【ナレーター】
その後、倉庫のプロデュースや地方百貨店の再生など、家具屋の枠組みを超えた取り組みにも注力しているリビングハウス。その真意とも言えるキーワードとして、北村が挙げたのが渋沢栄一の著書の名称でもある「論語と算盤」だ。
【北村】
論語というのは、同業他社さんの再生だとか、百貨店さんの再生とかもやらせてもらってますけども、これは自分たちの今まで培ってきたビジネスを通して得たソフト力であり、ブランド力であり、商品力です。
そういう知識・経験を生かして他社さんが発展するということは、また、その地域の発展にも貢献できるということは、もちろん、すごくやりがいがありますし、論語としては十分成り立っていると。
百貨店さんのリニューアルをする。もちろんプロデュースはするんですけど、お金は先方が当然払っていらっしゃるので、投資は先方がしながら、僕らがそれをお手伝いして先導します。
僕らは商品も供給するので、商品の売上が立つことで、算盤としてもしっかり成り立っている。だけど、論語もしっかりしている。この2つがあるからこそ、我々は力を入れてやっていっている。そんな感じですね。
【ナレーター】
従業員の育成には「マインド」と「ハウツー」が重要だと、北村は語る。
【北村】
『リビングハウススピリッツ』という会社のいろいろな考え方をしたためた手帳みたいなのがあるんですけど、これを浸透するための教育のプログラムがあったりとか、あるいは朝礼で毎日ひとり、誰かがその中の自分が今取り組んでいることをピックアップして、みんなの前で発表するとか。
数多くの仕事のシーンで使うというケースを意図的につくるということがマインド醸成につながると思っているので、それがこうベースに合った上でハウツーを教える。マインド面とハウツーの移植というものが、会社のそのアウトプットとしての再現性を高めると思っているので。
ただ、量の増大が質の低下を招かないように、極力そこには時間とお金と労力をかけて取り組んでいるつもりです。
【ナレーター】
北村が挑戦を成功にさせるために常に意識していることとは。
【北村】
「おせっかいをしよう」と思っているということと、もう1個はもう「忖度しない」。望まれていること以上のことを返そうと基本的に思っているので、これを僕は「おせっかい」と呼んでいるんですけれど、おせっかいはした方がいいと思っているので、その2つがまず入り口ですね。
プロデュースって、つくって終わりではなく、でき上がったところからがスタートなので。そこからどう一緒に併走していくかという気持ちの問題と、もちろん行動と。最初からうまくいくわけないので、諦めずに粘り強くやっていく。
自社の取り組みでもそれは一緒ですけども「諦めたら終わり」なので。失敗で終わるので、諦めずにやり続けたらいつか成功が来ると思っているので。それを信じてやっているという感じですね。
【ナレーター】
現在、上場を目指し準備をしている最中だと語る北村。思い描いているリビングハウスの未来像とは。
【北村】
「自宅をちょっとオシャレにしたいな」、「いいものを買いたいな」と思ったときに、いの一番にリビングハウスが浮かぶ。
そういう会社でありたいですし、またこうBtoBとしても「何かインテリアでお洒落に空間をつくりたい」と思ったら、「リビングハウスに頼もう」と思ってもらえるような、いの一番にリビングハウスというのが想起される。
そういうブランド、会社になっていたいというのが定性的な目標ですね。
【ナレーター】
求める人材像について、北村は次のように語る。
【北村】
「素直で、真面目で、勉強熱心で、遊び心のある人」。この4つが必要だと思っているんですね。もうひとつ、絶対的に大事だと思っているのは「好奇心」ですね。
ただ、素直でかつ好奇心がすごくあるといっても、結局行動しないと何も変わらないので、それを継続してコツコツやれるという真面目さ。これが絶対的に必要だと。
さらに僕たちのビジネスは感性が関係するビジネスをしているので、生真面目だけではダメなんですよね。「自分の感性を磨く」をいろいろな対外活動をするという遊び心。
本当に遊ぶということも含めて、それが絶対不可欠なので、その要素のある人たちと一緒に働きたいなと思ってます。
―大事にしている言葉―
【北村】
「挑戦と革新」です。
新しいことに挑む・取り組むということは、企業の発展において絶対必要だと思っていて。
新しいことばかりどんどんやればいいって話でもなくて、今あるものを革新させていくということも当然必要なので、「挑戦と革新をする」ということがリビングハウスのモットーでもあり、自分自身の人生のモットーでもあるので、それに“前のめる”ということが大事だと思っています。