※本ページ内の情報は2024年6月時点のものです。

グローバルパートナーズ株式会社は、グローバル人材の紹介や海外進出支援、デジタルマーケティングなど、数々の事業を手がけるほか、日本のビジネスをけん引する若手起業家の支援にも力を注いでいる。

同社を創業した代表取締役社長の山本康二氏に、今の事業にもつながる前職での経験、また、グローバル化を目指す企業やベンチャー企業の支援を行う理由などについて、話をうかがった。

生産性の向上と海外市場の開拓で日本経済を伸ばす

ーー貴社の事業内容をお聞かせください。

山本康二:
まず弊社は、企業における生産性の向上と海外市場の開拓を支援し、日本の経済成長を後押しすることをビジョンとしています。このビジョンを軸とし、次の4つの事業を展開しています。1つ目は海外の販路開拓支援、2つ目は外国人材と日本企業のマッチング、3つ目はベンチャー企業支援、4つ目は若手人材の育成です。

また、これまでに培った市場分析力を活かし、YouTube動画広告の作成やプリントオンデマンド出版も手がけています。たとえばYouTubeでは、結婚情報誌・サイト『ゼクシィ』の読者には結婚式場の広告、特定の車種を検索している人には同ランクの車など、ピンポイントで広告が表示されるように工夫しています。

一方、プリントオンデマンド出版は、初期費用0円、月に数万円のコストでプロの編集者とライターによる書籍を出版できるサブスクリプション型のサービスです。1冊単位で印刷・製本が可能なため、お客様が在庫を抱えずに済み、過剰コストを削減できます。しかも出版後にいつでも書き換えができるため何年後でも最新の営業ツールとして活用できます。売上の向上や人材採用、取引先開拓など利益向上に直結するご提案をしています。

ーー企業がグローバル化を目指す際のポイントを教えてください。

山本康二:
海外企業とビジネスをする際は、外国人や帰国子女などのバイリンガル人材を登用し、社内組織をグローバル化することが重要です。営業やマーケティングだけでなく、研究開発や製造、法務、経理、人事、広報など全ての部署で海外ビジネスができる人材を配置しなければ、スタートする事も、その後のPDCAサイクルを回して伸ばしていく事もできません。

そのため、新卒や第二新卒を採用する時点で、従来の日本人だけではなく、バイリンガル以上で各国に駐在できるグローバル人材を採用し幹部まで育てていくことが必須なのです。

ーーベンチャー企業や若手人材の支援に注力する理由は何ですか。

山本康二:
彼らが日本の将来を切り拓く原動力になると考えているからです。2010年の1億2806万人をピークに人口は減少に転じ、2100年には4956万人になると推計されている(※)日本では、一人当たりの売上や生産性を今の倍にすることも考える必要があります。(※)国立社会保障・人口問題研究所、出生低位死亡高位令和5年推計

そんな中で新しい発想を持ったベンチャー企業は、AIやDXなどの最新技術を駆使し、斬新で革新的なビジネスを描いています。そこで弊社は今後の日本を背負うベンチャー企業や実業家の売上向上を支援し、日本全体の生産性向上につなげたいと考えているのです。

光通信では新卒から常務取締役に昇進、起業家支援で100社以上の上場企業の誕生に貢献

ーー学生時代のエピソードや、前職の入社の決め手を教えていただけますか。

山本康二:
当時、父は貿易会社を経営していて、親戚も大企業勤めの人が多く、私も当たり前のように進学校に進み、勉強と部活動に励んでいました。しかし、高校に入ると学歴で人を判断したり、勤続年数によって給料が変わったりする社会の不公平さに嫌気が差すようになりました。大人のつくったレールから踏み出したく、偏差値70を超える高校で、全科目のテストで0点を取ったりしました。

大学時代には、まだ未上場で創業間もない株式会社光通信の「学歴、年齢、性別、国籍一切関係なし。全員が社長だと思って経営に参加しよう。」という求人のフレーズに目が留まりました。また、ベンチャーという言葉もない時代に、21歳の若者が同社を創業したことを知り、私が入りたかったのはこんな会社だと思い、入社を決めました。

