株式会社ツバキ・ナカシマ 海外売上高比率8割超。自動車から人工衛星まで、幅広い分野の製品を支えるプライム上場企業 株式会社ツバキ・ナカシマ 代表執行役社長CEO 松山 達  (2024年11月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
自動車から人工衛星まで、幅広い分野の製品を精密加工技術で支える、「株式会社ツバキ・ナカシマ」。

ベアリング用精密ボールにおいて世界シェアトップを誇る同社は、その確かな開発力と技術力を武器に、世界11か国に拠点を構え、海外売上高比率は約8割にのぼる。

今後はセラミック製品の充実化や新たな事業領域の開拓などにも積極的に取り組み、グローバル展開をさらに加速させるべく、挑戦を続けている。

「企業変革」をテーマに掲げ、躍動する新社長が思い描く、ツバキ・ナカシマの未来像とは。

【ナレーター】
自社の強みについて、松山は3つの要素を挙げる。

【松山】
1つはやはり技術力です。私たちは、日本のモノづくりのDNAを受け継ぎ、精密加工の技術を有しています。

このボールを地球サイズに拡大したと仮定すると、許容される表面の凸凹は、人間の身長ほどに収まらなければなりません。そのような非常に精密な加工を大規模かつ安定的に、継続的に行うことが可能です。

2つ目がグローバル規模でのカバレッジ(網羅率)です。当社はグローバルに工場を持ち、主要な全てのリージョンにおいて、お客様の工場がある地域でボールを作って供給できるという体制を整えています。

3つ目がお客様との関係性です。ほぼ1世紀にわたりベアリングメーカーの皆様と一緒に歩み、ボールメーカーとして成長してきました。その強固な信頼関係を長年にわたって築いてきたことが、当社の競争力の源泉だと考えています。

【ナレーター】
松山の経営者としての原点は、アメリカに本社を構える化学メーカー時代にある。2009年に同メーカーへ入社し、そこで事業経営や事業再建などに携わった経験が、今に生きていると振り返る。

【松山】
僕が当時34歳で、アメリカのオハイオにある工場、いわゆる子会社にCEOとして赴任したとき、工場で働く年配の女性の方が僕の顔を見て、「You're like a baby.(あなたは赤ちゃんみたい)」と言うんです。「すごく若いのに大丈夫なの?」というところからのスタートでした。

それから数年かけて、実際に企業の立て直しを進める中、従業員たちの意識もだんだん変わり、不安そうだった人たちが「ああ、そうか。これで会社や事業が良くなっていくんだ」と実感しはじめ、「ありがとう、ありがとう、変えてくれて」と言ってくれるようになったんです。

従業員の目の輝きが変わっていくのを見て、それが自分の中での楽しさとか嬉しさとなった経験が、今にもつながっています。

【ナレーター】
その後、アメリカの大手プライベートエクイティファンドなどでキャリアを重ね、2024年5月にツバキ・ナカシマに入社し、7月に代表執行役社長 CEOに就任。順風満帆な日々を過ごす中で、参画の決め手となった理由とは。

【松山】
参画した理由はいくつかあります。1つは、この会社が持つ社会的な意義、意味合いです。ツバキ・ナカシマという会社名は、多くの人にとってなじみがないかもしれません。ベアリングのボールも、一般的にはなかなか見ないですし、想像がつきにくい商品ですよね。

しかし、実はベアリングは、世の中のあらゆる動くものに使われています。たとえば、車や電車、飛行機、さらにはさまざまな製造機械に欠かせない部品です。

そんなベアリングボールの市場で、当社は50%以上のシェアを持つ企業であり、世界や社会にとって重要な役割を果たしている。その点にまずは魅力を感じました。

それからもう1つは、90年の歴史の中で培われた、高精度で高品質のボールを大量に安定生産できるという技術力。そして、グローバルに工場を持ち、各地域で主要なお客様と深くかかわっている点も、企業としての強固な土台を感じました。

一方で戦略や経営、オペレーションの面では、まだまだ改善の余地が明確にあり、ぜひジョインさせていただきたいなと思いました。それらが背景ですね。

【ナレーター】
企業のパフォーマンスを引き出すには、嬉しさや楽しさを最大化することが重要だと語る松山。その真意に迫った。

【松山】
僕にとっての情熱や重要なこととは、肉体を超えたところにある魂や心が感じるワクワクや嬉しさ、楽しさを最大化すること。これこそが人生の本質であり、人間の存在意義だと思っています。そこが僕の考え方のベースにあるんです。

では、それを成し遂げるためにやるべきことは何かというと、自分の人生や自分が関わる組織を通じて、世の中や世界、人類に対してポジティブなインパクトをいかに最大化できるかが重要だと考えています。結局、僕がビジネスや企業経営でやっていることはそれに尽きるんです。

そして、従業員の皆さんの持ってる情熱やワクワク、楽しさ、嬉しさを最大限に引き出すことこそが、組織としてのパフォーマンスを最大化する最良の方法だと思っています。

プロジェクトをやり遂げることで、お客様に新しい価値を提供できる、お客様が喜んでくれる、自分がまた成長できる……。そうした状況をいかに作り出せるか。それが、僕にとっての個人的なパッションです。

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経営者プロフィール

氏名 松山 達
役職 代表執行役社長CEO
生年月日 1979年1月24日
出身地 福岡県
座右の銘 Enjoy life. Follow your highest excitement and highest joy. Get out of your comfort zone. Go within and listen to your heart. We are all one.
愛読書 マインドセット(キャロル・ドゥエック)
運命を拓く(中村天風)
アミ小さな宇宙人(エンリケ・バリオス)
尊敬する人物 森羅万象、全ての人々、全ての存在
略歴
2001年東京大学法学部卒業後、ボストンコンサルティンググループに入社、日本国内の事業会社における幅広い経営課題に取り組む。
2009年にデュポン米国本社に入社、幹部育成プログラムを経て、エレクトロニクスや自動車産業分野での子会社や事業部にて事業経営/事業再建を行う。
2017年にプライベートエクイティファンドKKRに入社、日本、米国の投資先企業の企業変革/価値向上をリードする。
2021年に、ボストンコンサルティンググループに再度入社、米国企業の企業変革担当役員に就任。
2024年5月に当社入社、7月に代表執行役社長CEOに就任。

会社概要

社名 株式会社ツバキ・ナカシマ
本社所在地 大阪府大阪市中央区本町4丁目2番12号 野村不動産御堂筋本町ビル5階
設立 1936
業種分類 機械器具製造業
代表者名 松山 達
従業員数 2,776名(2024年12月31日現在)
WEBサイト https://www.tsubaki-nakashima.com/jp/
事業概要 軸受用鋼球、セラミック球、超硬合金球、ガラスボール、プラスチック球、カーボン鋼球などの各種産業用精密ボール、円錐ころ、円筒ころ、球面ころなどの軸受用及び各種産業用精密ローラー、医療用器具及び衛生用器具、ボールねじ及び送風機等のリニア製品の製造販売
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