※本ページ内の情報は2024年4月時点のものです。

AI技術を活用し、経営コンサルティングからITシステム開発まで、社内情報システムに関するサービスをワンストップで提供している株式会社pluszero。

代表取締役会長兼CEOである小代氏は、自らも起業家でありながら次世代リーダーの育成をライフワークとし、これまで40人以上の起業家を育成・輩出してきた。同氏に起業に至るまでの経緯と、人生の目標設定の仕方、そして今後展開していく事業について話をうかがった。

目指すは「日本のGDPを世界No.1に導く経営者」

ーー社長のご経歴についてお聞かせください。

小代義行:
高校時代はサッカーに打ち込んでおり、その後、東京大学工学部に進学しました。就職活動の際に「ITが今後10年で最も伸びる」と耳にし、当時勢いのあったNTTデータに入社を決めます。入社して3年目を過ぎた頃、ITという専門分野にこだわりすぎて自ら視野を狭めていることに気が付きました。

悩み抜いた先にたどりついた答えが「最後にニコッと笑って死ねるような人生にしたい」というものでした。自分が最も輝けるのは「限られた制約条件の下でおこなう、知的でフェアな競争」であり、それをビジネスの世界で一番高度にできる立場が経営者でした。

「日本の1人当たりGDPを世界No.1にするくらいの経営者になること」と目標を据え、それを達成するために逆算して考え、各年代での中間目標を設定したのです。

「60歳で日本の1人当たりGDPを世界No.1にする」「50歳までに株式時価総額1兆円企業をつくる」「40歳では資金を10億円持ち、他社から経営の依頼がくるような人間になる」「35歳までに経営者になり、1億円の資金を集める」「27歳までに世界No.1の会社に行き、自分の専門性を高める」と、このように青臭い目標ではありましたが、おかげでスピード感をもって行動を起こすことができ、中間目標を達成し続けています。私の目標とpluszeroの動きは、実はすべてつながっているのです。

ーー次世代リーダーの育成にも力を入れているとお聞きしました。

小代義行:
日本のGDPを世界No.1にするためには、人材の育成が欠かせません。そこで「次世代のリーダーを100人育てたい」という新たな目標が生まれ、次世代リーダー養成塾「志塾」を設立しました。

「ビル・ゲイツさんやスティーブ・ジョブズさんなど、素晴らしい結果を出している経営者の方々の若い頃と同等以上の経験の機会を次世代の若者たちに与えることで、より優秀な人材が輩出されるのではないか」というシンプルな理論を打ち立て、スタートしました。

18歳の人に予算2,000万円のプロジェクトを任せてみたり、19歳の人に年に3回のM&Aを任せてみたりと、優秀な人材が自分の力を気持ちよく発揮できるような仕組みをつくったところ、結果として現在40人の経営者を輩出しています。

第4世代AIの開発に注力。独自の技術で新たな可能性を切り開く

ーー事業内容を教えてください。

小代義行:
AI・自然言語処理を通して事業コンサルティングサービスを提供しています。人間でも右脳と左脳を組み合わせると、バランスの良い思考になるという考え方がありますが、AIの世界でもそれと同じ考えを適応したのが「二重過程モデル」です。

「ChatGPT」などの直感的な機械学習をおこなう右脳と、ルールベース(人間が設定したルールに従って状況を判断し、出力が行われる技術)で論理的思考をおこなう左脳を掛け合わせることでAIをより賢くし、信頼性を高めていくアプローチをおこなっています。

コールセンターやITの運用保守、製造業の設計など、一定以上の信頼性がなければ使えないような領域の世界に向け、業界に先駆けてAIを展開しています。また、リアルの人材と同様にAIを派遣する「仮想人材派遣」のサービスを展開するべく、研究開発を進めています。

ーー採用時のこだわりはございますか?

小代義行:
AIは世界的に進化を遂げており、日々膨大な数の論文が生まれています。新しい分野のため、経験が長い人よりも論文をたくさん読んでいる学生の方が詳しいくらいです。そこで私たちがこだわっているのは抜擢文化で、能力通りに評価することを徹底しています。

約130名の社員のうち、40名ほどがインターン生なのですが、彼らの時給も正社員と同じ設定にしています。

ーー採用では何を重要視していますか?

小代義行:
物事をしっかりと理解する力が大切だと思っています。私は「理解度レベル」と呼んでいるのですが、物事をしっかりと理解していれば、それを人にアウトプットすることができます。アウトプットの中身が洗練されれば、より相手に伝わりやすくなる。つまり最初に物事を理解する力があれば、どんなところが主戦場になったとしても乗り越えることができるのです。

世の中にAIを普及させ、自らイノベーションのリーダーシップをとっていく

ーー今後の展望をお聞かせください。

小代義行:
先程お話しした「仮想人材派遣」などのAEI(Artifitial Elastic Intelligence:限定された業務において人間のようにタスクを遂行できるAI)技術をつかったサービスを今期中に産業化する予定なので、まずはそこをしっかりとやり遂げていきます。

来期以降は、AEIを一気に普及させていきたいと考えています。パソコンにインテルが入っているのが当たり前になったように、私たちの生活の至るところにAIが入り込み、ロボットにもAI搭載が標準となるような状況をつくりだしていくのが次のステージです。

そうしてAEIを普及させ、ビジネスとしても大きく成長していく過程の中で、社会的な課題を解決できるよう、リアルテック・ディープテック(特定の自然科学分野における研究開発型の革新技術)でイノベーションを起こしていきます。そうして稼いだお金や育てた人材を再投資しながら、最終的には私たちだからこそできる技術的なイノベーションのリーダーシップをとっていきたいと考えています。

編集後記

独自に進める次世代AIの開発で、さらなる革新をもたらしている株式会社pluszero。「二重過程モデル」など難関な分野ではあるが、今期AEIが実用化される計画もあり、それを機に一般消費者へのアプローチを広くおこなうという。それにより、「“すごく賢いAIがあるらしいよ”と世間を揺るがす1年にしたい」と小代氏は語る。pluszeroがもたらすAIの進化から目が離せない。

小代義行/東京大学工学部を卒業後、NTTデータ、Microsoftなどの日米のITトップ企業と一緒に企業再生ファンド、ベンチャーキャピタルなどを展開する株式会社インスパイアへ就職。2003年、株式会社ユニークを設立し代表取締役に就任。次世代リーダー養成をライフワークとして「志塾」を運営し、これまで40人以上の起業家を輩出。2020年に株式会社pluszeroの代表取締役会長兼CEOに就任。