ーー入社後はどのようなことに取り組んだのですか。

山本康二:
営業に配属されてからさまざまな部署を渡り歩きました。どこの部署でも成果を出していたので、昇進の打診はあったのですが、役職に就くよりも幅広く仕事を学びたかったので、すべて断りました。そして、すべての事業部で売上トップになりました。

光通信が扱うすべての商材を誰よりも売れるようになったことで自信もつき、28歳の時に最年少で取締役に就任しました。その後、常務として1万人の組織を構築をし、累計で1兆円を稼ぎだすなど、数々の新記録を樹立しました。

また、ベンチャー企業への支援に1000億円以上を投じ、その結果、株式会社サイバーエージェントやGMOインターネットグループ株式会社など、100社以上のベンチャー企業が上場を果たしました。自らも上場会社の社長を数社歴任し、さまざまな事業で日本一の記録を10以上獲得しました。そして20年間で、育てた部下のうち600人以上が20代、30代で独立起業をしました。

ーー会社や社会に多大な貢献をするなか、今の会社を創業した経緯を教えてください。

山本康二:
創業のきっかけは、低迷している日本経済を成長させたいと思ったからです。成長が見込まれる新興国市場への進出を加速させるため、中国のアリババグループの日本総括代理店としてアリババマーケティング株式会社を設立し、光通信やアリババ、ソフトバンクなどから10億円の出資を受けました。

その後、自分が会社のオーナーになりたいと思い、MBOを実施。20年間務めてきた光通信を退社し、グローバルパートナーズ株式会社に名称を変更しました。

年齢や学歴、国籍などの差別を撤廃し、実力が発揮できる社会へ

ーー会社を経営するうえで重視していることを教えてください。

山本康二:
私は年齢や学齢、国籍などで人を差別したくないという思いを強く持ってきました。また、若い人にこそチャンスを与えたいと思っているので、弊社では22歳の新卒の社員に上場企業の社長との商談を任せることもあります。

また、社員全員が社長だと考え、人事制度や給与制度のほか、新会社の会社名や立地、価格設定なども社員にすべて任せています。さらに私や役員を含めた社員の給与や会社の財務状況など、会社の情報はすべてオープンにしています。

私は家族経営の企業と同じように社員と情報を共有し、お互いに信頼し合える関係でありたいと思っています。他社でも年功序列の廃止や実力主義を謳っている企業はありますが、弊社ほど徹底しているところはないのではないでしょうか。

ーー最後に、読者へのメッセージをお願いします。

山本康二:
私は会社の売上には固執せず、社員がいかに楽しく生き生きとした人生を送れるかをテーマにしてきました。その結果、売上は伸び続け、あらゆるジャンルでトップシェアを獲得しています。

このことからも差別のない組織では社員が実力をフルに発揮でき、生産性が向上することを実感しています。今後も、オープンでフェアな職場環境づくりを支援し、日本企業の成長に貢献していきます。

編集後記

高校生のときに日本社会の矛盾に疑問を感じ、今でもその思いを抱き続けている山本社長。インタビュー中も年齢や学歴、性別や国籍などの差別を無くし、自分の実力だけで戦える世の中にしたいという社長の熱い思いが伝わってきた。企業のグローバル化を進め、若者やベンチャー企業の挑戦を支援するグローバルパートナーズ株式会社は、日本経済の底上げに大きく貢献することだろう。

山本康二/1971年埼玉県生まれ。1995年株式会社光通信に入社し、1999年に28歳で取締役に就任。2008年に常務取締役に就任。2009年に光通信、ソフトバンク、アリババの合弁企業としてアリババマーケティング株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2013年にグローバルパートナーズ株式会社に名称変更。2014年にMBOを実施し、オーナーとなる。2022年にはGPUオンライン大学校を開校。