※本ページ内の情報は2024年2月時点のものです。

自動運転や先進運転支援システム、水素エンジンなど、次々に新しい技術が登場する自動車業界。トレンドやニーズが目まぐるしく変わる中、株式会社フセラシは自動車部品サプライヤーとして、時代に合わせながら人々のニーズに応えた製品を提供し続けている。

同社の代表取締役社長、嶋田守氏は、自身が会社を経営する上で「フレキシブルであること」を重視していると語る。

フセラシがなぜ90年も人々から求められているのか、嶋田氏に同社の強みと経営者としての考え方を聞いた。

何もしないよりも挑戦して失敗したほうが良い

ーー嶋田社長が大切にされている考えについて教えてください。

嶋田守:
たとえば営業の仕事には、100人いれば100通りのやり方があります。同じ営業方法でも、相手が違えば効果があったり、なかったりしますよね。

そのほかの業務にも言えることですが、決められた考え方だけでなく、柔軟な考え方を持つべきだという意味で「フレキシブルであることが大切」だと考えています。

ーー嶋田社長は工場の立ち上げやアメリカ法人の立ち上げなど、ゼロから始めた事業を多く経験されているかと思います。その中で不安だったことはありますか。

嶋田守:
工場やアメリカ法人を立ち上げると進言したものの、実際にやってみて上手くいかなかったらどうしようという不安はありました。当時はまだ33~34歳で、社運をかけた挑戦をするには若かったのもあります。

ただ、若いうちにこういった経験をできたのは良かったと思いますし、ほかの社員たちにもどんどん挑戦してもらいたいです。

失敗したらどうしようと考えて何もしないよりは、実際に動いて失敗したほうが良い。挑戦して失敗したところで会社は潰れませんし、そんなことで潰れるのであれば、それは社員ではなく会社がダメだということです。

ーー挑戦する気持ちが重要ということですね。

嶋田守:
フロンティア精神というか、やはりチャレンジングな部分は必要だと感じています。ただずっとチャンスを待っているのではなく、道なき道をつくる気持ちや、常に一歩先を行く気持ちを持つことは大切だと思います。

長い歴史の中でも時代に合わせて変われる柔軟性が強み

ーー貴社は90年の長い歴史がありますが、どういった点に強みがあるとお考えですか。

嶋田守:
弊社は歴史がある会社ですが、時代や状況に合わせて判断を変えてきました。「その道一筋」の会社が悪いわけではありませんが、弊社は1つのことだけにのめり込まず、いろいろなことに少しずつ手を出しているのが強みです。

また、お客様からただ図面をもらうのではなく、一緒に図面を引いているのも弊社ならではの強みです。お客様から言われた通りにただ従っているわけではないので、弊社は自社の生産コストを下げられますし、最終的な費用が安く済むのでお客様にも喜んでもらえます。

ーー先ほど「社員にはどんどん挑戦してもらいたい」と言われましたが、挑戦しやすい環境づくりなどもされているのでしょうか。

嶋田守:
挑戦という面での取り組みでいえば、入社2年目の若手でも海外駐在に行ってもらうなど、海外経験を積んでもらうようにしています。

また、オープンな意見を共有できるような、風通しが良くなる環境づくりも意識しています。風通しが良いので社員同士で自由に意見を出すことができ、結果として判断を下すスピードが速くなっています。

ビジネスマンとして大切なパッション・ミッション・アクション

ーー貴社では今後も改善活動に力を入れていきたいとうかがいました。

嶋田守:
今後は、今まで続けてきた製造方法ではなく、新しい方法を考えていきたいです。理由は、社員が仕事を楽しく行えるようにするためです。もし今まで続けてきた方法で大変だと感じているのであれば、もっと仕事が楽になる方法を考える必要があります。仕事のしんどさが解消されれば、社員たちは今よりも楽しく仕事に取り組んでくれると思うので。

ーー嶋田社長が事業を行ううえで大切にしている考え方などがあれば教えてください。

嶋田守:
私が大切にしているのは、パッションとミッションとアクションです。パッションは情熱で、ミッションは使命。この2つがあっても、アクションつまり行動がなければ意味がありません。どれか1つでも欠けていては、結果は出ないという考え方を大切にしています。

また、私は創業者の孫ですが、今後社長は家系に縛られる必要はないとも思っています。弊社は家業ではなく、企業ですから。能力がある人、時代に相応しい人が社長を担っていくのが当然だと考えています。

編集後記

90年の長い歴史を持つフセラシだが、嶋田社長は歴史を大切にしつつも「変化に柔軟に対応できる会社でありたい」と語った。

市場ニーズの変化が早い昨今。若手社員の声を積極的に聞いて取り入れる同社なら、従来の価値観に縛られず、これからも革新的な製品を世に出してくれるだろうと感じた。

嶋田守(しまだ・まもる)/1960年生まれ、奈良県出身。1984年に京都外国語大学を卒業後、株式会社フセラシへ入社。群馬工場、三重工場の製造部門を経て、米国現地法人立ち上げのため赴任。1997年、米国現地法人社長就任。14年間余り米国に駐在し、常務取締役などを経て2007年12月に代表取締役社長に就任。