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日本のゴルフ業界では、都市開発による練習場の閉鎖や、運営コストの高騰が大きな課題となっている。従来の練習場では営業時間や人件費の問題があり、利用者にとっても利便性が十分ではない。
そこで近年注目されているのが、24時間無人で営業する新しい形態のゴルフ練習施設である。これにより、利用者は時間に縛られず、いつでも自由に練習できるようになった。また、最新のシミュレーターを導入し、データに基づいたスキルアップが可能となるなど、従来にはなかった革新が進んでいる。
こうした中で、ゴルフ業界の未来を担う新しいビジネスモデルを展開しているのが株式会社SMART GOLFだ。同社の代表取締役である高須賀優人氏に、成長を続ける無人ゴルフ練習施設への挑戦や、その成功の秘訣について聞いた。
野村證券からM&A仲介、そして起業へ
ーー起業前の職歴を聞かせてください。
高須賀優人:
私は大学卒業後、新卒で野村證券に入社しました。毎日、朝4時半に起きて日経新聞を読み、6時半には出社、夜遅くまで仕事をするという生活。非常にハードな環境でしたが、社会人としての基礎を築くことができました。
特に、自分の能力を活かして成果に繋げたことが直接評価され、それが給与に反映される点も魅力の1つでした。この経験を通じて、成果を上げるためにどう行動すべきかを常に考えるようになり、その考え方は起業後も私の中に根付いています。
その後、M&Aキャピタルパートナーズに転職し、約4年半、M&Aの仲介業務に従事しました。企業の買収や売却を仲介する際に、売り手と買い手の間に立って交渉をまとめるという業務を通じ、ビジネスの本質に触れる貴重な経験を積みました。顧客との信頼関係が何よりも重要であり、その信頼を得るために多くの努力を重ねて培ったスキルや姿勢は、現在の事業運営にも非常に役立っています。
ーーゴルフ業界に目を向けた理由を教えてください。
高須賀優人:
実は、起業前はゴルフについてあまり詳しくありませんでした。しかし、ビジネスモデルとしてのゴルフ練習施設には大きな可能性を感じていました。日本全国にはゴルフ練習場やレッスン施設が数多く存在しますが、特に首都圏では自分のペースで自由に練習できる場所が限られていました。
ゴルフ場や練習場が減少している中で、スマートな練習環境を提供することに市場のニーズがあると確信し、起業に踏み切りました。実際に、私たちの無人練習施設は「いつでも好きなときに練習できる」という特長が、忙しいビジネスパーソンに非常に好評です。
最新技術を駆使したサービスとカスタマーサポートの充実が強み
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ーー他社との違いや、強みについてお聞かせください。
高須賀優人:
私たちのサービスには、いくつかの大きな特徴があります。まず、24時間無人で営業している点です。お客様はアプリで予約し、いつでも好きな時間に練習できます。次に、最新のシミュレーターを導入しており、利用者は自分のスイングデータを詳細に分析できます。これにより、初心者でも上達のプロセスを「見える化」でき、自分の課題を明確に把握できるようになっています。
さらに、会員同士のオンラインコンペも始め、全国のゴルフ愛好者がリアルタイムで競技を楽しめるシステムを構築しています。このように、デジタル技術を活用したサービスは他社にはない強みです。
また、ゴルフ業界は伝統的な要素が強い業界なので、私たちが提供している24時間無人のゴルフ練習施設という新しい形態は、顧客からの信頼を勝ちとることが特に重要です。利用者が安心して使えるように、施設のメンテナンスやカスタマーサポート体制にも力を入れています。トラブルが発生した際には迅速に対応できる体制を整えています。こうした細やかなサービスが信頼感を高め、ブランド力の向上に寄与していると考えています。
事業の拡大に向けた企業のビジョン
ーー今後の展望についてはどのようにお考えですか。
高須賀優人:
現在の目標は、まずは全国で400店舗の展開を達成することです。ただし、これは通過点に過ぎず、最終的には1,000店舗を目指しています。私たちのビジネスモデルは、地域に密着し、お客様がいつでもアクセスできる「24時間無人ゴルフ施設」という点で強い競争力を持っています。全国47都道府県に店舗を設置することで、ゴルフをもっと身近なスポーツにできると信じています。
もう一つの重要な目標は、会社として、そして社内の全員が豊かになることを目指しています。私たちのミッションは、従業員やその家族、そしてお客様全員が幸せになれる企業をつくり上げることにあります。事業の成長とともに、従業員一人ひとりが成長できる環境を提供することを大切にしています。
社員が主体的に成長できる環境ーーフラットな組織でのキャリア形成
ーー採用PRに関して、これから応募しようと考えている方にメッセージをお願いします。
高須賀優人:
弊社は現在、急成長の真っただ中にあります。首都圏を中心に既に100店舗以上を展開しており、最終的には1,000店舗を見据えています。この成長を支えるためには、優秀な人材が不可欠です。
私たちが求めているのは、挑戦意欲と成長意欲の高い方です。学歴や経験にこだわらず、今後何を成し遂げたいかを重視しています。私自身も証券業界からM&Aの業務を経て起業しましたが、当初は経営に詳しくありませんでした。重要なのは、「成長したい」「新しいことに挑戦したい」という強い意志です。
働き方の自由度が高く、アイデアを実行に移せる環境があるので、自分の手で事業を成長させ、結果を出すことにやりがいを感じられる方に、ぜひチャレンジしていただきたいですね。
編集後記
高須賀社長とのインタビューを通して強く感じたのは、株式会社SMART GOLFが持つ革新性と成長の可能性である。特に、無人で24時間営業のゴルフ練習施設という新しいビジネスモデルには、テクノロジーとデジタルサービスを活用した先進的な考えが根底にある。
無人施設でありながらも、カスタマーサポートを充実させ、顧客に安心感を与えるための取り組みがなされている点も、非常に革新的だ。ゴルフ愛好者だけでなく、次世代のビジネスパーソンにとっても注目すべき企業だと言えるだろう。
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高須賀優人/1990年生まれ、東京都出身、立教大学経済学部卒業。新卒で野村證券株式会社に入社。個人・法人投資家向けに金融商品の営業、ライフプランのコンサルティング業務に4年間従事。M&Aキャピタルパートナーズ株式会社にて、M&Aに関するコンサルティングと案件推進を行う投資銀行業務に約4年間従事。2020年に株式会社SMART GOLFを創業。現在は代表取締役として、100店舗以上のインドアゴルフ事業の経営を行う。