※本ページ内の情報は2024年8月時点のものです。

株式会社マサヤホールディングスは、神奈川県と東京都で解体工事を手掛ける「ハマーズ」と「レクト」、アスベスト分析・調査を行う「ベスター」を束ねる気鋭の企業。業務規模を年々拡大し売上も今や約41億円と右肩上がりに成長を続けている。ウェルビーイング思念を掲げ、身体的・精神的・社会的に良好で満たされる環境および状態を追求する経営を志している。

社名にもなっているこのMasayaとはタガログ語で「幸せ、楽しい」を意味する。社員一人一人が幸せを感じられるような会社を目指したいと思って、その名を命名したという。

会社の利益だけではなく、社員の幸せを第一に考える澤社長は、どのようにして会社を拡大し、成長させてきたのか。その経緯や経営者として大切にしている価値観について聞いた。

評価が反映される仕組みで社員のパフォーマンスを最大化

ーー創業の経緯を教えてください。

澤昌志:
高校を卒業してから5年ほど札幌の家電量販店で働き、その後はメンマのシェア日本一の中華食材の輸入会社で4年ほど働いてから、解体工事の会社に転職しました。

起業のきっかけは、その解体工事会社で出会った同僚と2人で飲みに行った時に、「勤めている会社ではできないやり方をして仕事をしていきたい。自分たちで理想の会社を作ってみようか?」と話し、気づけばその勢いで会社を立ち上げました。

当時は本当に思いつきで起業しましたから、まず私の自宅マンションの1部屋をオフィスとして登記し、同僚と2人で営業をするところから始めました。

その後、事務員が一人増え、自宅から事務所としてのアパートを借り、10人以下の解体工事会社として実績を積み、今ではグループ会社で従業員96人、事業所6店舗、グループ全体総売上約41億円になるほどに成長しました。

ーー貴社の事業内容について聞かせてください。

澤昌志:
主に住宅の解体工事を行っています。HPや不動産仲介会社様からご紹介いただける個人のお客様の直接契約やハウスメーカーや不動産会社・工務店から元請けとして工事を受注し、年間2300件程の工事を行っています。また、解体だけではなく、不用品回収や樹木伐採、アスベスト採取、自社グループでの検査および分析調査も行っています。

今年(2024年)7月にはスリランカカレーのお店をオープン予定です。解体・工事・分析のほかにこういった飲食業にも力を入れていこうと思っています。

新しいことへの挑戦は現状維持の打破と社会貢献が目的

ーー社員の働き方についてはどのようにお考えですか。

澤昌志:
弊社では、取引先に払う費用や年度ごとの目標数値の設定、工事会社の選定などをすべて社員自身に決めてもらっています。

新規営業はテレアポからスタートするので不向きな人は辞めてしまいますが、それでも実際に辞める人は10%もいません。自由出社自由退勤制度を導入し、自身の裁量で仕事を進めていくスタイルをとっており、実績を出せば評価され給料に直接反映される仕組みを採用しています。

売上目標を3か月連続で達成したら3〜5万円昇給し、1年間で12〜20万もの基本給アップのチャンスがあります。実際に社員の半分以上は年収1000万円に達しており、業界内でも高水準です。

私は、会社は社員とその家族のために存在していて、社員が成長すれば会社もそれに伴い成長すると考えています。職場環境や福利厚生の充実、努力を正当に評価できる仕組みづくりが社員のモチベーションアップにもつながり、充実感や満足度といった持続的な幸福を実感して一緒に働いてほしいと思っています。

ーーグループ会社の設立など多角的な事業展開に挑戦される背景について教えてください。

澤昌志:
神奈川県横浜市で小さな解体工事会社(株式会社ハマーズ)を立ち上げ、成長に伴い東京都にも解体工事会社(株式会社レクト)を設立しました。

また、法改正にともない、アスベスト検査が義務付けられたので「自社で検査が出来ないか?」と考え、アスベストの検査及び調査業務を行える会社(株式会社べスター)を2023年に設立。自社で検査し自社で解体をするという構図を引き、業務をスムーズに、競合他社に負けない仕組みを作りました。

また神奈川・東京だけではなく、私の地元での事業展開をしたいと考え、今年の1月に株式会社ハマーズ札幌支店や株式会社ベスター札幌センターを設立。地元の雇用促進や地域活性化、道内経済に微力ながら貢献していきたいと思っています。さらにオープン予定のスリランカカレー店、5月に不動産業を行う株式会社不動DXという会社も立ち上げました。

スモールビジネスとビッグビジネス。どちらも仕事ではあるが、ビッグとスモールそれぞれにあった利益の出し方、人の采配、シチュエーションの違う局面でどう経営していくかを学びたいという気持ちで業種の違う会社を始めました。

社員が成長していくとともに自身も常に成長していきたい、常に努力し続けたい、そういう経営者であり続けたいと思っています。

人材投資に注力して社員に還元していきたい

ーー今後の展望をお聞かせください。

澤昌志:
今後の展開としては現在いる社員数を100人以上に増やし、人材への投資に力を注ぎたいと思っています。

先ほどお伝えした通り、会社は社員とその家族のためにあると僕は考えています。社員一人一人が弊社の財産であり、原動力そのものです。

ここまで事業規模の拡大が出来たのも社員のおかげであり、全員が一丸となって頑張ってきた証だと思っています。教育制度を整え、よりよい仕事が出来る環境を整えるシステムを導入したり、社員旅行を充実させたり、今後も美味しいものを食べさせたいと思っています。昨年(2023年)の社員旅行は沖縄の宮古島に、今年(2024年)は北海道を予定しています。

今後もウェルビーイング経営を行いつつ、社員の幸福度を高める為になるお金の使い方をしていきたいです。

編集後記

取材中、何度も「会社は社員や社員の成長のためにある」と語った澤社長。だからこそ、社員に大きな裁量権を持たせたり、出勤管理を個人に任せたりなど、自由度の高い働き方が実現できているのだろう。

そんな澤社長が率いる株式会社マサヤホールディングスなら、どんな苦難が訪れても、社員一丸となって乗り越えられるだろうという力強さが感じられた。

澤昌志/1979年生まれ。1998年株式会社コジマに入社し、家電製品の販売業務を担当。2003年に京浜貿易株式会社に入社し、中華食材の製造および受発注業務に携わる。2009年に三晃商事株式会社において解体工事業の営業、施工管理を担当。同年、株式会社ハマーズを設立。2016年に株式会社レクトを設立。2023年に株式会社マサヤホールディングス、株式会社ベスターを設立し、代表取締役に就任(現任)。