していけたらと思っています。
ー貴社がここまで成長できた秘訣を教えていただけますでしょうか。
木村社長:
実は私は、脱サラしてこの業界に入りました。だからこそ、お客様の気持ちはよく理解でき、お客様と同じ視点で店舗運営するよう心がけています。
お客様から挙がった意見はすぐに店づくりに取り入れてきました。
何かうまくいかないことがあれば、すぐに対処する。効果が無ければさらに改善する。うまくいくまで改善する。ですから、“うまくいかないこと”はないのです。
常識にとらわれることなく、問題点があればすぐに改善し、新しいことにチャレンジし続けてきたからこそ、ここまで成長できたのだと思います。
ー視点を変えて、採用に関する質問です。貴社が求める人材像や社長の右腕として活躍するために必要な『素質』をご教示ください。
木村社長:
弊社では、各店舗や各部門に大きな裁量があり、それぞれの担当者が自分で考えて経営をしています。
ですから、それぞれの担当者がオーナーなのです。自分で考え自分で行動できる人がきむらで活躍できる人だと思います。
少々の失敗は構いませんので、思いっきり自分で考えてチャレンジしてもらいたいです。明るく、元気よく、前向きな人を求めています。
ー最後になりますが、貴社の今後のビジョンをお伺いできますでしょうか。
木村社長:
香川県のスーパー業界は、大手スーパーによる買収、統合が行われています。また、県外有力スーパーの進出、ドラッグストアの出店攻勢と、とても厳しい情勢です。
しかしながら、地元の企業として地元のためにも生き残ってゆかねばなりません。そのために、生鮮食品に主力を置き、鮮度、品質で他店と差別化を図っています。
ナショナルブランド商品の価格競争に巻き込まれず、これまで以上に生鮮に特化した店づくりを目指してまいります。
また、現在は水産加工センターや志度地方卸売市場をもつ強みを生かして、瀬戸内の魚を県外に販売する計画を立てています。