株式会社リビングハウス 家具屋が地方を救う。経営者が語る「挑戦と革新」に込めた想い 株式会社リビングハウス 代表取締役社長 北村 甲介  (2023年4月取材)

インタビュー内容

■冒頭ナレーション
家具・インテリアの企画・製造・販売や地方の家具店、百貨店の事業再生・施設再生事業など、多岐に渡る事業を展開する「株式会社リビングハウス」。

東京・大阪を中心に直営店を35店舗展開する他、近年では徳島市との包括連携協定の締結や、神奈川県鎌倉市に本社を構える株式会社カヤックと、地方創生領域における協業を目的とした資本業務提携を締結するなど、家具屋の枠組みを超えた挑戦を続けている。

『日本を「空間時間価値」先進国へ』をミッションに掲げ、躍動する企業をけん引する経営者の軌跡と、見据えている未来像とは。

【ナレーター】
自社の強みは、商品構成とオペレーションにあると北村は言い切る。

【北村】
現在は商品の約半分が自主企画商品で、我々がプロデュースして提携している工場でつくってもらっている商品が半分あります。

50のうちの約半分が、リビングハウスでしか扱っていない商品。残りの20%ぐらいが国内外からセレクトさせてもらった商品。これで全部で100の商品ができ上がっているので、これをうまくミックスして、マーチャンダイジングして。それをお洒落にコーディネートするノウハウと、売っている商品が他社ではなかなか売ってないという個性が差別化のポイントですね。

あとは接客販売の提案の仕方ですね。

我々の提案は「モノ売り」ではなく「コト売り」っていう言い方をしているんですけれど、ソファーを見ている方がいらっしゃったら「何でソファーを探しているんですか」というところから話は始まって、たとえばそこから「引っ越しです」となったら事情をたずねます。

「引っ越しだったらちょうど、この今このソファー売れ筋で」とか。「今、安くて」とか「いい革で」ではなくて。「引っ越しだからって何で買うんですか」と。

そういう「何でですか」「何でですか」「何でですか」と3回ぐらい聞いた先に、本当の答えがあると思っているので、その本当のニーズを汲み取りながら、そこから初めて商品の提案であり、コーディネートの提案をしています。

ただ、それを口だけで行うのは難しい。

そのため、我々は、3Dのデータに起こしてお客様の家を再現しながらですね。それをお見せしながら、接客提案をしていく。コーディネート提案をしていく。

これが我々のオペレーションの積極提案における特徴なので、このどっちかが欠けても「リビングハウスらしさはなくなる」んで、2つあってこそのリビングハウスらしさだと思っています。

【ナレーター】
北村の原点は幼少期にある。商店街の一角で家具屋を営む両親のもとで育った北村だったが、当時は家具やインテリアへの関心は全くなく、家業とは違う道を進む。その後、転職を検討し始めたタイミングで家業を継ぐという選択肢が浮かび、父と次のような話をしたという。

【北村】
「家具・インテリアのビジネスは「すごくやりがいがある」という話と。それから、「日本はインテリアの文化がすごく遅れているから、逆にいうと、これから伸びる花形産業になり得る」みたいな。この2つの話を何となくよく聞いてたんです。

「でも、これって今仕事を自分でやっているお父さんの感覚であって、自分自身がその仕事に身を置いてみて、この2つが感じられるかどうかは分からないよね」と。「これを感じられなかったら辞めるけどいい?僕の人生だから」と言って。

「それでもいいんだったらトライしてみようと思う」というような話をして。「じゃあ好きにしなさい」となったので「やります」となったんですね。

【ナレーター】
家業を継ぐことを決めた北村だったが、家具やインテリアの知識に乏しかったため、当時取引先だった家具の製造を手掛ける外資系の企業に転職。仕事の中で得た、ある大きな気づきとは。

【北村】
毎日5軒も6軒も営業にいってた訳ですけど、「建物は立派なのに、中は何でこんなに無頓着なんだろう」と思って。

立派なご自宅・マンションに住まわれている方でも、こういう暮らしっぷりをしているということは、皆さん、まだ知らないだけとか、まだ興味が薄いだけであって、お金の余裕はある方々が多いわけですから。

それであれば、未来にそういったところに意識とか消費が行く可能性は十二分にあるなと思ったので、これから非常に伸びる可能性があるなという気持ち満々で帰ってくることに至った訳ですね。

【ナレーター】
その後、リビングハウスに戻り2011年に代表に就任。そのとき、父親に言われた言葉が今でも印象に残っているという。

【北村】
「経営理念さえ守ってくれたら、あとは何を変えてもいい」と言われたんですよ。

「こういうビジネスもできるよな」、「ああいうビジネスもできるよね」というふうに会社を成長・拡張していくために、その言葉をもっと噛み砕いて拡大解釈して、自分たちの会社のリソースで何が強みとして生かせるんだろうと思ったことが広がっていっただけなので、実は、何も変わっていない、といえば、変わっていないんですよね。

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経営者プロフィール

氏名 北村 甲介
役職 代表取締役社長
著書 「かなぁ?」から始まる未来 家具屋3代目社長のマインドセット
略歴
慶應義塾大学を卒業後、ベンチャー企業を経て、2004年株式会社リビングハウスに入社。’11年代表取締役社長に就任。 家具、インテリアへの深い造詣を活かしたブランドインキュベーションや、店舗運営ノウハウを用いたコンサルティングなども手がける。 テレビ東京系列「カンブリア宮殿」や日本経済新聞「人間発見」などのメディアにも出演。

会社概要

社名 株式会社リビングハウス
本社所在地 大阪府大阪市西区南堀江2-10-8
設立 1942
業種分類 小売業
代表者名 北村 甲介
WEBサイト https://www.livinghouse.co.jp/
事業概要 家具・インテリア・オーダー家具・システム収納の国内・海外製品の企画・販売。店舗の総合プロデュース
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