※本ページ内の情報は2023年11月時点のものです。

協和界面科学株式会社は1947年に文京区本郷で創業された。現在、接触角計をはじめとした理科学機器の製品製造からサービスへシフトする目標をかかげ、界面の受託測定などを手掛けている。世界でオンリーワンのサービス提供を目指す亀井社長に、界面科学の「いろは」からお話をうかがった。

界面科学と会社の成長の関係

ーー界面科学という言葉にあまり皆さんは馴染みがないかと思います。まずは、「界面科学」についてご紹介いただけますでしょうか。

亀井真帆:
弊社は界面科学に関わる様々な理化学機器を作っています。界面科学というのは、2つの物質の「境目」を扱うのですが、弊社はこれを数値化する測定器を作っています。2つの物質は、液体と固体だったり、液体と液体だったりします。

超撥水素材の表面のつくり方とか、インクをきれいに印刷するなら紙の表面をどのように作って浸透させるか、絆創膏が貼りつく力を分析して、最適な粘着力にするにはどのようにすればよいか、などというのが界面科学の扱う課題です。

祖父の時代には、多くの測定器をつくっていて、何をつくっているかが紙に書ききれないくらいでした。製品を一気に絞ってデジタル化し、日本に広めたのが私の父です。

界面科学に詳しくなれば良い測定器を作ることができます。良い測定器ができればさらに界面科学の分析がスムーズになり、より深く界面科学を理解することにつながるでしょう。「この好循環で成長していこう」という目標をたてて日々の仕事をしています。

世界を目指す戦略

ーー世界を常に意識されていると伺いました。世界市場へ向けての戦略をお聞かせください。

亀井真帆:
界面科学業界で競合他社はドイツの企業ですが、そことは同じ戦略は取らずに弊社は少量多品種で行きたいと思っています。世界を目指す戦略としては、製品を絞って性能を上げることよりも、あらゆる分野の界面科学に詳しくなることで、世界をリードする存在になりたいと思っています。

受託測定の仕事もしています。測定方法が難しかったり、いろいろなサンプルをお預かりします。そこで様々な経験と知識を積んでいくことになりますが、測定経験や知識はどんどん積み重なって、結果、測定器にフィードバックされていきます。

「これができるのは、世界でも協和界面科学の1社だけ」という、私たちにしかできない仕事をすることによって、世界に貢献していくことを目標にしています。そのためにも、挑戦を続けていきたいと考えています。

将来的には測定にとどまらず、企業の商品開発をサポートするコンサルティングサービスなどを目指しています。そこまで行けば、できるのは弊社だけですし、世界にはもっと大きな市場があるので、そこで通用する力を身につけていきたいと思っています。

プロフェッショナルの志を共有する人と働きたい

ーー貴社の経営理念について、お聞かせください。

亀井真帆:
「協和の羅針盤」という経営理念を、一昨年くらいに新たにつくりました。
「界面科学と想像力で人と地球を豊かにする」と、以前から掲げていましたが、もう少し“私たちらしい”経営理念に刷新したいと思ったのです。

「羅針盤」は、会社のメンバーみんなと一緒に作りました。私は、会社と従業員ひとりひとりの人生理念、人生ビジョンを重ね合わせて一緒に成長して行くことを目指しているのでみんなで作ることを強く意識しました。

弊社では、経営理念とキャリアビジョンを重ね合わせられるように、毎年従業員ひとりひとりがキャリアカウンセラーの先生とそれぞれ1時間ほど話をする機会を作っています。その際、従業員自身の人生ビジョン、人生理念、ミッション、キャリアビジョンなどを明確にしています。

ーー貴社の採用においては、何を重視していらっしゃいますでしょうか。

亀井真帆:
採用では、理念に共感してくれる人を求めています。プロフェッショナルを目指して、高い専門知識・技術、倫理観を持って仕事をしてほしいからです。

どういう人間になりたいとか、どういう人生を歩みたいということは、20代の頃などは
難しいことだと思います。しかし、漠然と毎日仕事をして過ごすより、目標が明確になったほうがいい人生になると思っています。

人生に目標を持って、理想や理念に向かって自分ができることを日々実践していくという方が、絶対にいい人生になると思っています。

ーー社長ご自身「イクボス」ということですが、ワークライフバランスについての貴社の取り組みについてお聞かせください。

亀井真帆:
早くからワークライフバランスに力を入れていて、子育てしてる方を応援することにも力を入れてきました。

育児をしていると急に保育園に呼び出されることもあったりして、育児と仕事のバランスをとるのが難しくなるケースが発生します。私自身、こどもを5人育てているイクボスですので、ワークライフバランスには理解があると思っています。

編集後記

界面科学は、生活に身近な課題を解決する先端科学分野だ。界面科学に対する社長の熱い思いが、測定器と「うちにしかできない」と亀井社長が語るオンリーワンのサービスを支えている。宇宙での生活にまで広がる協和界面科学の将来展望に、心が躍るインタビューだった。

亀井真帆(かめい・まほ)/1976年東京生まれ。酪農学園大学獣医学部卒業。卒業後、獣医師の仕事を8年経験。担当業務は人獣共通感染症の理化学検査。鳥インフルエンザを経験し、防疫業務に全力で対応した。2012年祖父が創業した理化学機器メーカーに勤務。2017年社長就任。前職で培った理化学機器ユーザーの視点を強みとし「界面科学と創造力で人と地球を豊かにする」理念を以てグローバルニッチトップを目指す。また「イクボス」として1男4女を子育て中。