【ナレーター】
「その課題を、価値へ。」を経営理念に掲げ、不動産コンサルティング事業、および自然エネルギー事業を展開する「霞ヶ関キャピタル株式会社」。
東日本大震災で被災したショッピングセンターの立て直しに端を発し、太陽光発電所、アパートメントホテル、物流倉庫など、さまざまなアセットを開発・提供し、2018年に東証マザーズ(現・東証グロース)市場へ上場を果たす。
近年では、温室効果ガス低減のため自然冷媒を用いた冷凍冷蔵倉庫の開発、地方創生を通じて社会課題の解決を企図した自社ブランド『FAV HOTEL(ファブホテル)』の全国展開や、終末期医療を扱うホスピスの開発など、その事業領域を拡大させている。
躍動する企業の成長の源泉と、経営者が思い描く未来像に迫る。
【ナレーター】
成長し続けている理由について、河本は3つの柱で事業展開をしているからだと語る
【河本】
物流倉庫、ホテル、ホスピス、これらの開発を積極的に行っています。
物流倉庫に関しては、冷凍冷蔵倉庫にフォーカスをしています。ホテルに関しては、多人数向けのホテルを全国で現在、開発を進めています。これは『FAV HOTEL』という名前で、日本全国において開発中も含め、約20件を展開しています。
一般的なビジネスホテルは稼働率が40%ぐらいでようやくキャッシュフローが黒字になると言われてます。しかし、当社が運営するホテルは稼働率が20%未満でも黒字になります。そこまで徹底したローコストオペレーションを実行しているんですね。
ホスピスというのは終末期医療です。終末期の方々に施す医療・看護的、介護的ケアは、ターミナルケアとも言われています。
特に都心部だと自宅で受け入れられる体制が整っていないご家庭が多いのです。需要が増えていますので、当社がそこに今、供給を始めています。
自分の親を入れたいと思う、または自分も将来的にそこに入ってもいいと思える、そんな施設を目指して開発を進めています。
この3つを主軸として、事業を展開しています。
【ナレーター】
河本のファーストキャリアはコンストラクション・マネジメント会社だった。営業職として実力を身につけていったが、ある企業との出合いが河本の運命を大きく変える。
【河本】
私が担当したお客様のうちの1社が不動産ファンドビジネスを手掛けている会社だったんですね。
ちょうどその頃、不動産ファンドビジネスを立ち上げる、勢いのあるベンチャー企業が世の中に多く出始めていた時期でもありました。
その中でもトップランナーとして走っていた会社を担当させていただいたのが、私が転職するきっかけになったんですよ。
不動産をファンドという形で買って、バリューアップによって再生する、そんなビジネスがあることをその時に知って。
「これは面白い」ということで、不動産ファンドのアセットマネジメント会社へ転職することを決めました。
【ナレーター】
その後、転職した不動産会社にて、のちに霞ヶ関キャピタルの共同創業者となる小川潤之と出会う。一時は違う道を歩んだものの、2011年に再会を果たし、霞ヶ関キャピタルの前身となる企業を共同創業。
最初に立ち上げた事業が、東日本大震災により被災したショッピングセンターの再生だった。その理由について、こう振り返る。
【河本】
傷んでしまっているショッピングセンターをもう一度、その地域のインフラとして再生することに、必死になって挑んでいました。
再生する中で、ショッピングセンターのキャッシュフローを安定させようと、ショッピングセンターの屋根に太陽光発電パネルを設置するということを、2012年にやったんですね。
2012年から再生可能エネルギーの固定価格買取制度、いわゆるFIT制度が施行されたのですが、その制度を使って太陽光発電ビジネスに2012年から当社も参画しました。
そこでだいぶキャッシュフローを安定させることができたと思います。
【ナレーター】
この挑戦に手応えを感じた河本が次に着手したのが、太陽光発電所の金融商品化だ。
【河本】
太陽光発電ビジネスというのは、キャッシュフローや制度自体がとても安定していて。これは金融商品として、とてもいい商品になるのではないかと考えたんですよ。
そこで、制度とキャッシュフローを学んで、日本全国に太陽光発電所を金融商品として提供する。そんな立ち位置で始めました。