-社長に就任された経緯をお聞かせいただけますでしょうか。

菅沼社長:
鷲津メッキ工業所は1961年(昭和36年)に私の両親が創業した会社です。

私は2代目経営者としての人生を歩んでいますが、就任前は別の会社に勤めていました。

当時の私はサラリーマンとしての生活が比較的気楽であると感じていたこともあり、跡を継ぐことに関してはずっと悩んでいました。

自分が家業を支えたいと決心したのは、30歳を迎えた頃です。

幼少期から両親が多くの努力を重ねて鷲津メッキ工業所を築いてきた姿を目の当たりにしていたこともあり、この会社を見捨てるわけにはいかないと感じたのです。

もちろん、簡単な決断ではありませんでしたが、私は自分の成長と会社の未来を考え、勇気を持って戻ることを決意しました。

-サービスを提供する中で、特にこだわっていることを教えてください。

菅沼社長:
お客様にとって、最も重要な要素はQCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)であると私たちは考えています。

これらは顧客満足度にも直結する重要なポイントですが、時代の変化とともに、その要求レベルは高まっています。

お客様の期待を超えるサービスや製品を提供するために私たちはまず、お客様に満足いただけるような体制の構築に注力しています。

さらに、技術的な面でも、お客様の多様なニーズに応えるために、日々技術力を向上させることを心がけています。

メッキ技術や製造技術などを集約し発展させることで、お客様との信頼関係を築き、より一層の満足を提供できる企業であり続けることを目指しています。

-貴社の成長の要因についてお聞かせください。

菅沼社長:
現在の私たちの状況について、決してヒットしているとは考えていません。

今、このように操業を続けられているのは、ひとえに先代が築き上げた堅固な基盤のおかげだと強く実感しています。

先代が奮闘し、苦労を重ねて築いてきた企業の土台やブランド力、顧客との関係性、そしてその中で育まれた信頼関係こそが、私たちがこの事業を続けることができている理由です。

それは、私たちの事業運営において非常に重要な資産となっています。

これを維持してお客様の期待に応えるだけでなく、常にメッキ技術の進化に貢献し続けていきたいと考えています。

-メッキ技術発展に貢献するために人材育成も重要視しているそうですが、貴社が求める人材像や、活躍するために必要な『素質』を教えてください。

菅沼社長:
私たちは、単に指示を待つだけの受動的な人材ではなく、自ら積極的に求めて行動できる人材を求めています。

これからも進化を続けるメッキ技術の発展に貢献するためには、受け身の姿勢は通用しません。

むしろ、自分から情報を集め、自らの成長を促すために必要なスキルや知識を積極的に習得する姿勢が重要です。

自らの成長を目指して積極的に行動できる人材を特に歓迎し、次世代のメッキ技術の開発や製造技術の改善に向けて、ともに取り組んでいきたいと考えています。

-最後に、貴社の今後のビジョンをお聞かせください。

菅沼社長:
弊社は主に自動車向けの製品やサービスを提供しているため、この業界の変革にしっかりと対応することが重要です。

自動車業界は今、急速に進化しており、電動化、自動運転、そして環境規制の強化など、様々な変化が起きています。

これらに適応するために、私たちは技術、人材、そして体制の3つの側面を一層向上させていくことが大切です。

さらに、既存の自動車業界に加えて、他の業界へのアプローチも積極的に推進していきます。

多角的な視点を持つことは、企業としての成長を促進し、新たなビジネスチャンスを生む可能性を広げます。

異なる分野への展開をとおして、次世代のメッキ技術の開発や製造技術の改善を推し進めていくため、新たな技術開発と人材育成に努めていく所存です。