※本ページ内の情報は2024年7月時点のものです。

グローバル化が進む今、日本人や日本の市場だけでビジネスを成り立たせることが難しくなっている。日本企業が世界で活躍するために、「プロジェクトマネジメント」という立場からサポートを行っているのがピーエムグローバル株式会社だ。

同社の代表取締役、木暮知之氏は海外事業を行うためには「ワンチーム」の精神を持つことが大切だと語る。グローバルビジネスの豊富な知見を持つ木暮社長に、事業の強みや今後の展望を聞いた。

「ワンチーム」の考え方で海外プロジェクト専門のマネジメント会社を創業

ーーなぜ起業を志すようになったのでしょうか?

木暮知之:
中学生の頃から、社会に貢献するために将来は起業したいという思いがありました。ただ、すぐに起業するのは難しいと考え、世の中やお金の流れを知るためにまずは東京銀行(現三菱UFJ銀行)に入り、そこで海外赴任の機会を与えてもらい、帰国後は資産運用の部署に勤めました。

当時はAmazonやAppleなどの海外企業が日本に登場し始めた時期で、海外の起業家が、自社株を買ってもらうために講演会でアピールし、実際に新規株式上場(IPO)する姿がありました。そういった講演会に参加する20代や30代の若者も多く、同じような道に進みたいと思うようになりました。

ーー貴社の事業について教えてください。

木暮知之:
ピーエムグローバルは海外プロジェクトを専門とするマネジメント会社です。米国のITコンサルティング会社の日本法人に勤めていたときに任命されたプロジェクトマネジメントの仕事が今の事業につながっています。

そこで働いていたのは2年ほどでしたが、米国のベンチャーの文化や人との関わり方を肌で感じられた良い機会でした。その会社で学んだ「ワンチーム」という考え方は、海外でビジネスを展開するうえでとても大切な価値観で、弊社にも引き継がれています。

グローバル、ダイナミズム、環境づくりが強み

ーー貴社ならではの強みは何でしょうか?

木暮知之:
プロジェクトを円滑に進めるための環境づくりを得意としています。弊社のお客様は日本の有名企業が多く、業種は自動車と製薬、ITが90%ほどを占めます。こういった企業は英語を使って海外の企業と仕事をするので、弊社がプロジェクトを前に進めるためのサポートをしますが、海外企業との会議の際、コミュニケーションが上手くとれず、認識のズレによるやり直しが発生し、納期が遅れてしまうという現象は業界ではよく発生します。

弊社では発生しうるボトルネックを予測し、先回りして要件定義をしっかり行い、状況に応じたサポートをしながら会議を有意義なものにします。プロジェクトを円滑に進めるための環境づくりにおいては自信があり、顧客からも「安心して任せられる」との評価をいただいています。

また、弊社の仕事の醍醐味は、企業の社長から清掃スタッフまで、いろいろな人とコミュニケーションをとって情報を集める点にもあります。業務内容によっては世界各国のエンジニアやデザイナーなどとも連携する必要があり、小さな会社でありながらダイナミックなことができます。

将来性のあるIoTやAIの分野で新規事業に挑戦したい

ーー今後の注力テーマについてお聞かせいただけますか。

木暮知之:
1つは、企業が社員向けの研修などを行う際に活用する「人材育成サービス」です。弊社がプロジェクトマネジメント事業で培ってきたノウハウを整理し、プログラムとしてお客様に提供するもので、とても喜んでいただいています。

また、今後の新規事業として議事録ツールの提供も考えています。会議の音声を録音して議事録を作成するツールはすでに出回っていますが、これにAIの技術を導入し、人の感情まで読み取り、活発な議論を促す方法をまとめた製品の提供に挑戦していく方針です。

IoTやAIの分野は今とても盛り上がっているため、積極的に関わっていきたいと思っています。また、日本のものづくり文化は海外でも必要とされているので、日本の製造業の職人技を後世につなぐような活動にも取り組んでいきたいですね。

ーー貴社はどのような人材を求めていますか?

木暮知之:
コミュニケーション能力が高く、いろいろなものに興味を持てる人を求めています。弊社はグローバルなビジネスを行っているため語学力も必要ですし、またロジカルに話す能力も大切です。

弊社は今、大きな変革のタイミングを迎えています。そのため、変革を楽しみながら会社を大きくできる人、そんな弊社のカルチャーに合う人が来てくれると嬉しいですね。

編集後記

木暮社長は「グローバルに他社とコラボできるのが、弊社のバリュー。今後は、社員が楽しく前向きに働ける環境づくりにより一層貢献していきたい」と語った。同社のサービスは世界で戦う日本企業にとって不可欠なもの。今後もさらに活躍の場が増えていく大きな可能性を感じた。

木暮知之/上智大学卒業。豪ボンド大学経営学修士(MBA)。東京銀行(現三菱UFJ銀行)で海外での資金調達や投資顧問などを経験。その後米国ITコンサルタント会社セピエントコーポレーションの日本法人設立に携わり、デジタルブランディングなどを担当。日本のIT企業に転職後はグローバル企業のプロジェクトに参画。2005年にピーエムグローバル株式会社を創業し、代表取締役に就任。