※本ページ内の情報は2023年12月時点のものです。

企業の収益最大化に向けて、データを活用したマーケティング戦略が重要視される昨今。「データ活用における革命を起こす」を企業理念に掲げて日々邁進するのが、株式会社インティメート・マージャーだ。

同社では、約4.7億ユニークブラウザに紐づくオーディエンスデータを活用しながら、顧客のあらゆる課題を解決する事業を展開している。学生の頃から「データを扱うのが好きだった」と話す代表取締役社長の簗島亮次氏に、創業の経緯や、データが変革を起こす未来について聞いた。

昔からデータを活用して人の役に立つことが好きだった

ーー簗島社長は、すでに中学生の頃から自分でデータを扱って新しいプロダクトをつくっていたとうかがいました。

簗島亮次:
中学生の頃、自分でパソコンを組み立ててテストの予想問題集をつくったりしていました。予想問題集をつくったのは、当時からいろいろなデータを収集して予測するのが得意だったからです。情報を使ってものづくりをするという点では、現在の自分につながっている経験だったのかなと思います。

大学時代はいろいろなことに挑戦してみたいという思いがあり、その挑戦の1つとして、大学生の就職活動に特化したSNSの事業を始めました。これはビジネスとしてあまり大きくはなりませんでしたが、大学時代で特に記憶に残っている経験です。

理想を叶えるためにデータ活用の会社を創業

ーー大学卒業後はグリー株式会社に就職されたと聞きました。

簗島亮次:
私は大学に一浪して入学して、さらに大学院の修士課程に2年間通っていたので、25歳のときにグリー株式会社に入社しました。入社前の20代前半は、プログラミングを学び、計統学や脳科学の研究をしていました。データ解析の技術コンテストで優勝したのも、このときです。

グリーではゲームやWebサイトのディレクターをしていて、ずっと働きっぱなしだったのを覚えています。その後、株式会社フリークアウトに転職して、それからインティメート・マージャーを創業しました。

創業した理由は、私はほかの人と比べてデータを使った改善や効率化が得意ですし、私にその仕事を任せたい人は多いだろうと思ったからです。フリークアウトで働いているときにも、いろいろな人から起業の誘いがありました。しかし、自分で会社を立ち上げたほうが理想を早く叶えられると考えたことが、今の事業を始めるきっかけになりました。

広告を最適化するアドテクノロジー事業を展開

ーー現在、貴社ではさまざまなサービスを展開されていますが、主なサービスについて教えてください。

簗島亮次:
主なサービスは、データを使ってインターネット広告を最適化するアドテクノロジーです。例えば、広告を出している企業の中には、ユーザーのニーズに合った広告を配信するターゲティング広告が上手くいっていないところが少なくありません。

弊社では、ターゲティングが上手くいっていない企業に弊社のデータを使ってもらい、ターゲットを絞り込んで広告を出してもらうサービスを展開しています。余分な広告を出さずに済むので、コスト削減につなげることが可能です。

あとは、コスト削減の仕組みを搭載した広告の媒体を販売するといった事業も展開しています。販売方法の1つは、コスト削減の仕組みだけを買ってもらう方法。もう1つは、弊社のコスト削減の仕組みをラッピングした広告の配信方法ごと買ってもらい、GoogleやYahoo!などのプラットフォームとオリジナルメニューをつくってもらうパッケージ販売を行っています。

HR領域への参入で求職者と企業のマッチングの精度を高める

ーー今後どのような展望を持たれているのか教えてください。

簗島亮次:
特に今考えているのがHR(人事)領域へのサービス導入を進めることです。現在、大手の人材紹介・転職企業では、膨大な人材情報を活用してAIによる企業と求職者の自動マッチングなどをしています。しかし、そのマッチング精度はまだあまり高くありません。

マッチングの精度を高めるためには、「なぜその求職者にその企業・求人がおすすめなのか」まで踏み込んだ情報が必要になります。弊社のデータ活用技術は、この求職者と企業・求人をより正確にマッチングさせることに向いています。ミスマッチングのリスクを下げられるので、企業側の業務効率を大幅に向上させることが期待できます。

今後は、HR領域に限らずさまざまな業界にサービスを展開したいと考えています。そのためには、事業開発に関する知識や経験を持つ人材が必要であり、弊社ではオリジナリティのある人材の採用に力を入れています。

編集後記

子どもの頃からデータを扱うことが好きで、データで人の役に立つために株式会社インティメート・マージャーを創業した簗島氏。

同社の取り組みはまだ始まったばかりで、その成果が今後どのように企業に利益をもたらすのか、これからも引き続き注視していきたい。

簗島亮次(やなしま・りょうじ)/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科を2010年首席で卒業。同年、大手IT企業へ入社。2013年、株式会社インティメート・マージャーを創業し、代表取締役に就任。株式会社インティメート・マージャーを創業。データサイエンティストのアカデミックな視点と経営者としてのビジネスの視点から、日本最大級を誇る約4.7億ユニークブラウザに紐づくオーディエンスデータを用いて、さまざまな業界の課題解決を支援している。